人間は本能のこわれた動物である。


 人は誰もが常識外れだと思っている。

 どこか人とは違うと思っている。


 しかし、自分以外の人は常識人に見える。


 実のところ、人々はそれぞれ固有の価値観、私的な幻想に基づいて行動している。ある社会というものは、それら社会の構成要員による共有幻想によって成り立っている。


 で、共有幻想が成り立たなくなったとき、その社会は再構成される。

 王様が頼りないとか、農民が力を持ったとか。


 「異常者」と呼ばれる人は、その共有幻想に逆らっている人。


 でも、それを間違っていると指摘できるほど、個人には確固たるよりどころはない。

 だから、「異常者」というレッテルを張って、間違ったものだという風にしておく。


 ……なるほど!?

 分かったような分からないような。


 青年期というのは、明治以降にできた。

 それまでは進むべき道は決められていたので、家庭の延長線上に社会はあった。


 しかし。なまじ自由が増えたため、家庭から社会という違った価値観に触れたとき、挫折する人が多く出た。

 社会構造が変わってるのだから、もう少し考えるべき。



 この本が書かれたのは1978年。新装で出たのでも96年です。

 今ならニートと絡めて書かれるかもしれないねぇ。


 自己啓発ではなく、エッセーです。

 中々、面白い内容でした

ものぐさ精神分析 (中公文庫)ものぐさ精神分析 (中公文庫)
(1996/01)
岸田 秀

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