空想作品(日本の映画、アニメ)の中の歴史を年表順に並べて、架空の歴史年表を作ってみるという作品。
 昔……特に映画館で観た作品というものは、劇中の設定に疑問をがあっても、すぐには調べることはできなかった。
 だから(というわけでもないが)、結構適当な設定の作品も多くあり、それに思いっきり突っ込みを入れている。
 人類が文明を作る前に来たのに、寝すぎたために人類に負けた侵略者とか。ちょっとひどい。

 そして、時系列に並べることによって見えてくることもある。
 50年、60年代にはゴジラ以下、放射能で巨大化路線があり。
 70年代にかけて出てくる正義の味方の基地は、東京と富士山麓に集中していたり。

 これを面白いと思えるかどうかは、コケにされる作品をどれだけ読者が知ってるかにもよります。
 半ばオタクのような私でも、名前だけ知ってるけど本編を見たこともない作品がチラホラ。

 そんな知らない作品への突っ込みは、受けないギャグのようなものでね。
 ライオン丸とかジェッターマルスとか、知らんがな。

 まあ、この辺は空想科学読本の楽しみ方と変わりはないでしょう。


 それとは別に、この本独自の問題があります。
 それは、「空想歴史」というものの存在です。

 別々の作品を時系列で比較して、「空想歴史」上で退化したとか進化したとか言うのはどうかということ。
 一つにくくっているのは、「空想歴史」と言うものを作ろうとしている、この本と筆者の都合です。

 たとえば、「エヴァンゲリオン」が他のロボットよりも退化と言うのは、突っ込みとして成り立ってないですね。
 その作品には、その作品内での時系列があるわけですから。
 5つのムーが同時に存在したとかいうのも同様のことです。

 もちろん、「空想歴史」が整合性などとれるはずもない。でも、やってみると「3713年、人類はサルによって滅ぼされる」ことで見事に完結した、とあとがきで作者は自負しています。
 しかしこれは、整合性がとれるように作品をチョイスしたのではないか、とも思われます。

 「伝説巨神イデオン」では、人類滅亡どころか地球は割れて死にかけた星になっているんだけど。
 第3次世界大戦による滅亡から人類が復活するぐらいだから、地球もくっついた上で猿に人類は滅亡させられるのだろうか。

 無理に一つの歴史にまとめるのではなく、時系列で並べて分析するだけでよかったような。

内容(「BOOK」データベースより)
空想科学番組は、これまでさまざまな歴史的事件を描いてきた。「地球は46億年前、アース様によって創られた」「聖徳太子は法隆寺と同時にロボットを建造していた」「3713年、人類はサルによって滅ぼされる」…。これらの一見トンデモない事件を束ねてみると、意外にも大きな歴史の流れが浮かび上がってくる!話題のベストセラーが、ついに文庫化。
空想歴史読本 (空想科学文庫) 空想歴史読本 (空想科学文庫)
(2003/11)
円道 祥之

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