心地良い場所を探して | 精神と時の部屋

精神と時の部屋

自分が日々感じることを、ありのままに綴りたい。
を、出発点にした「完全自己満足」blogです。



「心地良い」って、
カラダはどんな感覚をあじわってるのかな?




16歳頃だったかな。


親の本棚からセレクトして

吉本ばななのデビュー作品「キッチン」を 

初めて読んだ。


主人公はキッチンを

とても居心地の良い場所だと

感じているんだけど、

そこからお話が展開していく。


当時の私には、

この感覚が「あるある。私にもあるよね。」

と、感じられて。


生まれた家のキッチン

というか、台所が好きだった。



自分じゃ絶対選ばない、

よくわからない柄の床。

お手伝いで、ここを何度も水拭きした。


山のような食器。

家族がたくさんで豊かだった頃。


私の好物が詰まってる冷蔵庫の音。

夕方の窓からの景色や風。


子どもの頃の私は

祖母が愛している

台所が好きだったのです。


元気が出ないと、冷たい床に座って

長いこと過ごしたりした。



そして、自分の部屋をもらったら

そこが居心地の良い場所になった。




やがて、生まれ育った家を離れ、

主婦になった私が愛しているのは…


キッチンや台所よりも

洗面所の、洗濯機なのです。


家事の中でも洗濯が好き。

汚れが落ちてキレイになっていく様。

濡れた衣類が乾いていく様。


外に干した洗濯物を眺めながら

アイスコーヒー飲むの大好き。


洗濯機が回る側で

音を聞いてるのも好き。



そんな私の愛した洗濯機ですが、

ついにお別れとなりました。


10年以上付き合ってくれて、

7777回くらい洗濯してくれた。

(ちょっと盛ってますが、

修理に来てくれた人から回数聞いた)


今もハッキリ思い出せるこの音を

私はだんだん忘れてしまうんだろうな。


ありがとう。

私の愛した洗濯機。

思い出、たくさんだよ。


そんなこんなで

新しい洗濯機をお迎えしたわけですが、

まぶしいくらい白い。

今日、この洗濯機の側で寝たいと思うほど。


(実行はしませんが)


そう思ってNEW洗濯機に触れてたら

「あー私、最近こうやって

居心地良いなぁって感じてない。」

と思いました。


安心する感覚とか

チカラが抜ける感覚よりも

緊張や疲ればかり。


仕事でも、去年、

「居心地の良い場所をみつける」

って、自分と約束したよね?


と、思い出して泣いた。





日々の仕事や役割を乗り越えるので

精一杯になってなかったか?


昼休みもちゃんと

「味わってた」か?


押しつぶされそうだと感じるばかりで

重力から逃げようとするばかりで。

新しくなった「まわり」に、

ふりまわされていた。

自分でも、

自分の仕事ぶりが空回りして嫌だった。


「居心地の良い場所」ってどこ?

って感じてみた。


いくつかあげてみて

「ちゃんとあるよね」と

確認した。


桜の花が散り散りになって、

隣のポプラは青い葉を準備してる。

風が吹いていなくても

私の呼吸は深くなり、心は軽くなる。


洗濯機に触れて

「あー、前のドラム式よりも

静かになっちゃって」

と、文明の理を感じながら

脱水音すら子守唄みたいに聞こえてる。


(ドラムくん、最後は故障してたから

音がゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

ってすごかった)



便利にするだけじゃなくて

私の生活を心地よくしてくれて

ありがとう。




流れ星おまけ


コロナ禍で

ストレスが爆発したときのこと。


空の洗濯機にスマホと頭を突っ込んで

King GnuのFlashを爆音で流し…


子どもたちに

「お母さんが変なことしてる!」

言われたりしました。


(洗濯機のなかは音が反響&光が反射して…

ライブハウス感あるのですよ…)



クラブ式洗濯機