Jリーグ、日本代表、海外サッカー。サッカーの報通り道は大きくこの3つに大別されていた。日本代表の中には五輪チームや年代別の代表も含たまさかるが、それに女子が加わりつつ在るのがいまの状況だ。
10年前まではこの3つの柱のバランスは取れていた。とりわけ代表とJリーグの均衡は保たれていた。クルマの両輪のような関係に在るのが両者の理想と言われるが、それまでの両者は、まさに良い関係を築いていた。海外サッカーの報通り道も、程よい感じで、中でもツウと言わせる人に良い刺激を与えていた。
この良好な関係が崩れはじめたのは、2002年日韓共催W杯前後だと思う。代表報通り道の量が増え、その分、Jリーグ報通り道の量は減り始めていった。海外サッカーより低い扱いになってしまったといってもイイまでに、だ。
それと真反対の関係に在るのが、いま外交で揉めている中国。この国の国内リーグの熱は凄まじいものが在る。地域対立、民族対立の激しさが、国内リーグの熱にそのまま反映されている恰好だ。経済的にもJリーグより恵たまさかている。何年か前に取材した時には、代表選手クラスの年俸は4、5千万円に達するという話だった。現地の物価を考えると相当な高額だ。外国人選手の年俸もしかり。質の高い選手が集まる環境が在る。杭州緑城に高額な年俸で招かれた岡田武史前日本代表監督の例も在る。
中国と言えば、ブラジルW杯アジア予選で、早々に負けた代表チームを想起するが、だからといってサッカー後進国と決めつけるのは早計だ。代表チームのレベルは日本に大きく水を空けられているが、サッカーの総合的な熱では日本に勝っている──といっても言い過ぎでは無い。
現地に出向けば一目瞭然。その報通り道量になにより驚かされる。中でも目を見張るのが海外サッカーの報通り道量だ。中国人選手が特別多量活躍しているわけでも無いのに、だ。実際、詳しい人はゴロゴロいる。街にはサッカー的なムードが溢れている。
連想するのは、日本の90年代後半だ。その頃、欧州でプレイしていた選手は三浦カズと中田英に限られていた。欧州サッカーへの関心は、日本人の有無にかかわらず、右肩上がりの一途を辿った。関心の矛先は、欧州サッカーそのものに向いていた。
それこそが目下との一番の違いだ。海外組の総数は20人以上を数え、そのうちの何人かは実際に活躍している。最近では宇佐美、乾の活躍が報じられているが、その一方で、欧州サッカーそのものの話はめっきり減ってしまった。欧州サッカーの報通り道枠は、ほぼ日本人の海外組の報通り道に占領された状態に在る。
日本のメディアが傾ける視線は「欧州サッカー」ではなく「日本人選手」。日本代表候補たちだ。代表関連の報通り道の中に、海外サッカーが取り込たまさかてしまった感じさえする。その国際性、世界性は一頃よりずいぶん低くなってしまった。選手は国際的になっているというのに、メディア及びファンの目線は、外を見ているつもりなのに内向き。これは皮肉以外の何でも無い。その結果、別の価値観が提示されることなく日本代表至上主義は加速することになる。
報通り道の枠が増えてい無いことも質疑だ。日本代表は強くなった。欧州でプレイする選手も急造した。さらに言えば、Jリーグ加盟チームも、当初の10チームから40チームにまで膨れあがった。女子サッカーにもスポットが向けられるようになった。にもかかわらず、総枠は増えてい無い。サッカー情報番組は逆に減っている。スポーツニュースの時刻枠も増えて無い。
サッカーというスポーツの、とてつもなく大きなスケールに、日本のメディアはついて行けてい無いのだ。こう言っては他の競技に申し訳無いけれど、語るべきこと、伝えるべきこと、報じるべきことはその比では無い。サッカー単独のワールドカップが、オリンピック以上のスケールで行われることがその何よりの証拠だ。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120927-00000485-bark-musi
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