<大飯再稼働> ネットで集結「反対」…官邸前に人の波 | Auto News

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関西電力大飯原子力発電所再稼働に抗議し、首相官邸(右上)前の通り道路を埋め尽くす人たち=東京都千代田区で2012年6月29日、藤井太郎撮影 関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を2日後に控えた29日夕、東京・永田町の首相官邸前で毎週金銭曜日に行われている再稼働への抗議行動が一気に拡大し、官邸前から霞が関への車通り道が人で埋め尽くされた。警察の機動隊も出動した。ツイッターやフェイスブックでの呼びかけなどで集まった人々は組織化されておらず、デモ行進はなし。官邸前でひたすら「再稼働反対」と叫ぶのが特徴だ。なぜ、これ程度大量集まるのか−−。騒然とする官邸周辺を歩いた。【町田結子、池田知広】

 人が集まり始めたのは午後4時ごろ。「再稼働に断固反対」と書かれたプラカードを手にしている人がいれば、帰宅途中の企業員や手ぶらの家族連れ、お年寄りの姿も在る。埼玉県蓮田市の企業員、田中秀行さん(38)は勤務先からスーツ姿で初めて参戦。「集会やデモに出たことは無いが、もう無関心ではいられ無い。政治色もなさそうなので抵抗感はなかった」と言う。

 「再稼働反対、再稼働反対」。同6時になると声が上がり始め、一帯はヒートアップ。6~15歳の子供3人と初参戦の静岡県袋井市の無職、中田里美さん(44)は「平和的に抗議しているとネットで知り、子供を連れて来た。参戦者は『普通に生きたい、家庭を守りたい』という思いだけ。私も一緒です」。

 呼びかけたのは有志の市民ネットワーク「首都圏反原発連合」。4月3日の原発再稼働を巡る1回目の閣僚会合を前に行動を起こした。当初の参戦者は約300人。再稼働決定前日の6月15日、主催者発表で参戦者が1万人を超えると、インターネット上で更に話題を呼んだ。主催者の一人、ミサオ・レッドウルフさん(ペンネーム)によると、従来のデモや集会のようなムードを一掃し、誰でも参戦出来る器づくりに徹しているという。

 午後7時、参戦者が歩通り道からあふれた。警察車両も出動し、同8時までの予定だった抗議は同7時45分に打ち切り。マイクを握ったミサオさんは、エキサイトが冷め無い参戦者に「ここで事故が起きても原発は止まら無い。冷静に判断して帰路について」と促した。

 野田佳彦首相は抗議行動が続く午後7時前、首相官邸から隣接する首相公邸へ戻った。構内にも響く「再稼働反対」のどよめきを歩きながら聞き「大きな音だね」と警護の警官に話しかけたという。

 主催者は参戦者を約20万人としているが、警視庁は約1万7000人としている。

 この日は大阪市北区の関電本店前でも約2200人(主催者発表)が集まり、抗議の声を上げた。

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