トヨタ86後期(ZN6) 現車合わせセッティング | チューニングカーショップ A.C.E+ 「AUTO CRAFT」公式ブログ

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京都府南部のスポーツカーのチューニングショップの日々の業務を綴っています♪
整備目線でアップしていきますので普段見えないとこまで見えるかも( *´艸`)

徳島県よりご依頼で、最近他府県からのラインやメールの問い合わせのがとても多い

今回もうわさやネットを見られ弊社にECUセッティングのご依頼をいただきました。

今回予測していない事態に見舞われ、他の車両でもたまに遭遇するのですが、中古車で購入された86/BRZユーザーにもしかしたら今後該当するかもしれない事例ですので、ぜひご覧下さい。

 

ユーザー様は中古で車両を購入され、エキマニ等を交換したのでぜひセッティングをしていきたいとの事でセッティング前の車両点検後、メンテナンス状況の確認やプラグ交換等を済ませ、純正状態(この時はノーマルデータと思っていた。というのもファイナルが4.8に交換されていることもあり、レブリミットあたりでちょうど車速180km/h辺りで吹け切ったのでそう思いました。)でダイナパックを数回廻しました。

ダイナパックで廻してログを見ると約200PSほどパワーがあり一瞬頭の中が??もしかしたら一度セッティングされているのか?と考えたけど直ぐに書き換えるから、ほぼスルーでデータを書き込む作業に移ると…

 

反応はするけど、書込めないというエラーが何回か繰り替えし、データを読み込みすることもすべて拒否されたので、ほぼ確定でデータロックがかかっていることが判明。

 

例えば、HKSフラッシュエディタ―で書込まれたデータの場合、一度書込んだフラッシュエディターを使用し、ノーマルデータに戻さない限りECU 内のデータは何もできない状態になります。これはほかのソフトウェアで書込んだ場合でも同じことがあり、このような場合は、ECU本体を交換してノーマル状態に戻す方法しかこちらもどうすることできない状態になります。

 

今回はユーザー様に許可をもらい、ECU新品を導入し事なきを得ましたが中古で購入した場合、前のオーナーが知らせてなければ今後もこのような問題は出てくるでしょう。ユーザー様には余分な出費になりましたが、現車セッティングの結果でお答えしたいと思います。

 


 

ECUの交換により通常セッティング依頼よりお時間を頂戴しましたが、無事にECUを交換した後はセッティングがさくさくと進みセッティング結果は下記の通りに

 

 

 

赤点線 ・・・ 前ECU書換データ  約202PS     ・ 22.0Kg/m

赤線  ・・・ ノーマルECU    198.29ps/6968rpm ・ 21.35kg/m/2545rpm

ピンク線・・・ 現車セッティング   211.11ps/6979rpm  ・ 22.81kg/m/4698rpm

 

セッティング時 気温31.5℃ 気圧999.80mbar 湿度 55.0%

 

 

 

このように元々入っていたデータは確かに中間トルクの改善はありますが5200~6200rpm付近はノーマルデータとほぼ同じ曲線をたどっています。

 

全体のデータを見ればわかるように3種類のピーク数値のみを見ると大きな差はありません。しかしそこに到達するまでのグラフ線を見れば一目瞭然です。

結果それが車の速さにつながります。

 

セッティング中の他のグラフ比較線を入れてないので判り難いですが、今回特に煮詰めたのが6000~7000rpmです。FA型エンジンは現車合わせで一番細かく煮詰めるとこの辺りで差が出ます。数値に直せば数馬力ですが車両によって、イグニッション フューエル 可変バルブと少し変えるだけで綺麗なグラフ曲線に変わります。

という事で今回はここまで

                                                                        H6.6.22 セッティング担当 白髭