笑てんか

笑てんか

明るく楽しく前向きに

放送は正確に(3)

 

さきほどの情景を思い出す。
二人連れの同僚風の男女はなんだったのだろう。


連れの女性が困っていたら、普通だったら、男性のほうが、女性の乗車券を持って、先に座っている男性に尋ねるべきだろう。
「失礼ですが、この席の乗車券を持っているのですが」と言って、乗車券を相手に見せればいい。


そうすれば、きっと座っていた男性も、自分の乗車券を取り出して、日付が違うことに気づくだろう。
若い女性の車掌さんに問い詰められることもなかったはずだ。

なぜ、男性はそのような行動をとらなかったのだろう。

同僚とは言え、仲が悪かったのか。
でも仲が悪いのであれば、わざわざ隣り合う席を買うことはないのではないか。


いや、そんなことはない。
離れて座りたかったが、行きがかり上、横の席になってしまった、ということもある。

でもやはり、それはあり得ない話のように思える。

実は二人は、深い仲であるが、世の中に言える立場になかった。
そこで、もめごとが起こる可能性のあることは、できるだけ避けたかった。
先に席を陣取った男性を問いただすことはしなかった。

そういう想像もできるが、男性だけが自分の席に座り、女性は、誰が来るかもわからない席に座らせたということから、それも考えにくい。

うーん、こちらのほうが謎だ。

もしかすると、同僚と思っていたが、実は全く関係のない二人で、たまたま同じタイミングで同じ列車に乗り込んできたのだろうか。

それほどじっくりと二人を観察したわけではないので、真実は闇のなかだ。


まあ、どうでもいいことだが、これでは名探偵にはなれないね。



(終わり)