2匹は本当に仲良しで

こんな風に肌寄せあって

お昼寝

ノヴァはいつも通りに、

おしゃぶりくわえてる



保育士になったからか、

いや、確実に年齢が増したからだと思う


私、本当に

忍耐強くなった



息子が生まれたての頃、

当時私は、今の半分くらいの年齢26歳


産まれて3歳までが

本当に手のかかった息子


なんせ寝てくれない


やっと寝たと思って

ベットに置くと

ギャーと起きて

またやり直し




寝かしつけが、

私も下手くそで

何時間、朦朧とゆらゆら抱いてただろう



それでも寝てくれなくて


最後は、夜な夜な

車に乗せて寝かしつけたり


でも家に着くと起きちゃってね



何年もまともに寝れなかった



本当に

一生分の親不孝を

してもらったわけですよ



そんな私が、保育士になって

0-1歳児の

赤ん坊を毎日お世話して

寝かしつけは

かなり上級者になった




うつ伏せでトントンと

優しく背中やオムツを叩きながら

眉間をやさし〜く

ゆっくりなでたり


トントンはいらないけど

背中をさすられるのが

好きな子だったり



触られずに

ベビーベットを

カタカタ揺らす

振動が好きな子だったり



色々なわけですよ



あの時に

今の私の知識と

忍耐力があればなぁ



息子にも弟や妹が

できただろうに



とにかく、

毎日、ヨダレと鼻水と

ゲロに塗れ





本当に重労働なんですわ

働いとりますよ






今日は、

保育士になって良かったと

思うあの一瞬の話を




丁度,今のセンターで

働き始めてすぐに

入園してきた

4ケ月のソフィー


とても小さい彼女は、

奇跡なほど

手のかからない赤ちゃんで

ミルク、オムツ、寝る以外では

泣かない子で


ニコニコ愛想のいい赤ちゃんだった



週3回くるソフィーは、

お母さんがフルで働いてるので

滞在時間も長くて




朝一番に来て

夕方最後に帰る日々




4ケ月のまさに乳飲み子





そんなソフィーが

時が経つにつれて

寝返りをするようになり、

お座りするようになり、

歩くようになり、


私じゃなければ

泣くようになり

後追いが始まり



そして最近

ソフィーが

13ケ月になり



次のルームに

移動になった





この移動前には、

移行期間があって、

数時間新しいお部屋で過ごしては

私の部屋に戻ったりと

徐々に慣れていく期間がある




大きくなったねぇ、

靴を履いて歩けるように

なったものねぇ



その姿だけでも泣けてくる



そして

移行期間を終えて

ソフィーは完全移動した




その後数日は、





もう慣れきった保育園なのに

新しい保育士

新しい部屋に

ダイナミックな体の大きな

お友達たちに



その鳴き声が、

二間繋がりの

隣から聞こえてきて


辛かった




駆けつけて

いつものように

抱きしめたいが



前のように

ソフィーが必要な時に

いつでも抱き締めることが

できない




駆けつけて抱き締めても、

私の部屋には、

新しい赤ん坊たちが

わんさかいて

すぐに戻らなければ

それこそ

もっとソフィーを動揺させてしまう



時間が一瞬できた際には

ソフィーに見つからないように

影からそっと覗く

別の保育士に抱かれていて

それでも泣いている



もう、泣いたよね






次の週、

笑顔でお部屋で遊ぶ

ソフィーを影から見つけて

心底安心した





赤ちゃんのお人形に

自分のおしゃぶりを

口に入れようとして




トントンとお人形を

寝かしつけて




ソフィーそんなにお姉さんに

なったんだねぇ




とまた泣きそうになった





外のスペースは、

共同スペースで、

朝とお昼寝後、

必ず外で遊ぶ、

隣のクラス




ガラス越しに

私の部屋も見える




先週は

ソフィーが私を見つけて

私のところに行きたいと

泣いてあわてて

別の保育士が私の見えない場所へ

連れていった





今週は、私を見つけて

笑顔でガラスをトントンと

叩いて私に微笑んだ





何度も離れては戻り

トントンガラスを叩いて

喜んで

その場にうずくまり

また起き上がっては

私の顔を見て喜んで

うずくまり


いつもソフィーが嬉しい時にする仕草






今日は、

私も時間が空いたので

外に出ると

私の声を聞いて


遠くにいたソフィーが

満遍の笑みで

よちよち走りながら

私に駆け寄り抱きついた



ソフィーぃ

また泣いたよね




思いっきり抱きしめた





それからも

ずっと私のそばを離れることなく、

おもちゃで遊んだり

積んできた

花の蕾を私に手渡し

また返してと遊び

すぐに抱きついて

時間を過ごすことができた


かわいいかわいい

ソフィー


とても大きくなったねぇ




隣の部屋には、

0-1歳で過ごした

たくさんの子どもたちがいる


いつも、私を見ると

みんな

笑顔で抱きついてきてくれる



たくさんあなたたちを

抱いたもの

ねかしつけたもの



保育士に特別なお気に入りは

いるべきではないけど

みんながスペシャルな1人だからね


それでも

ソフィーは、

一番長く時間を過ごしたから

彼女が部屋を移動して

とても特別な気持ちになった



少しずつ、

築き上げた絆は

薄らいでいくけれど

それでいい

その短い期間

少しでも

子どもたちが

安らぎや愛に包まれて

時間を過ごすことができれば


保育園は本来そんな場所




誰しも人間だから、

あっこの子苦手だなぁって

子がたまにいる


そんな嫌悪感を感じた際には、

この子が私の息子だったら

息子が、鼻水流して

ワンワンないていたら

と思い返し我に帰る




たくさん抱きしめて

歌を歌って

気持ちを逸らして

笑顔になるのを待つ



過重労働に比べると

賃金は

見合うものでは決してない




保育士だというのも

どこか少し恥ずかしくて




昔は大きな会社の

ジェネラルマネージャーだったからね



それでもオーストラリアで

保育士になって1年

少し胸を張れるようになった気がする