さて、今回は「オーストラリアで放射線技師になる際、日本での経験・資格はどれだけ役立つか」について、実体験を基づいて紹介したく思います
日本で診療放射線技師として活躍するには 技師免許が必要であり、様々な認定資格もあります
これらの経験・資格は、オーストラリアで使えるの・・・
①学歴
以前も紹介しましたが、日本での診療放射線技師免許は オーストラリアでは使えません
したがって、オーストラリアで 改めて大学に入学し、学位を取得する必要があります
では、日本での学歴は オーストラリアで役立つのか。。。。
役立つのは 大卒の場合(学位を取得している場合)のみ
日本で大学を卒業し 学位を取得している場合、オーストラリアの大学入学時に 単位免除を受けることができます
例えば、本来オーストラリアの大学で 4年学ばなければならないところを、3年で終了可能です
ただし、何単位の単位免除を受けることができるかは、日本の大学で学んだ内容と 成績によって異なりますので注意
残念ながら、短大・専門学校での学歴は、オーストラリアの大学進学に 役立てることができません
②職歴
一言に、放射線技師が携わる検査は 様々なので、個別に見ていきましょう。
1.一般撮影
日本での業務で身につけた 一般撮影の技術は、オーストラリアで 大いに役立ちます
基本的に 撮影ポジションが同じですので。
ポータブル撮影も 同様、日本での業務経験が 大学での講義・放射線技師としての日常業務に役立ちます
2.CT、MRI
CTで造影剤を使用する場合、日本とオーストラリアでは 撮影タイミングが異なります
また、MRIの撮影内容も、両国では 少々異なります
そして、オーストラリアでは、造影剤仕様のための 留置針注入・ルート確保・注入・抜針は 技師が行います
したがって、日本→オーストラリア方式に適応するために、多くのことを学び習得する必要があります。
しかし、日本と同じ医療メーカーが オーストラリアでも流通していますので、日本で養った CT/MRIの操作・経験は とても役立ちます
3.II検査
OP室でのIIを使用する技術は、オーストラリアでも 役立ちます
もちろん、就職先にもよりますが、、、
オーストラリアで 病院勤務をする際は、100%の確率で OP室でのII検査に関わるようになると思います
4.造影検査・カテーテル検査
日本では 人間ドック・病院でも 広く行われる 胃透視の検査。
残念ながら、オーストラリアでは ほぼ0です
多くの患者さんは 胃カメラ直行
なので残念ながら、日本で養った 胃透視の技術を オーストラリアで披露する機会は 殆どないと思います
Baエネマの 頻度は非常に少ないですね。
内視鏡での検査が 一般的です。
したがって、日本で養ったテクニックを オーストラリアで披露する機会は 殆どないと思います
カテ検査における、日本とオーストラリアの 放射線技師の役割は 異なると思います。
もちろん、勤務先によっても異なるでしょう。
なので、コラらの検査は、検査装置を 操るノウハウは オーストラリアでも役立つと思いますが、養った検査テクニックが 役立つかは、疑問です
5.核医学・放射線治療・超音波検査
日本では、これらの検査は 放射線技師が担当します。
しかし、オーストラリアでは それぞれ専門の技師が担当します
したがって、日本での知識・経験を使う機会は 残念ながらありません、、、
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てな訳で、日本での一般撮影・IIの ノウハウ・経験は すごく役立つ
CT・MRIの知識・経験は 役立つ
造影検査・カテ検査は あんまり役立たない
核医学・放射線治療・超音波検査、、まったく 役に立たないようです
ちなみに 多くのオーストラリア進出を目指されている方は、将来のオーストラリアでの永住も視野に入れていると思います。
永住権ビザの1つである skilled independent visa は、放射線技師としての技術を武器に ビザ申請を行なえます。
この場合、日本での技師としての活動期間も評価されます。
しかし、大切なのは、skilled independent visa 申請時より 過去10年間以内での 日本での放射線技師としての勤務期間が評価対象です。
したがって、オーストラリアで 放射線技師として学位を取得後 skilled independent visaで永住権を取得したい場合、過去に日本で技師としてフルタイムで働いていた期間が 8年以上前である場合、残念ながら ビザ申請に 技師としての職歴は評価されません。
③ 各種認定資格
1. 第1種放射線主任者
放射線技師のなかには、この第1種放射線主任者認定資格をお持ちの方も 多いのでは?
この資格は、放射線発生装置・アイソトープを 安全に管理・扱うための事業者の管理人・主任者になれるというもの
そういえば、私も めっちゃ頑張って勉強して 取得したなぁ、、、
でも、残念ながら、オーストラリアでは 全く役に立たないです
2. 各種認定試験
例えば、超音波検査士・マンモグラフィー技師の認定資格、日本放射線技師会主催の CTやMRIなどの認定資格、、、、
日本で放射線技師になって 特定の分野のスペシャリストになるために、多くの技師さんは 何かの認定資格を持つことを目指されていると思います。
オーストラリアにも、同じような認定資格があります
代表的なのは、マンモグラフィーとMRIです
おそらく、すでに なんらかの認定資格を日本でお持ちの場合、認定試験を受けるために たくさん勉強され 業務経験も豊富だと思います。
したがってこれらの知識・経験は、改めてオーストラリアで認定試験を受ける時、かなり有利だと思います
しかし、日本で認定資格があるからといって、オーストラリアで優遇を受けたり、試験免除になったりすることは 残念ながらありません、、、
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てな訳で、、、、 結論、、、、
日本での 技師免許・認定資格は ほぼオーストラリアでは役に立たない
ただし、日本で得た知識・経験は とっても役に立つのです