オーストラリアで医療従事者として働くには、規定の学校・大学を卒業後、AHPRA(Australian Health Practitioner Regulation Agency)に登録が必要です。
英語が母国語、英語が母国語である国で高校を卒業 または 6年以上フルタイムで学校・大学に修業した者以外は、アフラ登録時に 英語のテストの結果を提出しなければなりません。
認められている英語テスト・求められる英語レベルは、下記の通り。。。
1回のテストで、全セクション(リスニング・スピーキング・ライティング・リーディング)で7以上。
または、
2つのテスト(6カ月以内)で、各セクション7以上を取得。ただし、6.5より下のスコアを含まない。
②OET
1回のテストで 各セクションB以上。
または、
2つのテスト(6カ月以内)で、各セクションB以上を取得。ただし、Cより下のスコアを含まない。
③PTE (Academic)
1回のテストで 各セクション65点以上。
または
2つのテスト(6カ月以内)で、各セクション65以上を取得。ただし、58より下のスコアを含まない。
④TOEFL iBT
1回のテストで、総合点が94点以上。また、各セクション下記のリスト以上の点数。
・24 for listening
• 24 for reading
• 27 for writing
• 23 for speaking
または、
2つのテスト(6カ月以内)で、総合点が94点以上で、各セクション 上記リストの得点以上。ただし、どのセクションも、下記のリストの点数以上であること。
・20 for listening
・19 for reading
・24 for writing
・20 for speaking
…です。
つまり、registrationの段階では、2回のテストの結果を合わせて 使用することができます。
IELTS
IELTSは、一番人気のテストです。頻繁にテストを開催されており、結果も比較的早く受け取ることができます。
Reading...60分、3passages、40問
・Short Answer Questions
・Multiple Choice
・Summary Completion
・Matching Sentence Endings
・Sentence Completion
・True, False, Not Given
・Matching Headings Tips and Strategy
など、様々なタイプの問題
Listening...4セクション、40問。
セクション1&2→2者間の会話
セクション3→3人以上での会話
セクション4→一人による 講義形式のスピーチ
Writing... 1時間、task 1 and 2
Task 1→150字、グラフの説明
Task 2→250字、エッセイ
Speaking... 約15分、part 1, 2 and 3
Part 1... 名前の確認、身近な問題を10問くらい
Part 2... トピックに対して、2分間のスピーチ
Part 3... トピックに対して、試験管とディスカッション
様々な参考書・オンラインマテリアルが出回っていますので、一番 独自で勉強しやすいテスト だと思います。
ただ、私が思うに、IELTSは、アカデミックな英語力と共に、「どのくらいIELTSを理解しているのか」が大切だと思おます。つまり、IELTS試験で 何を求められているのか・採点者は受験者の何を見ているのか、理解する必要があります。特に、ライティングとスピーキングは、IELTSスタイルを身につける・理解する必要があります。
また、出題させるトピックも 幅広く、各セクションともに 出されるお題によって、毎回スコアが変化しやすいです。
従って、一発7など、目標スコアがなかなか出にくいです。
また、オーストラリアでのIELTS試験ですが、以前はスピーキングは 試験管自身が採点、ライティングは 現地会場所属の試験管たちが採点していましたので、試験会場により この2科目のスコアが緩い・厳しいと バラつきがありました。また、スピーキングは Face to Face試験による客観的な印象も加わり、比較的良い点数を取りやすかったです。しかし、現在は、スピーキングは 全て録音、ライティングを含め 全て機械的に1箇所で採点されるようになったので、スピーキング・ライティングにおいて 目標スコアがさらに取得困難となった印象があります。
OET
Occupational English Testは、医療従事者専用の英語テストです。
IELTS同様、4セクションあり、リーディング・リスニングは 全ての医療職共通、ライティング・スピーキングは 医療職ごとに異なるお題が出されます。
この試験では、IELTS同様 アカデミックな英語力と共に、様々な医療英語を身につける必要があります。
Reading... 全医療職共通。partA and B
Part A... 15分。サマライズ文章の穴埋め問題。一つのトピックに対し、4〜5つの 短い文章又は図・リストが渡され、これらから適切な単語を見つけ出し、サマライズ文章を完成させる。
Part B... 45分、2 passages、20問
4択選択問題
Listening... 全医療職共通。partA and B
Part A... 医療従事者と患者との会話。ノートテイキング。重要な項目を 書けるだけ書く。
Part B... レクチャータイプ。文章・図の穴埋め問題。
Writing...医療職別。5分間のリーディングタイム。40分でのライティング。
他の医療従事者または患者への お手紙。
Speaking... 医療職別。2 role plays
Warming up... 2分。簡単な質問。採点非対象。
ロールプレイ...2 situations. 各々5分程度。試験管が患者役、受験者が 各自の医療職役。
OETもアカデミック・イングリッシュですが、IELTSほど 高度なアカデミックを求められていないように感じました。しかし、多くの医療英語の知識を必要とします。例えば、特にリスニングの場合、全医療職共通問題なので、自分とは異なる医療職が使う 特殊な単語も理解しておく必要があります。因みに、私が受けた時は、黄斑変性症について 眼科医と患者の会話でした。従って、医療英語を広く知っている必要があります。
しかし、ライティング・リーディングは、IELTSと比較し、簡単な印象です。ライティングは 時間もタップリあるし、深く考える必要なし。また、リーディングpart Bは、全ての4択問題で、どれだけ深く理解しているかを試されます。
もし、日本で医療従事者として勤務経験があるならば、断然OETの方がIELTS より、ラクチンです!
ただ、値段が高いし、参考書が少ない、採点まで時間がかかるのがネック…
PTE
オンライン試験。コンピュータによる採点。受験したことがありませんので、詳細は わかりませんが、練習問題を解いた感想、リーディングは IELTSより簡単な印象。ただ、パソコンでの試験受験に慣れていない場合 文章を読みづらく感じ、また、パッセージ中のキーワードに印をつけられないので、混乱しやすい。リスニング… 音質が悪い。ライティング…まぁまぁ、スピーキング…グラフの口頭説明力が必要。
IELTSでなかなか目標スコアが出ず 足踏みしている方は、一度挑戦してみる価値あり。
TOEFL iBT
まったく、知らないよ♩
以上、各テストとも 異なる特徴があります。
前述のように、AHPRA resistrationでは、目標スコアを 2回のテスト以内でクリアする必要があります。
したがって、IELTS 一発all 7、OET 一発all Bよりも、楽と言えば楽…。
しかし、もし将来、independent skilled visaなど、permanent visaの申請を考えている場合は、将来IELTS all7 または OET all Bが必要になりますので、registrationの段階で クリアしておいた方が 後々楽ですね。