今日のインタビューのゲストは、1960年代から活躍するイギリスのベテランバンドThe Pretty Things(ザ・プリティー・シングズ)の初代ベーシストである、John Stax(ジョン・スタックス)だ!
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写真1:筆者とジョン
こんにちは、ジョン。忙しい中、本日はどうもありがとうございます。
ジョン(以下Jと略す):こちらこそよろしく。
まず最初に、たくさんいると思いますが、最も影響を受けているアーティストは誰ですか?
J: そうだなあ、まずはJimmy Reed(ジミー・リード)、そしてバンド名の由来にもなったBo Didley(ボウ・ディドリー:日本での表記は「ボ・ディドリー」)、Chuck Berry(チャック・ベリー)、そしてSlim Harpo(スリム・ハーポ)だね。
始めて楽器を買ったのはいつでしたか?
J: 14才の時にベースを買った。
それからずーっとそのベースを?
J: いいや、その最初のベースはサックスと交換して、またそれを今度は他のベースと交換したんだ。加えて、家にバンジョーがあったからそれも独学で学んだよ。上達はしなかったけど(笑)。
The Pretty Things(ザ・プリティー・シングズ)に加入した経緯を教えて下さい。
J: 18才の時だった。
その時は学生だったんですか?
J: いいや、建設現場で働いていたね。
他のメンバーと知り合った経過を教えて下さい。
J: 小学校低学年の時に、俺がザ・プリティー・シングズを抜けた後釜として加入する、Wally Waller(ウォリー・ウォラー)と一緒だったんだ。彼の家によく遊びに行っていたんだけど、その近所にPhil May(フィル・メイ)が住んでいて、ウォリーはフィルともよく遊んでたんだよ。だから、ウォリーを通じてフィルと知り合った。
幼馴染なんですね。
J: それからだいぶ経って、フィルが美術学校に行き始めた時に、Dick Taylor(ディック・テイラー)も同じ学校の学生だったんだ。それで、当時俺は二人とよくつるんでたんだよ。
バンド結成は?
J: それで、ある日年末ダンスパーティーでThe Rolling Stones(ザ・ローリング・ストーンズ)が演奏したんだよ。あれを見た後俺達もバンドを結成することにしたんだ。
当時のスト―ンズはもうデビューしてたんですか?
J: いや、まだレコードも出してない時期だよ。ディックがストーンズを抜けてすぐの頃だ。Ian Stuart(イアン・ステュアート)がまだメンバーとしてピアノを弾いていた。あの日の彼等はカッコ良かった。それで、俺達もバンドを組むことにしたんだ。
ストーンズのその演奏を見た後にですか?
J: うん、そうだ。ディックはずっと自分のバンドを始めたがっていたからね。
それは何年頃ですか?
J: 1963年だ。俺は1944年生まれだから、18から19になる頃だな。
当時のメンバーが誰だったかを教えて下さい。
J: 最初は、俺とフィルとディックの3人だけだったんだ。すぐドラマーを入れたんだけど、こいつが下手クソだった(笑)。だからすぐクビにして、ドラマー募集の広告を出した。それに応募してきたのは、Viv(ヴィヴ)ってやつだった。
Viv Prince(ヴィヴ・プリンス)ですか?
J: いやいや、彼はViv Adnrews(ヴィヴ・アンドリュース)という名前だった。長くは続かなかったけどね。レコーディングし始めて少しして彼が抜けて、ヴィヴ・プリンスが加入したってわけ。
写真2:右端がジョン
一番最初に録音した曲が何だったか覚えてますか?
J: Rosalyn(ロザリン)だったと思うよ。【これは彼等のデビューシングルとなる。聴くにはこちらをクリック】
レコーディングは楽しかったですか?
J: 楽しかったけど、緊張もしたね。クラシックのオーケストラが録音するとても大きなスタジオだったからね。その隅の方で演奏したのを覚えているよ。リハーサルは、デンマーク通りにあるRegent Sound(リージェント・サウンド)でやった。
音楽出版社がたくさんあった、あの通りですね。私も、ロンドンに行く度にあそこを訪れますよ。
J: 今は、だいぶ様子が変わっているだろうなぁ。
話は変わって、あなたはザ・プリティー・シングズを脱退するまでに、どのレコーディングに参加したんですか?
J: アルバムは二枚だ【「ザ・プリティー・シングズ」と「Get The Picture(ゲット・ザ・ピクチャー)」。】
三枚目の「Emotions(エモーションズ)」のセッションには全然参加してないんですか?
J: 「エモーションズ」でも一曲か二曲で演奏したと思うよ。俺が弾いてるヴァージョンが発表されたかどうかは、ちょっと分からないけど。
どうして若くして脱退したんですか?
J: 当時バンドが向かっている方向が気に入らなかったんだ。
やっぱり、ブルースやリズム&ブルースをずっとやっていきたかった、とか?
J: そうだ。
それで、脱退後はすぐにオーストラリアに移住したわけですか?
J: 脱退が1967年初頭で、移住してきたのは1970年。
移住の理由は何ですか?
J: イギリスにいる頃は、ロンドンから40マイル北のHartford(ハートフォード)って町に住んでいた。妻の両親と同居で、子供もすでに一人いた。移住してきた時には、この子は三才だったよ。市営住宅に住んでいたんだが、何せ冬が寒くてね。
私も、気候でオーストラリアを選びました。
J: イギリスは、夏が二週間しかないからね(笑)。
たった二週間?!本当ですか?!
J: そう。七月の最後の週と、八月の初めの週の二週間だ(笑)。だから、みんなこの時期に休暇を取るんだ。最近は〔地球温暖化で〕マシみたいだけどね。
ーーーーー「其の弐」につづくーーーーー
現在のジョンは、葉巻の箱をボディに使った3弦ギターであるシガーボックスギターという楽器を、製造・販売している。彼の店の名は、Black Diamond Cigar Box Guitars (ブラック・ダイヤモンド・シガー・ボックス・ギターズ)。ネット販売もしており、海外にも出荷している。
ブラック・ダイヤモンドの公式サイトはこちら。
公式フェイスブックはこちら。
CDはアマゾンで。(↓)
まずは、デビューアルバム。
Pretty Things
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ジョンが全面的に参加した最後のアルバム。グループとしては二枚目。
Get the Picture
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ジョンが演奏したヴァージョンが入っているかもしれない三枚目。
Emotions - Digi, Re
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今まで発表したすべてのアルバムが入っており、お蔵入りとなったドキュメンタリーDVDや未発表の写真も多く含むボックスセット。
Bouquets from.. -Deluxe-
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ジョンの脱退後の発表だが、人気があるアルバム。
Parachute
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