代行授業 お母さん

 

私の名前は五十嵐京子。血液型B いて座。

この話しはたいしたことではと思う人もいるかも知れません。

桜    桜   桜   桜   桜    桜   桜   美容院

午後は家庭科 (食物)の授業

お弁当を食べてから教室を替える。

AB組の女子が三十人。

勝手な席に座る。

みんなは静かに先生を待つ。

私は弁当を食べる前に家庭科の先生に頼まれた事があって落ち着かない。

 

 

手を合わせて「お願い。どうしても授業をやれないので代わって!

「できません」と断る。

「母が病気なの」と叉 手を合わせる。

「夏休みのあの提出した原稿をそのまま黒板に書くだけでいい」

 

 

(なんで先生が生徒の私に何をさせようとしているのか)

そしてまた「お願い」と手を合わせた。その顔を見た時不思議な先生だと思った。眼が大きくその上に付け睫毛を付けていた。

 

   

 

高校へ入学して先生方の挨拶の時[大きい眼の人だ ]思っただけで

気にもしなくなかったのだが、いま目の前で付け睫毛を見て不良の(付けるものだ)と思っていたので先生でも付けるものだと考え直した。

睫毛を見た時、何故か「分かりましたと」引き受けた。

何故か知らない。しつこさに引き受けたのでもない。

そして不思議な事に女子全員 先生がいなのに当たり前のように私の授業を受けている。

「先生は何故来ないか」と聞く人もない。

すんなり授業を終わらせた。内心ほっとしていた。

それから間も無くして(好きな恋人が風邪を引いたので食事を作りに行った)と聞いた。

 

朝のHRの時、変わりの先生が来て担任は風邪を引いた。と言っていた。完全に騙された。

私は次の家庭科の時に話しに行った。

「今度のテストにこの間の授業の中から二問出題して欲しい」と言った。

先生は嘘がばれたと気付いたろうか。

 

 

こんな人に習う自分もいい加減な人間ではないだろうかと。

それから三か月過ぎて叉同じような問題が起きた。

それは次回に書くことにしょう。

睫毛を見る度思い出す。 どきどきして震える手でチョークで字を書いた。

 

  何十年も前の話です。

                                     明日に つづく