ジャック・フロスト/パパは雪だるま(1998米)原 題「Jack Frost」
ストーリーはいたって簡単。不慮の事故で死んだ父親が、家族のもとに再び戻ってくるお話です。
しかし、そんじょそこらの「よみがえり系映画」とは違う点があります。なんと息子が作った雪だるまとなって復活!しかも、この雪だるまが、しゃべったりスノボしたり、溶けかかったりと(笑)、とにかくハチャメチャでユーモアが効いているんですね。最新映像技術の面目躍如といったところでしょう。
しかし、この映画の最大の魅力はそこにあるのではありません。登場人物たちの温かい心と素晴らしい台詞にこそ心が動かされるのです。時にかばい合い、慰め、元気付けてくれる、温かい家族の存在。それを感ぜずにこの作品で涙を流すことはできないでしょう。
とにかく、子供だましだと思ったら痛い目を見ること間違いなしの良作です。
日本では未公開作品だからでしょうか、DVDが1000円を切る値段で売られているとは、いい時代になったものです。
(★★★★)
天国にいちばん近い島(1984日)
ストーリーは一少女の自分探しの旅として、原作を意識した作りだが、大林監督の手によって単なる旅物語ではなく、ファンタスティックな夢物語になっている。
いまだに、なぜこれほどこの映画に惹かれるのか分からない。観終わったあとに優しい気持ちになれる映画だからだろうか。心が一番弱っていた時に見て癒された作品だからだろうか。演技が下手とか、無駄なシーンが多いとか、欠点を補って余りあるユートピアの世界。台詞も登場人物もニューカレドニアの自然もみな素晴らしい。
何と言われようとこの作品が私の中で一番好きな映画といっていいのかもしれない。
※原作を書いて下さった森村さんに心から哀悼の意を表します。
(★★★★☆)
恋はデジャ・ブ(1993米)原題「Groundhog Day」
タイトルのわりに意外と評判が高いので「本当に面白いの?」とおそるおそる観てみたら、予想以上の佳作だった。
1日を繰り返し繰り返し過ごしていかねばならない、たったそれだけのテーマをよくここまで丹念に描いている。手塚治の「火の鳥」というマンガで、未来永劫死ぬことが出来ずに何十億年も生きなければならない男のエピソードが出てくるが、その話を思い出しながら観ていた。
高慢で独り善がりだった主人公が、その日を重ねていくうちに一人の人間として成長し、善意で街の人々を助け、一人の女性を心から愛することができるようになっていく様が、なんと心打たれることだろう。見ているうちにヒロインの女性がどんどん魅力的に見えてくるのは、なぜだろう。見終わったあと、優しい気分になれるし、もしこんなことが本当に起こったら、自分はどうするのだろう?と考えさせられる映画でもある。
その日その日の日常を、ただ漫然と過ごしている、大多数の大人にとっても、一日一日の大切さを分かってもらえるのではないか。
2月2日にテレビで放送してくれたテレビ東京に粋を感じるとともに、毎年この日にこの素晴らしい映画を放送してくれないかな?と無理なお願いをしてみたりして。うーん、やっぱり無理?
(★★★★「死ぬまでに観たい映画1001本」収録作品)
がんばっていきまっしょい(1998日)
- 素晴らしい。これほどの映画が日本にもあったとは…。今まで見た邦画の中でも最高峰。
- 個人的に松山の方言や、瀬戸内海の風景には思い出があり、感情移入できたせいもある。
- 泣きそうになりながらオールを漕ぐ決勝の場面では、思わずいろいろな想いが溢れてきて不覚にも涙が出てしまった。
- 最後まで安易にラブストーリーを展開させず、成功して万歳で終わる結末でなくて本当に良かった。これぞ青春映画。
- スポ根ものではあるが、決して押しつけがましくはなく、あくまで自然体。初めはまったくやる気がないコーチも、最後のほうには声を張り上げて応援する姿に感動させられるのだから、この作品はすごい。
- 誰だったか、ボートで漕がずに声を張り上げる女の子の、レースが終わった後の叫びにも似た台詞やひたむきな姿勢は、すっかりその感覚を忘れてしまった大人にもぐっとくるものがあるはず。もちろん、現役高校生を中心に若い人もぜひ見てほしい映画。
- (★★★★☆)



