風が吹く
またあの季節がやってくる
あなたを見つけた
あなたが私の前に姿を現した
暖かな季節
「ママっ!!」
そう言って走ってくる大切な娘
私の腰あたりに腕を回しぎゅっと抱きつく
そしてそのまま顔を上げ飛び切りの笑顔
「パパがね!ママのところいっておいでって!」
娘が来た方向に顔を向けると
にこやかに微笑む男の姿
「パパーーっ!!パパもこっちおいでーっ!!」
娘の言葉に少し眉を下げて
少しずつこちらに足を進めた
私の隣に並んだその男は
目の前の木を見つめる
私も木を見つめる
「今年も会えましたか?」
「えぇ。とても素敵な笑顔を頂けた気がしています。」
「それは良かった。」
並んでいる二人の間に
娘が割って入り
二人の手を小さな手が力いっぱいに掴んだ
「パパとママだいすきっ!!!」
男は愛しそうな顔で娘を見て
肩車をした
「よぉし!腹も減ったしご飯食べ行くか!」
娘は嬉しそうにキャッキャと騒いでいる
娘を連れて先に行く姿を見つめる
そしてもう一度あの木を振り返った
「またね」
そう言って木の前から遠ざかっていった
風が吹く
またあの季節がやってくる
あなたを見つけられなかった
あなたが私の前から姿を消した
冷たい季節
大きな風が私の髪とスカートを揺らした気がした
またあの季節がやってくる
あなたを見つけた
あなたが私の前に姿を現した
暖かな季節
「ママっ!!」
そう言って走ってくる大切な娘
私の腰あたりに腕を回しぎゅっと抱きつく
そしてそのまま顔を上げ飛び切りの笑顔
「パパがね!ママのところいっておいでって!」
娘が来た方向に顔を向けると
にこやかに微笑む男の姿
「パパーーっ!!パパもこっちおいでーっ!!」
娘の言葉に少し眉を下げて
少しずつこちらに足を進めた
私の隣に並んだその男は
目の前の木を見つめる
私も木を見つめる
「今年も会えましたか?」
「えぇ。とても素敵な笑顔を頂けた気がしています。」
「それは良かった。」
並んでいる二人の間に
娘が割って入り
二人の手を小さな手が力いっぱいに掴んだ
「パパとママだいすきっ!!!」
男は愛しそうな顔で娘を見て
肩車をした
「よぉし!腹も減ったしご飯食べ行くか!」
娘は嬉しそうにキャッキャと騒いでいる
娘を連れて先に行く姿を見つめる
そしてもう一度あの木を振り返った
「またね」
そう言って木の前から遠ざかっていった
風が吹く
またあの季節がやってくる
あなたを見つけられなかった
あなたが私の前から姿を消した
冷たい季節
大きな風が私の髪とスカートを揺らした気がした