大木惇夫「戦友別盃の歌」

 

   言うなかれ、君よ、別れを
 世の常を、また生き死にを
 海ばらのはるけき果てに
 今や、はた何をか言わん
 熱き血を捧ぐるものの
 大いなる胸を叩けよ
 満月を盃にくだきて
 暫し、ただ酔いて勢へよ きほへ
 わが征くはバタビヤの街
 君はよくバンドンを突け
 この夕べ相離るともさかる
 かがやかし南十字を
 いつの夜か、また共に見ん
 言うなかれ、君よ、わかれを
 見よ、空と水うつところ
 黙々と雲は行き雲はゆけるを

 

向田邦子のドラマ視聴。

旦那のお父さんは旦那が20歳くらいの頃に死ぬはずのない手術の後に突然亡くなってしまったそうだ。

旦那のお父さんは若い頃の三船敏郎に似ていたそうで、性格は物静かな人だったそうだ。

家は貧乏だったが優秀だった為に学校に行くことが出来、博識のある人だったそうだ。

旦那はヤンチャで負けん気が強く人の言うことはきかない子だったそうだが

昔からお父さんの言うことは聞いていたと言う。

といっても、滅多なことで何か言う人でもなかったという。

旦那は今でもお父さんのことを尊敬している。

 

旦那のお父さんは戦時中、南方の部隊におり、飲んだ水で旦那だけマラリアにかかり

翌日の戦いに向かう船に乗れず一人置き去りになったというようなことを聞いた。

結局部隊で生き残ったのは置き去りになった旦那のお父さんだけだったという。

みんな戦いで死んでしまったそうだ。

それからお父さんは帰国するも、妻の元に戻らず数年間山の中で一人引きこもっていたという。こればかりは誰も何も言えない、言ってもどうにもならなかったという。

炭を作り時折山を降りて炭を売り、必要最低限の物を買い、

後は山の中で自給自足の生活をしていたそうだ。

 

お父さんはたいそう心を傷めて誰にも会おうとしなかった、と旦那が言っていた。

 

このドラマの小林薫を見ていて、そんな旦那のお父さんの話を思い出した。