朝、目が覚めてパジャマのズボンははいているけれど下着のパンツ、はいてなかった。

台所には包丁と白米が放置されてた。
冷蔵庫は少し開いていた。

何か変だった。

体中痛かった。

部屋の中、私の体をチェックしたところ
何もかも大丈夫だった。

とりあえず安心した。
ブログをチェックすると、全く覚えてない愚痴を書いてあった。

恥ずかしくて消した。

何しちゃってんだろう?
不安になった。
体温計を脇に差したまま眠って、起きて立ち上がったときに体温計が床に落ちて、水銀がおかしくなった。

パンツはいてないのに気づいたけれど
ずっとそのままでいた。

夕方までベッドの上で
まどろんでいた。

マスターに抱かれているところを
想像して。

食べ物も水分も一切とることさえ
忘れて。

夢の映像がフラッシュバックする。

飛び降りた映像。
夜、ベランダだろうか?
飛び降りたかったんだろうか?

そういえば、あまりよくない酔い方をした気がする。

そういうときは死にたくなってる。

気分もでかくなってるから
怖さや痛みに鈍感になる。

死んでなくてよかった。

というか、死んでないよね?

まさか、夢じゃないよね、今。

気付かず死んでしまったら
自分が死んだことにどうやって気づくんだろう。

今度からあまり酔っ払いすぎないように
気をつけよう。

夜、生き返った私は電車に乗り椅子に座っていた。

品のいいおじさんが乗ってきた。

目が合うなり思い切りニコニコと長い間微笑まれたので、知り合いなのかしらと知り合いデータを引き出してみるが、やっぱり知らない人だと思った。

隣の黒人が私の肩を軽く叩いてきた。
何か英語を言っている。
何だろう?キョトンとした。
駅のことを質問しているみたいだった。

私はしばらくキョトンとしていた。

○○駅に行きたい。この電車で合ってる?
ていうか、英語話せる?

ノー。
…○○駅?
んー。

知っていて英語の話せるおばさんが教えてあげた。

陽気な外国人でお辞儀しながら「教えてくれてありがとう。よい連休を」みたいなことを言われて降りていかれた。

実家に行き、
犬を撫でていると
私の膝で眠ってしまった。

こんなことはじめてだった。

相変わらずリンパ節が腫れている。

セックスは気持ちいい。

こんなにマスターの体が好きで、
好きで、困りものだ。

「早く体を治せよ」

お互い体を壊していながら
互いの体を貪る。

特に私。

あまりの自分の欲深さに
私は嫌気が差しながらも
抑えられない。

「マスターが好きすぎて、マスターのことを大事にできない。大切にしたいのに」

体調不良のマスターの上で腰を動かしながら
マスターの顔に触れながらキスする。

急に何かが不安になる。

マスターを全身で抱きしめて、
マスターを確認する。

マスターが強く抱きしめ返してくださる。

「長く抱けなくてごめんよ。来週には体調治してたくさん抱いてあげるから」

私は「いいの」と首を横に振り、次に「でも、できたらお願いします」と縦に首を振った。

マスターに首の頸動脈を片手で軽く押さえられる。片手は私の右乳首を転がす。

私はいってしまう。

ぼーっと座った電車の中でおもむろに首を撫で、時に力を入れてしめる時がある。

私の地味な自慰行為。