今回は、英語圏の行政機関、企業、大学などのウェブサイトで使用されている文章表現を参考に、英語のトーン&マナーについて紹介します。
トーン&マナーとは、もともとは広告業界で使われていた言葉で、「表現の一貫性を保つための表現のスタイルや方法などのルール」のことを指します。
日本語では、「です・ます」調で書くか、「だ・である」調で書くかで文章の論調が変わります。また、自社のことを「当社」とするか「弊社」と表記するか、あるいは、顧客のことを「クライアント」とするか「お客様」「お客さま」とするかで、読者に与える印象が変わってきます。
このトーン&マナーは、英語では一般的に「Tone and Style」や「Voice and Style」と呼ばれています。英語圏の行政機関、企業、大学などのウェブサイトを見るとわかるように、一般大衆、消費者、サービス利用者などを対象に書かれた文章では、「読みやすく誤解を与えない表現」「日常語を使った口語的な表現」「インフォーマル、フレンドリーな表現」「語りかける口調」がよく使われています。
実際のウェブサイトを見てみましょう。
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ニールセン・カンパニーの会社概要
http://www.nielsen.com/us/en/about-us.html
Whether you’re eyeing markets in the next town or across continents, we understand the importance of knowing what consumers watch and buy. That’s our passion and the very heart of our business.
We study consumers in more than 100 countries to give you the most complete view of trends and habits worldwide. And we’re constantly evolving, not only in terms of where we measure, or what we measure, but also in how our insights can help you drive profitable growth. (以下省略)
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世界大手のリサーチ会社であるニールセン・カンパニーの会社概要では、「watch」「give」「help」「drive」などの日常語(基本語彙)と「you’re」「that’s」「we’re」などの口語表現を使用し、リズム感のある文章でメッセージをわかりやすく伝えています。
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Cabinet Office(英国内閣府)のウェブサイト
https://www.gov.uk/government/organisations/cabinet-office/about
What we do
We support the Prime Minister and Deputy Prime Minister, and ensure the effective running of government. We are also the corporate headquarters for government, in partnership with HM Treasury, and we take the lead in certain critical policy areas.
Who we are
We employ around 2,050 staff. There are also around 380 people working for the Government Procurement Service, an executive agency.
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英国内閣府のウェブサイトも、「組織概要」、「業務内容」を表す「who we are」「what we do」など、基本語彙やシンプルな表現を使ってわかりやすく書かれています。
一般大衆、消費者、サービス利用者向けの英語では、一般にシンプルで理解しやすい文体が好まれて使われており、その傾向は今後も続くものと予想されます。
英語で文章を書く場合だけでなく、英語へ翻訳する場合にも、「読み手にどのような印象を与えたいか」を検討し、文章の内容や目的にあったトーン&マナー(論調や言葉づかい)を用いることが大切です。
一般的な英語スタイルガイドのTone、Voice、Styleの項目に記載されているチェックポイントを以下にまとめました。英語のトーン&マナーを検討するときのヒントにしてください。
1. 日常語を使用する
× initiate ○ begin / × facilitate ○ help / × utilize ○ use
× modification ○ change / × concerning ○ about
2. 文は能動態で書く(不必要な受動態は使わない)
× Information can be found at… ○ You can find information at …
× You are requested… ○ We ask you to…
3. 読者に直接語りかける文体にする
読者に直接語りかける(読者を「you」、書き手を「we」で表現する)ような文体を使用する。
4. お役所用語や専門用語の使用は避ける
読者に馴染みのない専門用語や冗長なお役所用語は使用しない
× in the event of… ○ if…/ × due to the fact that… ○ because…, as…
専門用語は別の言葉で置き換えるか、説明を加える。略語は、初出時にすべてスペルアウトしたうえで、略語を( )内に記載する。
5. 文は短く簡潔にする
1つのセンテンスには1つの主題(アイデア)だけを書く。1センテンスの長さは、15-20ワードを目安にする(25ワード以上の長い文章は2つに分ける)。
6. 肯定的な表現(肯定文)を使う
× Do not send the form no later than October 10, 2013.
○ Please send us the form by October 10, 2013.
と、本日はここまで!
次回は、『プレイン・イングリッシュ』について紹介します

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