キリスト教最大の祭日は言うまでもなく復活祭です。キリスト教はイエスが復活した日を、主日と呼び仕事を休んでお祝いをしました。ちなみにユダヤ教の安息日は土曜日です。日本で日曜日が公休日なのはキリスト教の祝日を受け入れた結果です。このキリスト教最大のお祝いの由来をご紹介しましょう。
 
 主の日(Dies Dominica)は、安息日の次の日に主イエスキリストが復活したことから主の日と呼ばれるようになりました。ちなみに日曜日というのはローマ帝国で盛んに信奉されたミトラ教の太陽神の誕生日である太陽の日に由来する名称です。主の日はキリスト教のすべての祝日の中で最も古いものです。初代教父たちは主の日にイエスの復活を信じる人たちが一つ集まってパンを裂いたことを証言しています。
 
 主の日は太陽の日毎に記念され、そのどの日も主の過越の記念ではありますが、一年の中でも特別の過越の記念を行うのが復活の聖なる徹夜祭です。原始教会ではユダヤ暦が踏襲されました。ニサンの月の14日にキリスト教徒はイエスの十字架上の死と復活を祝いました。4世紀以降、典礼、神学的に発展がありました。イエスによってもたらされた救いの秘義を発展拡大して祝うようになります。
 その最初が復活徹夜祭です。この復活徹夜祭はすべての徹夜の母とも、祝日中の祝日とも言われ、やがてこの徹夜祭がキリスト教の過越と見なされるようになりました。ここでは移行(transitus)が中心となります。それはある境界線を越えることを意味します。キリストの死から生命への移行に伴い、教会の典礼も悲しみ、悔い改めの典礼、断食から、喜び、感謝の典礼、主の晩餐の記念へと移行するのです。
 
 このキリストの死と復活にあずかる入信式が復活徹夜祭で行われるようになりました。今日も布池教会で大勢の方々が入信の秘跡をお受けになります。その方々一人ひとりがイエスによってもたらされた永遠の命に与ることになります。