精神科医の中井先生によればスキル(skill)は英語にしかない言葉だと言うことです。
わたし流に考えるとスキルとはしっかり身体化した知や術のことだと思います。
それは例えばピアニストの手つきのようなものですし、武道家の身のこなしのようなものだと思います。
アートの世界では不可欠の要素ですね。
中井先生は
医学においては「科学」「知識」と並んで、いやそれ以上に「スキル」が重要なのはいうまでもなく、患者が求めるものは「スキル」であって、学問知識ではない。
と言っています。
どの様なケアであってもクライアントが求めるのは具体的に的確なケアを受けることであって、ケアに関する知識を披瀝してもらうことではありません。
中井先生は医師について次のようにも書いています。
かつては、医師の姿を見れば人は安心した。医師の一身に、医療が具現していると観念されたからである。現在、病院と巨大医療機械の影に医師の姿は見えなくなりつつある。しかし、実際には、病人は、病院に行きたいのでも、巨大医療機械に身を委ねたいのでもない。端的に医師に会い、訴え、安心を得たいのである。もし、医師がこのニードに答えなければ、医師は自ら、自己の基盤を掘り崩すことになるだろう。
医師の所を司祭と読み替えても十分通用することだと思いました。

以前アップした記事ですhttp://blogs.yahoo.co.jp/augustinemo/21024070.html