仕事明けの、久しぶりの感想なので製作者の視点がちになってしまう。
照明さんおつかれさま。とまずは労おう。凝った構成の脚本だが、受け取ったスタッフは大変なことだったろうとおもう。昼間の数十分の出来事なのだから、光線を統一させるだけでも一苦労どころではなかったことだろう。CG処理も限界があるし。よく見ると、ピーカンのはずが曇天になっていたりするが、よしとしましょう。
カーチェイスがムダに長いと見る向きはそのくらい離れたところでないと、犯人側は落ち合う場所に選ばないから。だからこそ、もう一歩踏み込んだリアリティが欲しい。クライマックスで、少女を見てなぜ冷酷非情なテロリストがハンドルを切るのかの説明とか(説明できない理由もいくつか考えられるが)。
そして、一番気になるのが、例えば
あるサスペンスアクションのプロットを考える。冒頭一つの事件が起こる。地方警察の刑事が捜査をすすめるうちに、それは単なる殺人事件ではなく国際テロリストの陰謀がからんでいて…といったパターンに納まっていることだ。
犯罪をおかす側、被害者双方に原因があり、たまたま主人公がテロリストだったから犯罪を実行し、刑事だからホシを追い、マスコミだったからスクープ映像をすっぱ抜き、合衆国大統領だったから命を狙われる。引いた視点で見れば「お互い大変ですな」ということになってしまう。小さな事件を同心円状にエピソードをつなぐ(この場合は断面状を並べる)ことによって、大きな事件につなぐやりかたは珍しくないが、ある種の黄金パターンではある。その黄金パターンに否を唱えた例として「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」を挙げておく。「バンテージ・ポイント」をカーナハンがやっていたらどうなっていたか、気になる。
多視点を並べるのがいけないのではない。物語内への納まりのよさがインベスタを集めやすかったのだろう。ちゃんと反米デモも出してるし(ああ、またプロデューサー批判だ)。
職務を忠実に実行したSPと、傀儡だろうが通すべき我を持つ大統領と、家族を大切にするアメリカ人が生き残るのをつかまえて偽善だとは言うまい。これは映画物語なのだから(フォローになってない)。
だから、ないものねだりのケチをあえてつけるとなると、衛星とは言わないまでも、空からの視点が、たとえSPのエピソードにだけでも混ぜるべきだし、内通者のSPは、私なら出さない。(出しても傀儡大統領へのスポンサーからの監視役とする程度ってか、コレがホントの犯人だったりして)
それにしても最後、自分が広場でガードしていたのは替え玉の大統領だと知ったデニス・クエイド扮するSPはどうしただろうか?大統領が本物だろうが替え玉だろうがガードするのがSPの職務だと教育されているのだろうか。
とまあ、凝った構成を力押ししているように見えて、作者が結構迷ったであろう痕跡を見てしまったのです私は。
照明さんおつかれさま。とまずは労おう。凝った構成の脚本だが、受け取ったスタッフは大変なことだったろうとおもう。昼間の数十分の出来事なのだから、光線を統一させるだけでも一苦労どころではなかったことだろう。CG処理も限界があるし。よく見ると、ピーカンのはずが曇天になっていたりするが、よしとしましょう。
カーチェイスがムダに長いと見る向きはそのくらい離れたところでないと、犯人側は落ち合う場所に選ばないから。だからこそ、もう一歩踏み込んだリアリティが欲しい。クライマックスで、少女を見てなぜ冷酷非情なテロリストがハンドルを切るのかの説明とか(説明できない理由もいくつか考えられるが)。
そして、一番気になるのが、例えば
あるサスペンスアクションのプロットを考える。冒頭一つの事件が起こる。地方警察の刑事が捜査をすすめるうちに、それは単なる殺人事件ではなく国際テロリストの陰謀がからんでいて…といったパターンに納まっていることだ。
犯罪をおかす側、被害者双方に原因があり、たまたま主人公がテロリストだったから犯罪を実行し、刑事だからホシを追い、マスコミだったからスクープ映像をすっぱ抜き、合衆国大統領だったから命を狙われる。引いた視点で見れば「お互い大変ですな」ということになってしまう。小さな事件を同心円状にエピソードをつなぐ(この場合は断面状を並べる)ことによって、大きな事件につなぐやりかたは珍しくないが、ある種の黄金パターンではある。その黄金パターンに否を唱えた例として「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」を挙げておく。「バンテージ・ポイント」をカーナハンがやっていたらどうなっていたか、気になる。
多視点を並べるのがいけないのではない。物語内への納まりのよさがインベスタを集めやすかったのだろう。ちゃんと反米デモも出してるし(ああ、またプロデューサー批判だ)。
職務を忠実に実行したSPと、傀儡だろうが通すべき我を持つ大統領と、家族を大切にするアメリカ人が生き残るのをつかまえて偽善だとは言うまい。これは映画物語なのだから(フォローになってない)。
だから、ないものねだりのケチをあえてつけるとなると、衛星とは言わないまでも、空からの視点が、たとえSPのエピソードにだけでも混ぜるべきだし、内通者のSPは、私なら出さない。(出しても傀儡大統領へのスポンサーからの監視役とする程度ってか、コレがホントの犯人だったりして)
それにしても最後、自分が広場でガードしていたのは替え玉の大統領だと知ったデニス・クエイド扮するSPはどうしただろうか?大統領が本物だろうが替え玉だろうがガードするのがSPの職務だと教育されているのだろうか。
とまあ、凝った構成を力押ししているように見えて、作者が結構迷ったであろう痕跡を見てしまったのです私は。