太平洋戦争末期、特攻隊として体当たりに行く若者を見送った食堂の女将、鳥濱トメの視点で描かれる特攻隊員たちの群像。
ウェルメイドである。一つ一つのエピソードがイタくてアナクロなのは当たり前、当時はそれが普通だったのだから。ただ、端からリアリズムは求めないが、反戦映画としては？と思える。
告白するが、私は涙腺のゆるい、アナクロな人間である。アナクロだろうが何だろうが、作者が本気で信じていないものを描けば即馬脚を現すのが大スクリーンの常、その点本作は現在描写できる当時の特攻隊員たちのエピソードによく感情移入している。
気になるのが省略された部分だ、関大尉については仕方ないとしても、隊員たちの故郷の描写にも「あえて」インサートカットだからこそ手間隙かけなければ個々の悲劇性が弱まってしまう。「塀の中の懲りない面々」が面白かったのは塀の外描写がこと細かに描かれていたからではないか。だから彼ら懲役囚が塀の外に焦がれる情がくっきりと浮き立ったのだ。
人、物、金、時間が足りなかったのだということを斟酌しても、せっかく散華に陶酔し脳内麻薬物質出まくりの坂東隊員をいくら窪塚が熱演していても搭乗直前に舞う阿波踊りが中途半端な印象なのが惜しい。一々がイタさが空回りする一歩手前で踏みとどまっているが、それらがキレイにまとまってしまい、作品全体の淡白な印象もここからくるのだと思われる。特撮は上出来なのに。
何だか戦争の敗因を分析している風になってしまった。
最後に、タイトルの君って誰？天皇のこと？
ウェルメイドである。一つ一つのエピソードがイタくてアナクロなのは当たり前、当時はそれが普通だったのだから。ただ、端からリアリズムは求めないが、反戦映画としては？と思える。
告白するが、私は涙腺のゆるい、アナクロな人間である。アナクロだろうが何だろうが、作者が本気で信じていないものを描けば即馬脚を現すのが大スクリーンの常、その点本作は現在描写できる当時の特攻隊員たちのエピソードによく感情移入している。
気になるのが省略された部分だ、関大尉については仕方ないとしても、隊員たちの故郷の描写にも「あえて」インサートカットだからこそ手間隙かけなければ個々の悲劇性が弱まってしまう。「塀の中の懲りない面々」が面白かったのは塀の外描写がこと細かに描かれていたからではないか。だから彼ら懲役囚が塀の外に焦がれる情がくっきりと浮き立ったのだ。
人、物、金、時間が足りなかったのだということを斟酌しても、せっかく散華に陶酔し脳内麻薬物質出まくりの坂東隊員をいくら窪塚が熱演していても搭乗直前に舞う阿波踊りが中途半端な印象なのが惜しい。一々がイタさが空回りする一歩手前で踏みとどまっているが、それらがキレイにまとまってしまい、作品全体の淡白な印象もここからくるのだと思われる。特撮は上出来なのに。
何だか戦争の敗因を分析している風になってしまった。
最後に、タイトルの君って誰？天皇のこと？