2017年 イタリア
監督
パオロ・ジェノヴェーゼ
キャスト
ヴァレリオ・マスタンドレア:謎の男
マルコ・ジャリーニ:エットレ
アルバ・ロルヴァケル:修道女キアラ
ヴィットリア・プッチーニ:アッズッラ
アレッサンドロ・ボルギ:フルヴィオ
サブリナ・フェリッリ:アンジェラ
ジュリア・ラッツァリーニ:マルチェラ婦人
ザ・プレイス 運命の交差点公式サイト http://theplace-movie.com/
ローマにあるカフェ“ザ・プレイス”。そこに分厚い手帳を手にした謎の男が居座り続けていた。男のもとには、入れ代わり立ち代わり訪問者がやって来る。男はどんな願いでも叶えることができるという。ただし、そのためには男が与える課題を遂行しなければならなかった。しかしその課題は、息子を癌の病気から救いたいと願う父親には見ず知らずの少女を殺せ、アルツハイマーの夫を助けたいという老婦人には人が集まる場所に爆弾を仕掛けろ、視力を取り戻したいという盲目の男には女を犯せ、といったあまりにも支離滅裂で非情な無理難題ばかりだったのだが…。allcinema参照
試写会で一足お先に観てきました♪
会場が図書館の地下ということで視聴環境を心配していたのですが、200席のホールで音響も良かったです。ただスクリーンが小さいので端に座ると画面全体が観えない…。さすがの端っこ好きな私でもちょっと…という感じでしたね(笑)
カフェ片隅というワン・シチュエーションで席に座り続ける男と、叶えたい希望のある依頼者との会話だけでストーリーは進みます。
名前も分からない謎の男性が厚いノートを開き、新たな契約がある場合はその中から依頼者がやるべき事を告げ、経過報告を記載する。
時々カフェの女性店員さんとのやりとりが間に入る。
これだけ。
途中までは何人かの依頼者が途中経過や課題への迷いを話していくシーンが続くので、この話どう展開していくんだろうなぁと漠然と観ていたのですが、後半それぞれの依頼者が関連性を持ってくるあたりから興味が出て最後まで飽きることなく観れました。
出される課題は病気で死にそうな子を助けるために、他の子供を殺せとか、盲目の男性の視力を取り戻したいという望みに女を犯せなど、おいおいっていうものばかり。
なので、もしかしてその依頼者がその欲望と向き合い、何かを得るみたいな映画なのかと思ったりもしたのですが、うーん違う。
ぶっちゃけると、この映画本当に不親切なんですよ(笑)
その分観客が想像を膨らませることができるので、観た人それぞれにいろいろな解釈ができるし、観た人と話したくなる映画である事は間違いない。
まあ、好き嫌いはハッキリ分かれると思います。試写会で隣に座った方、明らかにつまんなそうでしたし。
この試写会にはトークショーもあって、映画パーソナリティのコトブキツカサさんと占星術師の鏡リュウジさんという、ある意味異色な二人組でしたが、コトブキさんはとても話が面白くて惹きこまれたし、鏡さんは豊富なキリスト教の知識に絡めた映画のシーンの話が興味深くてとても有意義でした。
下手な映画評論家よりよっぽど良いと思いました。(監督がゲイだとかの話題は別にどうでもいいとか思いません?)
この映画はアメリカのドラマ「The Booth 欲望を喰う男」を元に映画にリメイク(?)したそうで、なるほど40分くらいで1人の依頼なら面白そうですよね。今度観てみようかな。
2017年 フランス
監督
アルベール・デュポンテル
キャスト
ナウエル・ペレス・ビスカヤール:エドゥアール・ペリクール
アルベール・デュポンテル:アルベール・マイヤール
ロラン・ラフィット:プラデル
ニエル・アレストリュプ:マルセル・ペリクール
メラニー・ティエリー:ポリーヌ
エロイーズ・バルステ:ルイーズ
天国でまた会おう オフィシャルサイト http://tengoku-movie.com/
1918年、休戦目前の西部戦線。上官であるプラデル中尉の悪事に気づいたために生き埋めにされたアルベールは、若い兵士エドゥアールに助けられ九死に一生を得る。しかしその際エドゥアールは顔に重傷を負ってしまう。休戦を迎え2人がパリに戻ってみると、戦没者は称えられる一方、生き延びた帰還兵に対しては世間はあまりにも冷淡だった。仕事も恋人も失ったアルベールは、家に戻りたくないというエドゥアールの願いを聞き入れ、彼の戦死を偽装すると身分を偽り2人で暮らし始める。顔の一部を失ったエドゥアールは、持ち前の芸術的才能を発揮して美しいマスクを作り上げる。そんな中、困窮を極める2人は、やがてある壮大な詐欺計画を企てるのだったが…。allcinema参照
はっきり言ってしまうと主演のナウエルさん目当てで鑑賞しました。彼は出演作が多くないですし、フランスや南米の映画はなかなか日本で公開されないですしね。後、こういう役柄自体が珍しいと思ったり。
『BPM(ビート・パー・ミニッツ)』がセザール賞を受賞して日本で公開されたのは、本当にラッキーだったと思います。そうでなければ多分顔も名前も知らなかった可能性もありますから。

国を相手に詐欺を働くってあらすじから、もっとユーモアがあって笑える作品なのかと勝手に思っていましたが、反戦がテーマにあるようなシリアスな作品でした。
先に作品の不満なところを挙げてしまうと、人物の描き方が浅いというところでしょうか。脚本に原作者のピエール・ルメートル氏が参加しているのが良くも悪くも働いているようで、長い原作をきれいにまとめている分エピソードが多くなり、展開が駆け足になってしまって個々の登場人物が描き切れていないという印象です。
もっとどれかのエピソードに話を集中させてたら、人物もきちんと描けて良かったかなと思います。(あくまで個人的感想ですけど。)
とはいえ、くすっと笑えるシーンがあったり、毒気も程よく入っているのはフランス映画らしいし、劇中で主人公が作る仮面や1900年代初頭のパリの雰囲気、衣装などは本当に素晴らしかった。
エドゥアールとアルベールの友情なのか何なのか良く分からない関係も私は好きでした。
御曹司のエドゥアールの浮世離れした感じとか、アルベールの犯罪を犯しながらも、お人よし感があるところとかは好印象でした。
終盤のエドゥアールと父親のやりとりは感動的でしたし、だからその後の主人公の選んだ道がせつなくて悲しかったです。
好き嫌いははっきり分かれる作品だと思いますし、手離しでお勧めはしづらいところはあるのですが、美術好きな方は絶対楽しめるし、ナウエルさんの瞳の演技や身体表現は素晴らしいから観て欲しいなというのは本音です。(結局そこだった・笑)


※以下は個人的メモなので、スルーしてくださいね。
ナウエルさんの名前(Nahuel Perez Biscayart)いろんなカタカナ表記があるんですが、ご本人が名乗っているの聞いてるとナウエル・ペレス・ビスカヤールが一番近いみたいですね。最後のtは発音しないみたい。うーん 難しい。発音どおりに書くと日本人的に発音できないという不思議な現象もありますしねぇ。マシュー・マコノヘイさんとか。
最近知ったんですが、彼は『肉体の森』に出演した時はフランス語喋れなかったそうですが、3ヶ月ソルボンヌ大学のフランス語のコースを受講して流暢なフランス語を喋れるようになったらしい。それで映画の主演できるって凄いなぁ。スペイン語とフランス語って似てるのかしら。インタビュー映像見てると言い直しが何回かあるけど、英語も困らないみたいだし、うん羨ましい。
眼力に注目です!!


