ピアノを習っていると、
「間違えないように弾かなくちゃ」
「もっと上手に弾かなくちゃ」
と思うことがあるかもしれません。
もちろん、正しい音やリズムで弾くこと、指が動くように繰り返し練習することも大切です。
けれど、私がレッスンでいちばん大切にしたいのは、上手に弾くことだけではありません。
「この曲、きれいだな」
「ここは元気に弾きたい」
「この音が好き!」
そんなふうに、音楽を聴いて何かを感じ、自分なりに表現しようとする気持ちを大切にしたいと思っています。
たとえ少し間違えても、その子らしい音が聴こえてくる演奏には、心を動かされるものがあります。
ピアノには、点数や正解だけでは測れない楽しさがあります。
うれしいときには明るい音が出たり、少し元気がない日には静かでやさしい音になったり。同じ曲を弾いても、一人ひとり違う音楽になります。
レッスンでは、できなかったところを直すだけでなく、
「今の音、すてきだったね」
「どんな気持ちで弾いたの?」
「この曲のどこが好き?」
そんな言葉も交わしながら、その子の感じたことを一緒に見つけていきたいと思っています。
ピアノが上手になることは、もちろんうれしいこと。
でもその先に、音楽が心の支えになったり、好きな曲を弾いて自分を元気にできたりする未来があれば、もっとすてきです。
上手に弾くことだけを目指すのではなく、音楽を感じ、楽しみ、自分らしく表現すること。
それを大切にしながら、これからも一人ひとりの音に耳を傾けていきたいと思います。

