好きなままで長く、いられたらいいのにね。

たまに雨が降ったり、雷を落としたり、嵐になったり
めまぐるしくお天気模様は変わっても。

でも、最後はやっぱり夕陽のまぶしさに目を細めるような、
そんな気持ちで向き合えたらいいのにね。


生きることにも
対・人にも。
対・物事にも。


私はもう少しほがらかであったなら、と
思うことがありました。




「好きなままで長く」
あなたにはどこかはかり知れないところがある
明るく力強い
あなたの心の奥には
深い井戸がある
どんな夏の暑さの中でも
その水はつめたい

私はあなたから吹く風で
すずしくなる
吹く風はすずしいけれど
木陰のようにすずしいけれど

あなたの瞳に井戸を見る時
私は悲しくなるので
あなたの井戸で泳いだり
そこでスイカをひやしたりしたいなと思うんだよ




銀色夏生「好きなままで長く」