さて、今のお家の前は以前にも書いたように小松菜畑だったのですが、それが取り壊されて、同じようなアパートが建設されておりました。朝、7時30分頃から工事のバッタンゴッタンという音が響いて、そのうち、耳に響くようなキュイーンという金属音がしたり、と落ち着かない朝時間を過ごしてきました。

その工事も佳境に入り、そろそろ完成も近いようです。


畑がなくなったせいで、土ぼこりがへり、砂漠の中の家、バグダッド・カフェ状態を免れたは良いのですが、この先、お部屋全身で受けていた南からの太陽の日差しが減るのは、やや寂しいものがございます(はい)。



閑話休題



で、工事について。

現場の方々はラジオをかけながら作業するようで、ラジオのディスクジョッキーの声が爽やかな朝の風とともに聞こえてくるのです。(ディスクジョッキー…って言わないのか。今はパーソナリティかな??)ある朝などは、ラジオから大好きなオリジナル・ラブが流れてきて、思わず、聞き入ってしまったものでした。


いいなぁ、ラジオって。
音の世界、映像のない世界。聴く側は耳に意識を集中させて、身体全身で聞き入る感じ。
テレビのように安易にテロップが流れないし、まさにイメージをフル回転させて音と対峙するような…。落語の世界と一緒かな。


ふと、村上春樹の短編を思い出しちゃった。


20歳くらいの主人公(男)は恋人との旅行費を稼ぐため、夏の間だけ、芝刈りを請け負うアルバイトをする。主人公の仕事は手抜きをしないので、引き合いも多い。アルバイト代としても、結構いいお金を稼げる。

で、いろんなお宅を訪問する中で、一軒、いかつい顔と身体をした50くらいのおばさんの家の芝を刈ることになるのだけど…。ひょんなことから、そのおばさんのお家にお邪魔して手作りのサンドイットをごちそうになって、そのおばさんの身の上を聞くことになる…そんな物語だった。


芝を刈る時の時主人公はラジオをかけていて、太陽にあたって真っ黒に日焼けしている。

その女主人は確か度数の強いウォッカだかジンを飲んでいて、主人公にもすすめる。
でも仕事中だから、と確か断った…か、軽いビールにしたのかな??(うろ覚え)



この物語の持つにおい、というか空気感がめちゃくちゃ好きで。



夏の太陽と、芝生の草いきれ。

ハムとチーズのサンドイッチ。冷えたビール。


からっからに乾いた夏の空に響く、ドアーズ。
いや、イーグルスでもいいかな。




ということで、気分は
light my fire!!
(ハートに火をつけて!)