ある本の帯に書いてあった「人というのは不思議なものだ。苦しい時ほど美しさが際立つ」という言葉に心を打たれた昨日。

今年も後半にさしかかって、どうにか自分の中の「枯渇感」がなくなってきたように感じる。前にも書いたのだけど、どんなに働いても働いても、いつも心が満たされない感があって、自分を鼓舞していたようなところがあった。そこからようやく抜け出てきたかな。以前ほど自分の「使命」について、果たすべき役割が何なのか、あまり考えなくなったし、ひとつにはどんどん忙しくなってきているのもあるのかな。




同じような言葉を、バイオリニストの川井郁子さんのインタビューで読んで「ここにも同じような人がいた!へぇ~」と思った。彼女は、子どもを産んで違うエネルギーをもらうことで、そうした枯渇感から脱却したと。きっと子どもを持つことは自分の中での一つの大きな変化になるのだろうな。







朝から外は雨がしとしと、雨音が耳に心地よい。





冒頭の「苦しい時ほど美しさが際立つ」だけど、ふと、アップルのスティーブ・ジョブズ氏の退任のメッセージを思い出した。そこには、熱い思いが込められてるのに、表現は淡々として潔い。苦渋の決断をしたはずなのに、語り口は穏やかでクールにさえ見える。でもその裏にある、はかり切れない悲しみや苦しみを思うと、私まで何だか泣けてきた。

苦しい時こそ、美しさが際立つ。

そして、ジョブズ氏はなんて美しい人なんだろう、と思った。





生き様が美しい。

余計なことは口にしない潔さが美しい。

その態度が、言葉使いが、美しい。






態度で、言葉で伝わってくるその人の品格。

こればかりは表面的な美しさと違って、心の内なるところから湧き出てくる美しさだろう。


美しい人。

私は美しい人が好き。