大人になると夏休みもあまり関係なく働くけれど、子どもたちにとっては、冒険と未知なる世界に踏み込むことの出来る長い夏休み。せめて「夏休み」っぽいことをしたいな、と思って、まずは、大好きな映画も、ひとり勝手に「夏休み特集」と題して、夏を満喫できるもの、子どもの頃の夢や宝物を思い出させるようなものをセレクトして、楽しんでいます。

昨日観た「マレーナ」も思った以上の「純愛ぶり」が胸に響いたし、久々に観た「太陽がいっぱい」も、まさに今の時期うってつけの作品。どうしようもない馬鹿ばっかりが出てくる映画だけれど(失礼!)、何より哀愁を誘うテーマソングは素晴らしいし、登場人物たちのファッションも粋でお洒落だ。


夏休み映画特集に続き、「夏休み読書特集」もしてみよう、と思って、名作と呼ばれるものを読み返してみたり…。一人ひとりにとって、自分の「名作」って違うと思うけれど、あなたにとっての「この一冊」って何ですか?私はカミュの「異邦人」、村上春樹の「風の歌を聴け」、サンテグジュペリの「星の王子様」etc、他にもつらつらと浮かんでくるな。


今更ながら、ゲーテの「若きウェルテルの悩み」を読み返している。この年になって、この本を読み返すことになるとは夢にも思わんだ…(笑)。だけど、学生時代、スタンダールの「恋愛論」や「赤と黒」に傾倒し、卒論で「恋愛」をテーマにイギリス、フランス、両文化の作品を比較した論文を書いたことを思い出すと、今も恋愛論、男女の心のあり方、というものにとても興味があることは至極、まっとうなんだなぁ、と思う。

「若きウエルテルの悩み」は、ご存知のとおり、結ばれない恋に悩む主人公が、日々、日記の形式で恋いこがれる相手への思いを「自分の主観」から勝手に綴ったものなのだけれど…。本の帯にもあるように、恋のために人はどこまで行けるのだろう?命にも換えられるのかな。


つくづく、自分という人間は、普通の人が「それ相応の年齢に経験すべきはずのこと」を、していないなぁと気づかされた。恋愛における人間関係の築き、例えば、相手が何を望んでどんな未来を描いているのか、その洞察と、それに応えてあげられるかの自分の度量。相手を取り巻く異性たちへの嫉妬や憧れとの向き合い方、その他 etc…。すべてにおいて、しておくべきであろう経験が人の10年くらい遅れているんだよね、あたしって。あはは。これは、単に仕方ないことなのか。それとも、この年まで神様が取っておいてくれた、私がいま乗り越えるべき「経験」なのか。後者なんだろうな、と思いながら楽しくその「未知なる思い」と向き合っています。




最後に、究極の質問です。

あなたは、恋のために死ねますか?(by ゲーテ)