「心のチキンスープ」という、アメリカのある中学校の話から。

ヘレンという先生が、授業の息抜きにと生徒に紙を渡して友達の良いところを書かせた。そして一人ひとりのリストを作って渡したが、先生が思った以上に生徒からの反響は少なかった。

それから数年が経ち、ヘレンの元に教え子の一人、マークが戦死したとの悲報が届く。葬儀に参列すると両親が「先生に見せたいものがある」と小さな紙片を取り出した。あの日、クラスの全員がマークの「良いところ」を書いたリストだった。

破れそうになったところには、何カ所もテープが貼られていた。マークは戦場でも、死ぬ最後の最後まで、その小さな紙片を肌身はなさず持っていたのだ。

参列していた他の生徒たちも口ぐちに言った。
「私もアルバムに貼っています」「机の一番上の引き出しに入れています」
リストはみんなの宝物になっていたのだ。


子どもは褒められると、人に感謝し、その人に好意を抱くようになるという。マークもきっと、そのリストが何ものにも代え難いほど嬉しかったんだろうな。自分に向けられたたくさんの優しい言葉。それを撒くことを試みた先生もすごいな。マークもヘレンもみんなも、それぞれがみんなのことが大好きだったに違いない。


子どもは褒められると最高の自己肯定として、自分のことが好きになり、自信がつくという。自分のことが好きだったら、他人にも優しくなれる。自分を大切に出来る人は、むやみに誰かを傷つけることはしない。自分を敬える人は、他人をも敬える。




大好きな寺山修司の詩をベースに「換骨奪胎」してみた。

「優しい言葉を土に埋めよう」

みんなが行ってしまったら
あなたを思ってダンスを踊ろう

みんなが行ってしまったら
この世で最後の酒を飲もう

みんなが行ってしまったら
酔ったふりして ちょっぴり泣こう

みんなが行ってしまったら
優しい言葉を土に埋めよう



ピース!!!