日記のようなです・ます調だと私には本の感想は書きづらいので、読書日記だけ文体が変わります。ご容赦を。


本屋大賞を受賞した『みをつくし料理帳』シリーズの高田郁による傑作時代小説。


銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫)

大坂の寒天問屋の主が仇討ちに出くわし、少年の命を銀二貫で買う。その少年は寒天問屋に奉公することになり…という物語で、少年の成長を描く。

とにかく面白い。読み始めたら止まらず、帰宅の電車の中で読んでいて最後のページまで駅のホームのベンチで読みふけってしまった。しかも電車の中や駅で涙が止まらなくなり、非常に困った。

『みをつくし料理帳』はほんわかとしてとても大好きなシリーズだが、軽妙でコミカルな会話が多いせいかどこかライトな雰囲気もある。それに比べこの『銀二貫』は断然読み応えあり。お店者・職人の少年の成長を、当時の時代背景と絡めてさわやかに描くところは澤田ふじ子にも通じるところがある。(上方が舞台だからというわけでもないが。)

平岩弓枝や北原亜以子など大御所の時代小説は心にしみじみ響くものが多く、また安心して読めるが、このように次世代も確実に現れてきているのだなあと思うと時代小説の未来は明るいか。などど書くと偉そうだが、一人の時代小説好きとしては将来も面白い時代小説が読めそうでひたすら嬉しい。

主人公には深く感情移入でき、温かくすがすがしく、読後感もとてもいい。特に最後の4行はなんとも言えない。読み終えてただ涙、涙。