JBLのツイータを2個入手して実験していましたが、どちらもフェライトでした。「アルニコのツイータは特性が違うかもしれない」という疑問は以前からあり、アルニコのツイータを使ってみたかったのですが、ようやく入手できました。これはJBLオリジナルのアルミ合金ダイヤフラムが使われています。さっそく測ってみるとこのような特性が出ました。


JBL 2405(アルニコマグネット、アルミ合金ダイヤフラム)の周波数特性

JBLが公開している特性にかなり近いです。3.7kHzから20kHzまで±5dB以内に収まっています。3kHzが少し低いのは測定環境の違いかと思います。20kHzでも落ち込みが少ないのでほとんど補正なしでもいいくらいです。30年前のドライバーなのに今でもこれだけの特性が維持できているのはすごいです。

この状態で音を聴いてみると、なつかしい音がします。昔のJBLを思い出します。これはこれで良いのですが、少し前までエール音響のドライバーを聴いて耳が慣れているせいか、この音ではちょっと不満が残ります。近いうちにチタンダイヤフラムに交換したいと思っています。

JBL 2405H特性測定
CATEGORY/ホーンスピーカー


JBL 2405Hの特性です。これもチタン振動板が付いているせいか下があまり出ていません。ただ、上は2402Hより落ち込みは少なく、20kHzまで出ています。


JBL 2405H周波数特性(チタンダイヤフラム)

これをアルミ合金ダイヤフラムに替えてみるとこのような特性になりました。


JBL 2405H周波数特性(アルミ合金ダイヤフラム)

振動板の違いだけで特性がだいぶ変わるのがわかりました。2kHzから充分なレスポンスが得られます。2kHzから使えると、小型スピーカーなら2WAYが組めるほどの性能です。

ちなみにJBLの資料に掲載されている特性はこのようになっています。



3kHz~20kHzまでほぼフラットに出ていますので、アルミ合金ダイヤフラムの特性が本来の特性なのでしょう。やはりオリジナルのアルミ合金ダイヤフラムを使ったときに本来の特性が出るように設計されているようです。

今回はJBL 376と組み合わせるので7kHzあたりで切って使います。その時の特性はこのようなります。


JBL 2405H 7kHz 48dB/Oct時の周波数特性(チタンダイヤフラム)

これでもツイータとして充分使える特性です。20kHzで数dB持ち上げる程度でフラットにできます。


JBL 2402H特性測定
CATEGORY/ホーンスピーカー

JBL 2402Hを置台に置いて測定

JBL 2402HをOmniMicで測ってみました。

JBL 2402H周波数特性

2.2kHzあたりからレスポンスがあり、10kHzがピークで、それより上は落ちています。この特性がまともなのかそうでないのか判断できなかったので、JBLの技術資料を調べてみたところ、周波数特性グラフが載っていました。

JBL 2402Hの標準特性


横軸が狭いので見た目のカーブがだいぶ違いますが、それだけでなく2.5kHz~18kHzの間で±5dB以内に納まっています。手持ちの2402Hでは±5dBの範囲は7kHz~15kHzしかありません。2.5kHzから7kHzの間のレスポンスが低すぎます。原因を調べた結果、結論から言うと、この違いは振動板の差だということがわかりました。測定した2402Hにはチタン振動板を乗せています。JBL標準の振動板はアルミ合金です。アルミ合金を使うと下が伸びた特性になることがわかりました。アルミ合金の振動板を使うと、JBLが公開している周波数特性に近いカーブになります。


聴感上の音色ですが、チタン振動板は音離れが良く、澄んだ高域に聞こえます。アルミ合金の振動板は優しい高域で聞きやすいですが、少し古風な音色です。好みとしては現代的な音のするチタンを使いたいので、チタンを採用することにします。


チタン振動板を使うと7kHz以下があまり出ませんが、中音用ドライバーと組み合わせて使うなら7kHzクロスにして、7kHz以下は使わないので問題ありません。


JBL 2402H 7kHz 48dB/Oct


むしろ、10kHz以上が伸びていないのが気になります。ピークから5dB落ちで12kHzまで、10dB落ちで15kHzまでしか伸びていません。でも聴感上はけっこう伸びているように聞こえます。それよりも、シャンシャンと響き成分が良く聞こえます。これは2402Hのホーンの設計の特徴なのではないかと思います。その証拠らしいものが次のグラフで観察できます。


JBL 2402H Waterfall

OminiMicで取ったウォーターフォールグラフです。グラフの奧から手前にかけて時間が経過したときの音圧レベルを表示したグラフです。わかりやすく言うと、グラフの手前に山があるとそれが残響(エコー)のように聞こえるということです。このグラフでは、6kHzから15kHzに渡って手前に小さな山が出ています。恐らくホーン部の反射などで余計な響きが乗っていると推測できます。この残響のせいでジャズのシンバルなどがそれっぽく聞こえるのかも知れません。良くも悪くも2402Hの特徴を良く表していると思います。


JBL 2402H振動板交換4
CATEGORY/ホーンスピーカー
振動板が壊れていた2402Hにチタンダイヤフラムを取り付けたものと、一応音が出ていたもう1つの2402H(オリジナルのアルミ合金ダイヤフラム)を改めて聞き直してみるとだいぶ音が違います。

音が出ていたほうの2402Hにもフェイズプラグのところにスペーサーを取り付け、同じ条件で比較してみました。振動板の違いで音がこれだけ変わるというのが実感できました。

JBLオリジナルのダイヤフラムはアルミ合金製です。アルミ合金だと、中域に使っている376も同じ材料のせいかつながりが良く聞こえます。そしていかにもこれらのドライバーが作られていた当時のJBLらしい音が出ます。チタンダイヤフラムを取り付けたほうは、音離れが良く、JBLらしい癖のような部分がだいぶ減って現代的な音になります。

JBLドライバーをチタンダイヤフラムに換えるだけでまた違う音が聴けることがわかりましたので、また楽しみが出てきました。


JBL 2402H振動板交換3
CATEGORY/ホーンスピーカー
振動板交換はうまくいったものの、どうも音が気に入らないのでもう少し何とかならないか調べてみました。そういえば、ダイヤフラムを買ったとき付いてきた黒いスペーサーがありました。中央に穴が空いている円盤状のもので、2402Hを分解したときにはこのようなものはどこにも使われていなかったので、いらないものだと思いそのままにしていました。FUNTEQさんに確認すると、「フェイズプラグと振動板の間に入れて使います」ということでした。フェイズプラグの工作精度によってはフェイズプラグを取り付けたとき、フェイズプラグの下の部分が振動板に近づき過ぎて接触することがあるそうです。この状態で振動板が動くとフェイズプラグと接触して音が歪むので少し距離を取るために入れたほうがいい場合があるそうです。ものは試しとやってみました。



左がフェイズプラグの底面です。中が空洞になっています。右が黒いスペーサーを取り付けたところです。

フェイズプラグに黒いスペーサーを取り付ける前と後で比べると、確かにスペーサーを入れたときのほうが振動板との距離が取れています。


スペーサーを入れる前。ほとんどダイヤフラムに接触するくらいフェイズプラグが近い

スペーサーを入れた後。見た目ではっきりわかるほど離れている

これならダイヤフラムがかなり動いてもフェイズプラグに触ることはないでしょう。さて、これで音が変わるのか変わらないのか疑問でしたがやってみました。

見事に変わりました。2405Hほどではありませんが、うるささがかなり抑えられ、それでいて出るべき音は出ているという鳴り方になりました。やはりダイヤフラムが動いたとき接触していたんでしょうか。

黒いスペーサーは紙か柔らかいプラスチックのような材料です。これをフェイズプラグとダイヤフラムの間に入れることで金属の鳴きを適度にダンプしているのかも知れません。どちらにしても好ましい音になったので、これで固定することにしました。

たかがダイヤフラム交換ですが、自分でやってみるといろいろ新しい発見があり、とても面白い経験になります。ボイスコイルが切れて音が出ないドライバーは相場より安く買えますのでその点でもおいしい経験でした。
RubiDAC-192やSCA-7511Mk3にはOP-AMPがいくつか使われています。今回、RubiDAC-192の出力部にこれらのOP-AMPを入れて音の変化を聴いてみました。RubiDAC-192には標準でNE5532が使われていますが、これを他のOP-AMPに代えるとどれくらい変わるのか聴いてみたかったからです。

SCA-7511Mk3にはDCサーボ用に2回路入りのOP-AMPが使われています。この部分にもこれらのOP-AMPが使えます。音の変化傾向は同じはずという前提で、好みのOP-AMPに差し替えて使えるとさらにSATRIアンプの魅力が高まります。写真にはありませんが、LME49720と同じ回路のLM4562も試聴できましたので掲載しています。試聴結果は個人の感想ですので参考程度にお読みください。

OP-AMP試聴
型番
試聴
LME49720 LME49720とLME49860は傾向が似ている。音場が奥行き方向に広がるせいか、控えめで鳴りすぎない。他のOP-AMPと比べると寒色系。景色を見渡すような音場でハイファイ調。LME49860より多少明るめ。
LME49860 LME49720の高電圧版。寒色系でLME49720よりさらにハイファイ調。分解能、定位とも良好。音場が奥行き方向に広がり、鳴りすぎないところに好感が持てる。クラシックには最適か。
LM4562 LME49720と同じSPECなので音も同じかと思って試聴したところ違っていた。LME49720より音が前に出て明るめになる。
MUSES 8820 新日本無線の最新設計(2010年)OP-AMP。他のOP-AMPと比べ、音量が大きくなったように感じる。メリハリがあり、音場感がよく出る。楽器の質感がよく表現される。LME49860がオーディオ的なのに対して、8820は音楽的によく鳴るという印象。
JRC2114DD 多くのオーディオ機器に使われてきた定番のOP-AMP。DDはローノイズ品。MUSES 8820と同じ新日本無線の製品なので比較用として試聴。中域が少し引っ込み、高域にかけて音の線が細くなる傾向があるが、破綻なく聴ける音質。
NE5532N 細かい音が整理され、大雑把になるが、スタジオ向けの太いサウンド。他のOP-AMPと比べると昔風の音に聞こえる。

自作などに向くきれいなケースを見つけました。簡単な電子工作をしてそれを箱に収めて使いたいとき、ちょうどいいケースが欲しくなります。秋葉原ならケース屋さんがあるのでちょっと行って欲しいサイズのケースを買ってくることができますが、秋葉原でもあまりおしゃれなケースはありません。色も黒とアルミ色だけです。つまみなども同じです。これらを使って自作アンプなどを作ると、いくら音が良くても良さそうに見えません。見栄えのしないケースとつまみでは、市販のアンプのような高級感は出ません。そう思っていたところ、きれいなケースが手に入りました。写真はサンプルでいただいたケースですが、きれいなシャンペンゴールドのアルミ仕上げになっています。サイズは15cm角くらいです。小型アンプやヘッドホンアンプなどを収めるのにちょうど良いサイズです。その下にあるアンプのパネルがヘアラインにシルバー・アルマイト仕上げですので色の比較ができると思います。

色合いは質感はデジカメではなかなか出にくいです。実物はもっと光沢があり、きれいです。次の写真は蓋を開けたところですが、たまたま光の加減が良く、実物に近い色が出ています。このケースはできるだけネジを使わずに固定できるはめ合い構造になっています。

アルマイト処理は青や赤など、ほとんどの色を出すことができるので、注文すれば好みの色が出せます。

角度を変えて、正面パネルに光を当てて見たところです。


これくらいきれいだと、セイデンのアッテネータを使ったパッシブアッテネータ用の箱にも良さそうです。

普通はこれに自分でアッテネータ用の穴や、RCAジャック用の穴を開けて使いますが、自作で一番面倒なのが穴開け作業ですが、指定すれば穴開けもできます。もっと大きなサイズのケースも作れますし、オーディオ用パソコンを自作するときに使えるサイ

バクーンには、DAC-2000というSATRI回路を使ったD/Aコンバータがありました。今でも秋葉原で使っていて、音は良いのですが、開発されてからだいぶ日が経ち、さすがに設計が古くなってきたので、バクーンで新しいDACを作ろうとしています。

最近はネットで気軽に音楽が聴けますし、CDをパソコンに取り込んで聴いているオーディオマニアも増えてきています。数年前まではパソコンで音を出しても荒い音でした。パソコンの電源を使っていて音がいいはずがないと思われていましたし、サウンドカードがパソコンに内蔵されていた場合はパソコンのノイズが乗って、とても聴けたものではありませんでした。

ところが、最近はその辺もわかってきて、パソコン内蔵のサウンドカードを使わず、USBやFireWireで外部のデジタルインターフェイスにパケットで音楽データを送り、そこからS/P DIF信号に変換してDACに入れて音を出すと、へたなCDプレーヤーを使うより良い音が出るようになってきました。

そこで、新しいDACにもUSB端子を付け、パソコンを使って本気でオーディオができる装置にしようという計画が進行中です。CDのフォーマットは44.1k 16bitですが、デジタルレコーダーを使って録音すれば最高192kHz 24bitのフォーマットでデータを取っておくことができます。CD音源でもパソコンに取り込んでからソフトを使ってサンプルレートを上げるということもできます。そうすると、44.1kHzの音源を88kHzや96kHzに上げることができます。もちろん本物の88kHzや96kHz音源と同じ音質にはなりませんが、擬似的とは言えデジタルの階段が細かくなるので、聴感上も繊細な音に聞こえます。

iPodや携帯で音楽を聴ければ満足という方はわざわざこんな面倒なことはしないでしょうが、パソコンを高級CDプレーヤーとして使い、高品位な音を出したいと考える人はけっこういるようです。ネットで検索すると多数ヒットします。ただ、これは新しい分野で、基礎を教えてくれる人がいるわけでもないので、こういうことをしているのは若い人ばかりです。
解説 宇佐丸白書
パソコンで再生するときですが、今だと96kHzくらいまでで再生するにはそれほど無理なくできますが、それ以上に上げようとすると、割り込み頻度が高くなり過ぎるせいか、音が途切れたり、プツプツとノイズが出てしまったりします。かなりパワーのあるCPUと大量のメモリ、OSのチューニング、音の良い再生ソフトの選択とチューニングなどいろいろ気を付けないと192kHzを安定して出すのは難しいです。パソコンでデータ処理をするなら多少遅くても待っていれば終わりますが、ハイサンプリング音楽データの再生が難しいのは、基本的にリアルタイムで処理しないと音が途切れてしまうからです。Windowsは、常時多数のスレッドが起動していて、それぞれ割り込み時間を割り当てられて動いています。どれかのスレッドが重い処理をすると、そのスレッドに多くの割り込み時間を取られてしまい、他の処理に遅れが生じます。音楽を再生しているときは音楽の再生を最優先で処理してくれれば問題ないのですが、Windowsはユーザーアプリケーションを動かす場合、優先度を「普通」に設定して動かします。それでも音が途切れなければそのままで構わないのですが、途切れるときは手動で優先度を上げてやると音が途切れなくなったり、音質が安定して良くなったりします。再生ソフトによっては、これがわかっていて、起動されると自分で優先度を高くして動くものもあります。この辺の動作は、ソフトを作る人の腕しだいというところがあります。再生ソフトをいくつか使ってみると、44.1kHzで比較しても、どれもけっこう音が違います。パソコンを使った本格的音楽再生はまだ始まったばかりです。

ということで、新しいDACは、CDでもパソコンでも使えるようになるはずです。たぶん、2~3ヶ月のうちには形になると思います。私も今から楽しみにしています。