タワーレコード錦糸町。

五階の店舗には、

あっちゃんのポスターが何枚か張られ、

時に、BUCK-TICKの曲が流れる。

 

BUCK-TICKのCDコーナーをにらむようにして、

前にいる女性。

脇ではBUCK-TICKのPVも流れ、

うれしいというより切ない。

 

コンフォート・ゾーンを出てみた。

彼女に話しかけたのである。

 

すると、二人してあふれるように、

あっちゃんの思い出が紡ぎ出されていく。

彼女は、「悪の華」時代にコンサートに行った、

私からするとうらやましい体験を持つ。

嘆きも感謝も、

およそ死を悼むすべてを語っていた。

 

ひとしきり話したあと、

彼女は去っていた。

最新盤を手にして、言う。

 

「棺にこのCDを入れます」

 

手向けの言葉としてこれ以上のものがあるだろうか。