時間が経ってしまったけど

先週の千葉・東京旅の二日目。


『玉ひで』でのランチの後、有楽町にある

三菱一号館美術館に向いました。

3月1日から開催中の『ヴィジェ・ルブラン展』を

観るためです。


副題に

『華麗なる宮廷を描いた女性画家たち』とあります。

ヴィジェ・ルブランは

王妃の中では知名度№1のマリー・アントワネットを

描いた画家として有名です。


年も同じなんですよ。

池田理代子さんの『ヴェルバラ』にも登場しています。


今回の展覧会の画家はすべて女性。

フランス革命をはさみ、

王政で華美な旧体制から質素堅実な市民中心の

社会へ変遷していく動乱の時代。


美術史ではヴェルサイユ宮殿に代表される

ロココの時代。

意外に女性が活躍していたのですよね。



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『自画像』エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン

1791年 油彩カンヴァス

ナショナル・トラストブリストル・コレクション蔵


図録の表紙でもあります。

この絵、描いてるものが違うけど同じポージングで

同じ衣装で描かれたものが

イタリアはウフィツィ美術館の自画像コレクションに

あります。


2月に観に行った大阪では展示されていなかったけど、

東京には来てました。


綺麗な人ですね。



Les Beaux Jours-110416_2328~01.jpg
『フランス王妃マリー=アントワネット』

エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン

79×63,5 油彩カンヴァス(楕円)

個人蔵


多分、一番有名な肖像画ではないかな?

今回来ていた作品の中では。

多くの方に模写もされた作品です。


しかし、どうやって結っていたのかな?

この盛りヘアー。



Les Beaux Jours-110416_2332~01.jpg
『聖母と眠る幼児イエス』マドモワゼル・デュラン

1766年 パステル、カンヴァスに貼られた紙

60×49 個人蔵


今回の展示作品の中で気に入った絵の一つ。

宗教画というのは

絵画の中でも格が上とされていましたが、

聖人やイエスは男性であるため

当時の女性たちがなかなか描けなかったのです。


男性モデルはヌードであるから

デッサンやスケッチに女性は参加できなかったのですね。

だから、リアルな人物像としても男性をなかなかかけなかったのでした。


でも、デュランはあえて挑戦。

個人的な信仰のために描かれたのでしょう。

幼子のイエスの抱き方や

その安心した顔。

聖母の表情が母の顔でもあるし、聖人の顔でもあるし

育児の合間に聖書を読む姿が信仰の深さを

表して・・・すごく気に入った作品です。



Les Beaux Jours-110416_2333~01.jpg
『ポリニャック公爵夫人』 ヴィジェ・ルブラン

1782年 油彩カンヴァス

92,2×73,3 ヴェルサイユ宮殿美術館


マリー・アントワネットの子供、王家の子息子女の

養育係で、王妃のお気に入りの取り巻きでも

あったポリニャック夫人の肖像画です。


ヴェルバラ好きの方ならすぐピン!


王妃の浪費の原因ともなった女性です。


ブランは他にも何枚か彼女とその子供の

肖像画を描いてます。



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『マリーアントワネット(ヴィジェ・ルブラン原作)』

フランソワーズ・ウジェニー・トリビエ・ル・ブラン

旧姓ルブランに帰属

92,7×73,7 油彩カンヴァス

富士美術館


これはヴィジェ・ルブランの姪が

ヴィジェ・ルブランの描いたマリーアントワネットを

模写した作品です。


王妃は革命で断頭台に消えましたが

ルブランはオーストリアへ亡命しました。

王妃の故郷というのが皮肉ですね。

そこで、王妃の没後に描いた肖像で

ずっとそばに置いていたそうです。

自分をアカデミーに入会できるように口ぞえを

してくれたのは王妃ですし、

画家としての名声は王妃がいたからこそ、でもあった。



王妃が生きのびていたら

もっと、いろんな絵がいろんな画家により

描かれていたでしょうか。


歴史が変わっていたでしょうし。

ヴェルバラの内容も????


女性が描く女性は

かわいいですね。

これは、女性の中にある男性性が作用している

のだと思います。


まとっている衣装や帽子はフリルやリボンがいっぱい。

ヘアスタイルもフワ・ユルで

なんか今の時代に登場してきても

大丈夫なような・・・・(ンな分けないか?!)


二日続けて

頑張ってる女性たちの成果を見て

わたしもやれることをやろう、と

思ったのでした。