パリのピアノ工房のシルヴィーさんも、
シルヴィーさんのところで10年以上働いて今軽井沢に工房を構えた明子さんも
京都のマエストロお父さんも、今作られてるピアノを誉めない。
彼らがアンティークピアノを好んでいるのは単なる好みといえばそれまで。
でも、私もアンティークピアノに強い魅力を感じています。
数年前、パリの工房に伺ったとき
今のプレイエルピアノの工場を見に行ったけど、全然魅力的じゃなかったと
話していたし、一緒にプレイエルのショールームを見に行った後も
イマイチな表情だった。
私も新しいものよりシルヴィーさんの工房の戦前のピアノの方に魅力を感じてしまった。
私はわけもわからずそう感じていたのだけど
シルヴィーさんやマエストロお父さんは
修復をしながら、木材のよさ、その時代の人の仕事のよさをみてきている。
戦前と戦後のピアノづくりでは
あのスタンウェイですら戦後のものは、素材といい技術といい
いろいろ変化があり、やはり戦前のピアノのものづくりのすばらしさを
いろんなポイントをあげてみせてくれた。
それは時間を経てみえてくるところ。
ネジのよさ、ばねのよさ、木材のよさ・・・
響板の木目をどう使うか一台ずつ丁寧に考えられていて、
修復は作り手の意図を汲み取る仕事。
修復されるときにはじめて、最初のものづくりのよさがわかる。
だから、コスト管理で素材をおとしたり、
考えるべき細かいところを考えてなければ、それは修復段階で
あきらかにどこに手をぬいたかわかる。
残念なことに全てにおいて、戦前のピアノに軍配があがるようだ。
それで、戦前のピアノが一番ピアノづくりにおいていい仕事をしている・・・
という結論が私がとらえた認識。
ところが、そのおとうさんが珍しく新しいピアノメーカーを・・・誉めた!
「あんたは音楽のことがわかってない!」というお父さんは
私にいろんなビデオやCDを紹介してくれる・・・
そのなかで、見慣れないブランドのコンサートホールのピアノがあり
すごくなんだかいい感じがして
「おとうさん、このピアノっていいの?」ときいてみた・・・
ファツィオーリ
イタリアのピアノメーカーでなんと最近設立されたメーカーなのだ!
20年にも満たない。
とてもワクワクする・・・
思わずホームページをチェックすると、
「パリ左岸のピアノ工房」でも紹介されており、
そのくだりを紹介していた。
- パリ左岸のピアノ工房 (新潮クレスト・ブックス)/新潮社

- ¥2,160
- Amazon.co.jp
あらゆる種類のピアノを調べ、演奏し、音響的特性を分析し、解体して、
それぞれのメーカーの考え方について議論した。
「わたしたちの出発点はけっして真似をしないということでした。
すでにある技術を利用し、それに新しいものを付け加えて、よりよいものにすることを目指したんです。
他人がすでに作っているものをコピーしても何にもなりませんからね」
家具工房だったファツィオーリが、あらゆる現在の学問や知識を駆使して
すばらしいピアノをつくっている・・・
http://fazioli.co.jp/manufacture/book.html
スタンウェイも初代は木こり。森の中から楽器になる木をみきわめることができたという。
そして、ピアノづくりをキッチンでしたのがスタンウェイの創設者。
すごくスピリチュアルな話だと思う。日本の宮大工が神社をたてるときの木を選ぶ以上の
みたてがあると思う。
西洋人はやっぱり・・・すごいよ!
西洋文化を取り入れ、さるまねして、商売のため大量生産した日本企業とはスタンス違いすぎる。
だけど、それで日本はケイザイ発展したから、さらに韓国や他のアジアが日本製品をさるまねして
日本においつけおいこせでいろんな製品つくってるのが今の世界なんだな・・・
だからマエストロおとうさんは、昨今の中国がつくる電化製品の粗悪さなどをとりあげる番組を見ながら
「日本も同じことしてきたやんか」と言う。
私もそう思う。ものづくりは時代に翻弄される。
そして現場をしり、実際のものをさわりつくっている技術者にたいして
西洋とアジアではあまりにも地位が低いというか・・・リスペクトがなさすぎると思う。
発光ダイオードを発明した人・・・そりゃ海外行くよ・・・みたいな・・・。
消費者は鋭い審美眼をもたなければ・・・と思う。とても難しいことだけど・・・
マスコミや商売人の仕込んだ
バカの一つ覚えではダメだ。
おっと・・・めちゃ説教臭く、えらそうだ・・・わたし。ごめん・・・あつくなってしまった。
とにかく今日はこのファツィオーリというピアノにとてもドキドキしている。
滋賀のホールがこのファツィオーリを置いていて
日本人はスタンウェイとベーゼンしか認識がないなか
すばらしいピアノに触れてほしいと、時間貸しで触れる機会も設けているという。
マエストロおとうさんの説明つきで見に行きたい・・・・