20センチュリーウーマン

 

見にいってきましたはーい

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これもお誕生日によりちゃんからもらったもの。

ありがとうハート

 

 

丸の内ピカデリーのシアター3で。

シアター3は初めてだったけど、めちゃくちゃ綺麗でなのに激すきで(大丈夫なのか)

とんでもなく快適でした。

 

隣はおろか、同じ列に誰もいない

前後の列にも一人二人しかいない。

シートもゆったり柔らか。

あぁ、なんて最高なんだろう。

 

ソフトクリーム食べながら見ても、隣の人気にしないでいいんだぜ?

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名画座だと気難しい人もいるから、何かを食べるのけっこー気を使う。

食べてもいいのに気を使う。

 

 

 

肝心の映画はというと

ふわーっとしたユートピアみたいな映画でした。

 

母と息子の愛や絆がテーマらしいんだけど、

どの登場人物にも生活感はあまり感じられなくて

情緒が強調されている感じ。

 

1970年代で、

タバコは寛容に考えられていて、エイズもまだ全然問題視されてなくて、ゲームもほとんどなくて、

戦争問題も、政治問題も、今とは全然違う。

ケータイだってもちろんない。

電話からはながーいコードが。

 

 

 

母ドロシアと息子ジェイミー

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親子の家の部屋を曲がりしているカメラマンのアビー

瞑想や陶芸を趣味とるすおじさん(本業は自動車技師)ウィリアム

息子の幼馴染で家族のように家に馴染んでいるジュリー

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それぞれ葛藤しながら、模索していた。

無気力に生きてる人はいなくて、皆それぞれ生きていた。

 

ドロシアは思春期を迎えたジェイミーの考えている事が分からなくなり、

自分一人で育てる事に不安を感じる。

そしてジェイミーの身近にいて、彼が慕っているアビーとジュリーにジェイミーの相談に乗ったり刺激を与えたりして

彼の成長を手伝ってほしいと持ちかける。


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人は一人では育たない。

両親だけの力でも育たない。

本人や両親が望むにしろ望まないにしろ、周りの人の影響を受けて育つと思う。

 

だから別にドロシアが相談しなくても、ジェイミーは自然とアビーやジュリーと関わって影響を受けながら与えながら成長していったと思うんだけど

ドロシアはそれを形にして持ちかけたもんだから、

ジェイミーはなんで僕の事を僕に相談なく勝手に投げるのってなる。

 

まぁでもアビーもジュリーも多少過激だったり早熟だったりな所はあるにしろ、基本善人だから

ジェイミーは葛藤しながらも色んな事を吸収していく。

 

 

もしもほんとにこんな風に育つ少年がいたとしたら、

かなり複雑で面白い感性を持つ人に育つんだろうなーって思った。

 

この映画の中では女性陣がとても鮮やか。

男性はウィリアムだって十分何か役割を得られそうな立ち居地なのにイマイチ存在感がない。

(俳優さんの問題じゃなくて、役が)

それがまた面白かった。

 

私が印象的だったのは3つ。

毎晩部屋にやってきては一緒に寝るジュリー、やりたい気満々のジェイミー

でもセックスしたら友情は終わり、私は今のままの関係がいいって断固としてジュリーはセックスさせない。それを受け入れて毎晩一緒に眠るジェイミー。

そんな二人に対してアビーが

「セックスさせる気ない女の子を隣に寝かしちゃダメ。どんどん自信がなくなるよ」

っていう場面。


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最後のそれぞれの数年後を語るモノローグで、

あんなに濃密に青春の日々を一緒に過ごしていたジュリーが、NY大学に行く事で

ジェイミー親子とは疎遠になる

と語っていた事。

もうこんなの「青春あるある」なんだけど、あの濃密さを見た後にそう言われる事で

青春時代のカタルシスが胸にせまった。

時間も距離も心も離れて、自分の全てだったはずのものが、そうじゃなかったと、

世界はもっともっと広く広がっているんだと知る事で

得る事と失うもの。

失ったものはいつまでも心の中で美化され続ける。

だから青春は甘酸っぱいのかもしれない。

 

 

そして突然友達とLAまで車でパンクのライブに出かけたジェイミーを待っているドロシア。

部屋の中で何本もタバコを吸っては消ししながら、

眠れない長い長い時間を過ごす。

そして帰って来たら、あーだこーだ色々言いたい事を押し込めて

なんでもないように「次からはライブに行くなら連絡して。

そしたら夕ご飯を作らないから」

なんて言う。

この母の葛藤。

私は子供がいないけど、もう10代の頃親が私に対してどれだけ心配をしてくれて、

それをどれだけ自分が分かっていなかったかという事が分かるから

ドロシアの気持ちになってみてしまって辛かった。

 

辛いというか、切ないというか。

やるせないよね、母親って、って。

 

親の心子知らず、

でも子の気持ちもきっと親は親という立場になった時点で分からなくなるよね。

だって親だもん。

 

 

俳優陣が皆よかった!

 

アビー役のグレタ・ガーウィグは「フランシス・ハ」も「マギーズプラン」もどっちもよくって。

その二つの印象が強いから、近作は知ってて見なかったら

多分気づかなかったと思う。

そのくらい違う印象だった。

あれに似てた「Lの世界」のシェーン:キャサリン・メーニッヒ。

あと、クリスティン・スチュワート。

 

すごく繊細な感じがよかったです。

でも個人的には「フランシス・ハ」の時みたいな愛嬌があって純粋で馬鹿がつくほどまっすぐなあの感じが好きだったなー

あんな感じの人を他に知らないから。

 

 

あとエル・ファニング

すっかりお姉ちゃんを超えちゃった感がすごい。

かわいいし、透明感もあって、どこか特別なんだけど

「どこか」って所が絶妙な気がする。

どこにでも溶け込めるけど、いつの間にか誰もが目を奪われているような。

これからも色んな作品に出て欲しいなぁ。