◆JERA セ・リーグ DeNA2―3巨人(25日・ハードオフ新潟)

 

 巨人・阿部慎之助監督(45)が25日、坂本勇人内野手(35)の出場選手登録を抹消することを明言した。2戦連続欠場となったDeNA戦後に、坂本に直接伝えた指揮官は「一回リフレッシュさせるので、身も心も。本当は最短10日で戻ってきてほしいんだけど、自分の体だったり、心を見直す。技術もそうだし、そういう時間にあててくれと言いました」。故障や体調不良以外の2軍による再調整は、ルーキーだった2007年以来、17年ぶりとなる。

 坂本は三塁のレギュラーとして、今季61試合に出場。だが、打率2割3分4厘、4本塁打、18打点と本調子からは程遠く、21日からのリーグ戦再開後は7打数無安打4三振だった。ここ2試合はベンチスタートで、ともに出場がなかった。

 阿部監督は5月に攻守で精彩を欠いていた大城卓を、リフレッシュさせるために抹消。ファームで調整する時間を与え、打撃が復調した同31日に再昇格させた。「大城卓と一緒ね」と言うように、4年ぶりのリーグ優勝に向け、大黒柱の復調は必要不可欠だからこそ決断した。

 試合後、坂本は「リフレッシュとか言っている場合じゃない。しっかりね、ちゃんと良くなるようにしたい」と復活を誓った。「勝負の8月、9月に(勇人が)いなきゃ終わるので。そのために本人と話し合った結果。決してネガティブにこちら側はとらえてないです」と指揮官。背番号6の復活を誰よりも待っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロ野球セ・リーグは25日、各地で3試合が行われました。

首位広島は6回に相手のエラーで先制すると、會澤翼選手のタイムリーヒットで2点を追加して勝利。対するヤクルトは広島先発の森下暢仁投手を攻略できず、2安打無得点で敗戦しました。森下投手は91球で完封勝利と、100球未満で完封勝利する「マダックス」を達成しただけでなく、打撃では3安打と“二刀流”の活躍を見せました。

2位阪神と5位中日の試合は、才木浩人投手と小笠原慎之介投手の投手戦になりました。0-0で迎えた8回、2アウトから中日が田中幹也選手の三塁打でチャンスをつくると、板山祐太郎選手のタイムリーヒットで1点を先制。これが決勝点となり、中日が1-0で接戦を制しました。

4位の巨人は同点の7回、先発・山崎伊織投手のタイムリーツーベースヒットで勝ち越しに成功します。9回には長野久義選手が、通算1500安打となる適時打でリードを広げて勝利。投げては山崎投手が8回106球、被安打2、1失点の好投で今季6勝、地方球場では4勝目を挙げました。DeNAは9回にオースティン選手のタイムリーで1点差に詰め寄りましたが、あと1本が出ず敗戦しました。

この日の結果で、4位の巨人が阪神に並ぶ2位タイに浮上。なお首位広島と2位とのゲーム差は3に開いています。また、中日と5位タイで並んでいたヤクルトが、単独最下位に沈んでいます。

【25日のセ・リーグ結果】

◆広島3-0ヤクルト

勝利投手【広島】森下暢仁(6勝3敗)

敗戦投手【ヤクルト】高橋奎二(2勝4敗)

◆中日1-0阪神

勝利投手【中日】小笠原慎之介(3勝6敗)

敗戦投手【阪神】才木浩人(8勝2敗)

セーブ【中日】マルティネス(2敗23S)

◆巨人3-2DeNA

勝利投手【巨人】山崎伊織(6勝1敗)

敗戦投手【DeNA】中川虎大(1勝1敗)

セーブ【巨人】バルドナード(1勝2敗9S)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MLBは日本時間25日、オールスターゲームのファン投票の第2回の中間結果を発表しました。

ア・リーグでは第1回と同様、ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手が全体トップの237万5199票で外野部門1位。

また前回はブルージェイズのウラジーミル・ゲレロJr.選手がファースト部門で1位でしたが、第2回発表ではオリオールズのライアン・マウントキャッスル選手が約6万票上回り1位になっています。

▽ア・リーグ ファン投票第2回発表

■キャッチャー

1位:アドリー・ラッチマン(オリオールズ) 1,638,425票

■ファースト

1位:ライアン・マウントキャッスル(オリオールズ) 1,400,373票

■セカンド

1位:ホセ・アルトゥーベ(アストロズ) 1,233,299票

■サード

1位:ホセ・ラミレス(ガーディアンズ) 1,426,755票

■ショート

1位:ガナー・ヘンダーソン(オリオールズ) 1,551,124票

■DH

1位:ヨーダン・アルバレス(アストロズ) 963,519票

■外野手

1位:アーロン・ジャッジ(ヤンキース) 2,375,199票

2位:フアン・ソト(ヤンキース) 2,136,383票

3位:カイル・タッカー(アストロズ) 1,002,803票

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MLBは日本時間25日、オールスターゲームのファン投票の第2回の中間結果を発表しました。

ドジャースの大谷翔平選手は、第1回中間発表に続き、ナ・リーグの指名打者部門で1位にランクイン。票数は177万3404票で、2位のブレーブス・オズナ選手の94万851票と約83万票の差をつけてトップにつけています。

第1回中間発表以降、ナ・リーグ二塁手部門の1位はパドレスのアラエス選手からダイヤモンドバックスのマルテ選手へと入れ替え。外野手部門は、パドレスのタティスJr.選手を抑え、ドジャースのヘルナンデス選手が3位に浮上しました。

ファン投票は一次投票で各ポジション上位2位まで、外野手は6位までの選手が決選投票に進出。最終的には各ポジション1位、外野手は上位2位もしくは3人がオールスター・ゲームへの出場権を得ます。

▽ナ・リーグ ファン投票第2回発表

■ファースト

1位:ブライス・ハーパー(フィリーズ)2,037,523票

■セカンド

1位:ケテル・マルテ(ダイヤモンドバックス)1,183,331票

■サード

1位:アレック・ボーム(フィリーズ)1,960,231票

■ショート

1位:ムーキー・ベッツ(ドジャース)1,680,658票

■外野手

1位:ジュリクソン・プロファー(パドレス)1,646,276票

2位:クリスチャン・イェリッチ(ブリュワーズ)1,506,639票

3位:テオスカー・ヘルナンデス(ドジャース)1,413,877票

■キャッチャー

1位 ウィリアム・コントレラス(ブリュワーズ)1,473,348票

■DH

1位 大谷翔平(ドジャース)1,773,404票

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロ野球パ・リーグは25日、各地で3試合が行われました。

首位のソフトバンクは有原航平投手が6回まで無安打の快投。打線も躍動し11安打7得点で快勝しました。オリックスは、7回に4連続安打の猛攻見せるも、終盤にリリーフ陣がつかまりました。

ロッテは中村奨吾選手が節目の1000安打を達成するなど3打点の活躍。チームは15安打10得点で楽天に快勝。2位へ浮上しました。

西武は初回に岸潤一郎選手のタイムリーヒットで1点を先制。5人の投手でこの1点を守り、日本ハム打線を完封リレー。渡邉勇太朗投手が今季初白星を手にしています。またチームは5月3日以来、14カードぶりにカード頭を勝利で飾りました。

【25日のパ・リーグ結果】

◆ソフトバンク 7-2 オリックス

勝利投手【ソフトバンク】有原航平(7勝3敗)

敗戦投手【オリックス】曽谷龍平(4勝3敗)

◆ロッテ 10-2 楽天

勝利投手【ロッテ】西野勇士(5勝5敗)

敗戦投手【楽天】内星龍(3勝5敗)

本塁打【ロッテ】角中勝也2号

◆西武 1-0 日本ハム

勝利投手【西武】渡邉勇太朗(1勝2敗)

敗戦投手【日本ハム】金村尚真(1勝4敗)

セーブ【西武】アブレイユ(1勝4敗13S)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6月25日、J2の横浜FCからJFLのアトレチコ鈴鹿クラブへの期限付き移籍が発表された三浦知良が、国立競技場で記者会見を実施した。契約期間は来月7月1日から2025年1月31日までとなっている。

また、現役時代には京都パープルサンガ(現:京都サンガF.C.)やヴィッセル神戸でカズと共にプレーしたパク・カンジョの新監督就任も発表され、会見に同席した。

パク・カンジョ監督は「カズさんという大尊敬している選手が加わるというのも、監督就任の決め手の一つになりました」と述べ、以下のように意気込みを語った。

「監督としてはまず、チームが勝つことが大事だと思っています。ただ、私はカズさんが活きることによって、勝てるとも考えています。なので、チームもカズさんも活きるという場面を作り出せるように頑張っていきたいです」


そして、カズの起用法については「まずはカズさんや他の選手のコンディションを見させてもらって、どのような形で使っていくか決めたいと思っています」としながらも、現段階でのプランを明かした。

「基本的には最前線の位置を考えています。もちろん試合の展開によっては少し下がって、ゲームを落ち着かせてほしいというのもあります。ただ、優先順位が高いのは頂点のポジションですね」

再共演する二人は、チームに勝利をもたらせるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆パ・リーグ オリックス2―7ソフトバンク(25日・京セラドーム大阪)

 オリックスが26日にも自力優勝の可能性が消滅する危機に立たされた。「投手の守備がまともだったら、もっともっと競った試合になっていたと思う」。結果として痛かったのが先発・曽谷のミス。中嶋監督は6回のシーンに目を向けた。

 無死一塁で今宮が投前へバント。一塁送球は大きくそれ、右翼・森のカバーも間に合わないほど。周東に続き、今宮の生還まで許す「2ラン悪送球」で流れを失った。5回まで1失点で粘っていた2年目左腕は「もう自分のミス。凡ミスです」と責任をかぶった。

 球団史上最大差の逆転優勝を果たした22年の11・5差は既に超えてしまっているが、この日ついに、デッドラインに並んだ。首位ソフトバンクとの直接対決に敗れ、その差は、プロ野球史上最大ゲーム差の逆転Vを果たした西鉄(1963年)の14・5差と同じ。リーグ4連覇を目指すチームが“危険水域”に足を踏み入れた。

 数字上の後退は許されなくなったが、中嶋監督は「プラスに考えるしかない」と太田、西川、紅林、森の4連打で有原から2点を奪った7回の攻撃を収穫とした。せめてもの救いは、3位・日本ハムとは3・5差と射程圏であること。このまま沈むのは寂しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ロッテ10-2楽天」(25日、ZOZOマリンスタジアム)

 楽天投手陣が15安打を浴び、今季4度目の2桁失点で大敗。借金生活に逆戻りした。今江敏晃監督は「今日は終始、向こうのリズムだった」と振り返った。

 先発の内が6回5失点と誤算。打線は鈴木大の2打席連続適時打で反撃したが5安打で2点しか奪えず。指揮官は「しっかり向こうに抑えられて、なかなか流れがこなかった」と話した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「オリックス2-7ソフトバンク」(25日、京セラドーム大阪)

 リーグ4連覇に黄色信号だ。オリックスが首位・ソフトバンクに敗れ、ゲーム差は14.5に。オリックスは26日に敗れると、自力優勝が消滅する。

 有原に七回1死まで無安打に抑えられたが、太田のチーム初安打となる右前打をきっかけに、紅林、森の連続適時打で一時1点差に詰め寄った。一度もリードすることはできなかったが、中嶋聡監督は「ワンチャンスが来た時に一気に行けることはプラスに考えるしかない」と、追い上げを見せた終盤の攻撃に光を見いだした。

 六回は曽谷、八回は本田と投手の守備のミスが失点につながった。指揮官も「もしかしたら投手の守備がまともでしたら、もっと競った試合になっていると思う」。優勝の可能性をつなぐためにも、26日は勝つしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

米大リーグ、ドジャースの大谷翔平が25日、シカゴでのホワイトソックス戦の一回に2試合ぶりの24号ソロを放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロシアの侵攻を受けるウクライナの選手団がパリ五輪で着用する公式スポーツウエアが25日、同国の首都キーウで発表された。黄色を基調とし、穀物の穂が青色で描かれたウエアなどを五輪代表選手が着用し、披露された

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全体の半数近い割合のチームが、交流戦とシーズンの“2冠”を達成

楽天が、球団創設20年目にして初の交流戦優勝を果たした。パ・リーグでは過去にロッテ、日本ハム、ソフトバンク、オリックスが優勝しており、5球団目の王者が誕生したことになる。では、交流戦で優勝した球団が最終的にレギュラーシーズンで残した成績は、いったいどのようなものだったのだろうか。

2023年までにパ・リーグの球団が優勝した回数は13度。そのうち半数近くの6チームが同年にリーグ優勝を果たしている。また、交流戦優勝を果たした年にAクラスに入ったケースは実に9度と、リーグ戦でも好成績を収めた例が多い。

とりわけ、2011年以降における7つの優勝チームのうち6チームが1位か2位と、近年に入ってからはより成功例が多くなっている。その大半が黄金期を迎えていたソフトバンクだったという点は勘案する必要がありそうだが、2021年のオリックスも同様の傾向を見せ、見事にリーグ優勝を飾っている点は興味深い。

パ・リーグで交流戦優勝を果たした経験を持つのは、ロッテ、日本ハム、ソフトバンク、オリックス。そして、この4球団はいずれも、交流戦で優勝した年にリーグ優勝を果たす“シーズン2冠”を達成している点も特筆すべきだ。

長年苦しんでいたチームを、タイトルが大いに勢いづけた例も複数存在

さらに、2005年のロッテは31年ぶり、2021年のオリックスは25年ぶりと、交流戦での好成績が久々のリーグ優勝につながった例も存在する。こうした成功例は、長きにわたって優勝から遠ざかっていた球団にとっては、交流戦の結果が大いにチームを勢いづけることもあるという事実を示すものでもあるだろう。

また、交流戦の試合数が現在よりも多かった2014年以前は、レギュラーシーズンに及ぼす影響が今以上に大きかったと考えるのが自然だろう。しかし、2015年以降の交流戦優勝チームも全て1位か2位に入っているという事実は、試合数が減った現在においても、大きな影響を与えていることの証左となっている。

パ・リーグの球団としては3年ぶりの優勝を飾った楽天も、残るシーズンでさらなる躍進を遂げる可能性は大いにありそうだ。若き指揮官が率いるチームが、球団史上初となる交流戦のタイトルを得たことによってさらなる成長を見せるか。レギュラーシーズン再開後の戦いぶりには、要注目となることだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

米大リーグで大谷翔平や山本由伸の所属するドジャースは25日、ソニーグループとホンダの共同出資会社ソニー・ホンダモビリティ(東京)の電気自動車(EV)ブランド「AFEELA(アフィーラ)」とパートナーシップ契約を結んだと発表した。

 今季中にドジャースタジアムで試作車がお披露目される予定。スポーツイベントでの新車発表は世界初だという。

 ドジャースは今年に入り、多数の日本企業と提携を進めている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

激しすぎるプレーにズボンがピンチ「どんどん破れてきたので…」

今季からプロ野球の2軍イースタン・リーグに参加したオイシックスに、躍動感あふれるプレーでファンやNPBのスカウトにアピールしている選手がいる。24歳の知念大成外野手はチームトップ、リーグ3位の打率.286を残し、攻守でチームの核となっている。昨季までプレーした社会人野球の沖縄電力を退社し、プロ入りに懸けてオイシックスへ。周囲が猛反対したという決断の裏側を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部 羽鳥慶太)

ワイルドすぎるアピールは、NPB球団に届くか。知念のユニホームの着こなしは独特だ。上衣は半袖をまくり上げ、パンツは膝上までしか見せずハーフパンツのようになっている。シーズンが始まってしばらくは、普通のロングパンツだった。それが「どんどん破れてきたので、切っちゃいました」。日焼けした顔に、白い歯がまぶしい。

沖縄尚学高時代は150キロ近いボールを投げる剛腕サウスポーとして知られた。甲子園出場こそ果たせなかったものの、社会人野球の沖縄電力に進むと外野手に転向し、昨季まで5年間プレーした。地元の超安定企業を飛び出て、初の2軍球団に身を投じたのはなぜなのか。

「どうしてもプロに行きたいんです。育成でも、ドラフト30位でもいいって言ったんですが……」

社会人野球、特に企業のチームに属する選手が、育成ドラフトで指名されることは事実上ない。育成選手という制度が、選手が学生生活を終えても野球を続けられる環境の拡大を目的として始まったため、社会人野球と選手の“奪い合い”は避けている。

そのため近年、安定した大企業のチームから、プロ入りへの勝負とばかりに独立リーグへ進む選手が増えている。知念もそのケースだった。「どこかの球団で勝負をかけたいと。会社にも迷惑をかけたと思いますけど、自分の夢を優先させてもらいました」。地元では超安定企業の職にも、未練はなかった。

 


 

 

橋上監督が認める外野守備「理想的な走り方をしている」

最終的には会社も「ドラフトされるのを楽しみにしているからな」と送り出してくれた。ただ周りは「家族も含めて、10人いたら10人反対という感じでしたね…」。2つ上の兄、大河さんだけが「一度きりの人生だから、勝負したほうがいい」と後押ししてくれた。

50メートルを走れば5秒8、打球速度は最速176キロ。投手時代には最速150キロを誇った身体能力の塊だ。橋上秀樹監督は能力の高さを認めたうえで「今は走塁にしてもイチかバチかになってしまう、いい時はいいけど、悪い時はその反対。それだとNPBでは使うのが難しい選手になってしまう」と次の課題を突きつける。知念も「監督からは『考えて取り組め』と口酸っぱく言われています」とレベルアップにいそしむ日々だ。

外野守備では「捕れるボールは全部取るつもりでやっています、景色もいいし」と、猟犬のように右中間、左中間の打球をどこまでも追う。指揮官も「見えないファインプレーも多いんですよ。外野手としては理想的な走り方をしていますし」と高く評価する部分だ。走る時に体の上下動がなく、目線がぶれない。「忍者みたいな走りだよね」と、NPB入りへの大きな武器になると見ている。

挑む世界の、怖さを感じるできごとがあった。3月に日本ハムの本拠地エスコンフィールドで行われた教育リーグで、衝撃を受けた。オリックスからFA移籍した山崎福也投手の前に、バットを折られ遊ゴロ。「最初にあれを見られたのは良かったです。レベルが違う球でした。ボールを操っていたというか……。そこを打っていかないと」。

残してきた数字は、NPBの2軍でなら十分通用することを示している。ただ見なければならないのはその先だ。残り3か月ほどのシーズンで、どこまで進化できるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ 追い上げムード一変も高木氏は「フランコへの期待の方が大きかったのでは」と反論

 日本ハムに快勝し勢いに乗る楽天は25日、ロッテと対戦し2-10の大敗を喫した。楽天は先発・内星龍が初回2失点、3回3失点と苦しみ、6回5失点で降板。その後4回と6回に鈴木大地の適時打で2点を返すも、2番手でマウンドに上がった弓削隼人が打者9人に5安打5失点の猛攻を浴びた。チームも連勝とはならなかった。

 6回に一死一・三塁から鈴木が適時内野安打を放ち、3点差でなおも一死一・二塁と追加点が欲しい場面。しかし渡邊佳明・フランコが凡退し、好機を逸してしまった。この攻撃内容に、25日放送のフジテレビONE『プロ野球ニュース2024』では疑問の声が上がった。

 笘篠賢治氏は「フランコの打席の前に、相手投手が西野勇士から横山陸人に代わった。フランコには一発に賭ける思いやプライドもあっただろうが、昨季3打数3三振で横山と相性が悪い」と指摘。「外国人選手の使い方・代え方は難しい所がある」としたうえで「右の代打・阿部寿樹と左の代打・茂木栄五郎が残っていた。新人監督の今江監督を始め、首脳陣がすごく考えたと思う。いろんなことを含めて考えた結果使った以上しょうがないが、フランコにとって圧倒的に分が悪く完全に苦にしている投手なので、コミュニケーションやケアをしながら代える勇気も、勝っていく中で必要だ」と力説した。

 高木豊氏は「フランコは前のカードで満塁本塁打も打ったし、詰まっても右前に落とすなど結構当たっていた。だからフランコへの期待の方が大きかったのでは」と反論。「今江監督は結構非情な所もあるので、多分外国人選手の交代は迷っていないと思う。大丈夫」と采配を支持する姿勢を示した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オプタ」が選出した

J1リーグは6月26日に行われる第20節から後半戦がスタートする。前半戦はFC町田ゼルビアが史上初の昇格初年度での首位ターンし、2位に鹿島アントラーズ、3位にガンバ大阪が続く。そのなかで、データ分析「オプタ」は前半戦のベストイレブンを選出した。

まず守護神にはG大阪の一森純。圧倒的な存在感で、ここまでわずか14失点というJ1最少失点のチームを支えている。最終ラインにはそのG大阪に今季加入したDF中谷進之介と名古屋グランパスのDF三國ケネディエブスがセンターバックのコンビを組む。両サイドバックはヴィッセル神戸から。右はDF酒井高徳、左は初瀬亮とサイド攻撃の要となる2人が攻守の貢献を評価されベストイレブン入りを果たした。

中盤は中谷同様、G大阪に今季から入ったMF鈴木徳真。鈴木がフル出場を続けてからチームはここまで8試合負けなし(7勝1分)と乗っている。ダブルボランチを組むのは浦和レッズのMFサミュエル・グスタフソン。新戦力の助っ人MFはスウェーデン代表として参加していた6月シリーズに左膝を負傷。直近ではベンチ外となっているが、ここまで主力として活躍を遂げている。

首位の町田からはU-23日本代表MF平河悠。ドリブル総数はリーグ2位の81回でチャンス演出に懸かる期待が大きい。さらに右サイドはアルビレックス新潟のMF秋山裕紀。プレー総数や1試合の平均プレー数でリーグ1位、パス総数、1試合平均パス数などで軒並みリーグ1位を記録している。

 


 

 

FWには横浜F・マリノスのアンデルソン・ロペス。ゴール期待値12.3でリーグ1位。シュート総数でもリーグ1位を記録しており、ゴール前で脅威となっている。そして最後は“完全復活”と言える宇佐美貴史。精度の高いプレースキックから細かいタッチでのドリブル、決定力まで兼ね備えており、昨季の大迫勇也のようにその活躍は著しい。好調のカギを握っているのが主将でエースの宇佐美だろう。

データをもとに首位の町田からは平河のみ、3位のG大阪から最多の4人が選出された。後半戦ではどのような陣容になるのか。熾烈な優勝争いに注目だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドローに終わった福岡戦の控室の雰囲気は「罠が待っている」

クラブ史上で初めて挑むJ1戦線を、FC町田ゼルビアは堂々の首位で折り返した。12勝3分4敗の勝ち点39は、2位の鹿島アントラーズと2ポイント差。総得点31は3番目に多く、総失点16は3番目に少ない。

攻守のバランスが良質なハーモニーを奏でている上に、連敗を一度も喫していない。6位のFC東京と10位の東京ヴェルディも連敗はゼロだが、負けた次の節で4戦全勝とすべて勝っているのは町田だけだ。

決して芳しいものではなかった開幕前の下馬評を、鮮やかに覆す快進撃を続ける秘訣はどこにあるのか。町田の強さを紐解く言葉のひとつに、実は意外な響きを伴うものがある。それは「悲劇感」となる。

前半戦で最後の一戦となった、6月22日のアビスパ福岡とのJ1リーグ第19節。両チームともに無得点で迎えた町田GIONスタジアムのロッカールームに、実は「悲劇感」が充満していた。発信源は黒田剛監督。直近の4試合で3度先発し、そのうち2度でフル出場とプレー時間を伸ばしているボランチの下田北斗が言う。

「悪くはないけど、でも良くもないというか。こういった試合展開のときこそ、罠が待っているというか。このまま自分たちが何も変えなければ失点を食らう、といった話を監督はしていました。しっかりと危機感をもって臨んだ後半は少し押し込まれる場面もあったので、そこは反省して次にパワーを出せるようにしたい」

高校サッカー界の強豪、青森山田から異例の転身を遂げて2シーズン目。指揮官が「悲劇感」を発信するのは試合中だけではない。練習やミーティングを含めた日常から、気がつけば伝えられていると下田は続ける。

「もちろんポジティブな声がけもしてくれますけど、ここで緩めたら落とし穴があるとか、そういったところで選手に隙を作らせないような声がけをしてくれるところが悲劇感だと思っている。勝った試合でも反省材料がある、まだまだ自分たちが徹底している部分を高めなくちゃいけないと、ミーティングでも提示される。慢心といったものはなかなか生まれないし、ちょっとした隙が見えればみんなで消し合うような雰囲気が生まれている」

選手たちも「悲劇感」を自分自身にも向けている。胸中に手応えと危機感を同居させている、と現状を振り返った下田は、その割合を聞かれると「まあ……半々ぐらいじゃないですかね」と苦笑いを浮かべた。

開幕直前に負った怪我で出遅れ、町田に移籍加入後で初めて先発するリーグ戦がサンフレッチェ広島との第6節までずれ込んだキャプテンのDF昌子源は、最終的にはスコアレスドローに終わった福岡戦を、チームとして4試合ぶりにマークした無失点にフォーカスしながらポジティブに受け止めた。

「そもそも個人的には結果を残している、とは思っていない。チームは首位にいますけど、周りのみんなに支えられたところも大きいし、その意味でも久々の無失点は大きかったんじゃないかな。無失点が町田の最終ラインに求められる責任でもあるので、これからもまずは無失点を意識して、その上で勝てるようにしていきたい」

ただ、勝って兜の緒を締めよ、を町田に関わる全員の合言葉としながら、一戦ごとに積み重ねてきた末に手繰り寄せた首位ターンを、昌子は「決して偶然ではなく、必然でこの位置にいる」と受け止めている。

「町田のコンセプトというものがあるなかで、それをしっかりと実践できた試合はやはり勝っているし、その積み重ねがチームの自信になってきたのは間違いない。逆に実践できなかったかな、と思い返すような試合はやはり負けているし、その意味でたとえ初挑戦のJ1でも、必然に導かれてこの位置にいると思いたいですよね」

昌子が言及した町田のコンセプトとは、大枠では失点と連敗を頑なに拒絶するメンタリティーとなる。さらに具体的には球際のインテンシティーで常に相手を上回る激しさであり、少ない手数で素早く敵陣に迫る攻撃であり、相手選手にシュートそのものを打たせず、あるいは自陣のゴール前に攻め込ませない守備となる。

福岡戦から中3日の26日に待つ後半戦の初戦は、コンセプトを徹底する上でまたとない相手となる。国立競技場が舞台だった4月の前半戦で1-2と敗れたヴィッセル神戸のホーム、ノエビアスタジアム神戸に乗り込む。

再び中3日でパナソニックスタジアム吹田に乗り込む、30日のガンバ大阪戦を含めて、昌子は「生半可な気持ちでは絶対に勝てない」と引き締める。折り返した順位で、連覇を目指す神戸は勝ち点6ポイント差の4位で、5連勝と波に乗るガンバは勝ち点2ポイント差で、得失点差で鹿島の後塵を拝する3位でともに町田を追っている。

昌子の古巣・鹿島とは最終節で対戦…後半戦で優勝争いの行方は

4月の神戸戦でベンチ入りするも、リザーブのまま敗戦を見届けた昌子が言う。

「後半戦はいきなり神戸とガンバで、前半戦でいえば神戸には負けていて、ガンバとは開幕戦で引き分けている。その前半戦で僕らが首位で折り返した勢いといったものは全く関係なく、もう一度新たな気持ちでしっかりと挑まないといけない。順位的にも2チームは優勝争いをしていく上で強力なライバルになるし、中3日で続くし、いずれもアウェーですけど、しっかりと勝てるように準備していきたい」

特に4月の神戸戦では、U-23日本代表に招集されたMF平河悠とFW藤尾翔太が不在で、守護神・谷晃生が出場停止だった。彼らが全員揃う一方で、DFチャン・ミンギュら筑波大学との天皇杯2回戦で負傷した4人、そして韓国代表での活動中に怪我をしたFWオ・セフンらの出場は微妙。いずれにしても総力戦になる。

さらに2巡目の戦いとなる後半戦は、これ以上は町田に首位を走らせてなるものかと、各チームのマークが厳しくなるだろうし、プロの意地にかけて何らかの対策も講じてくるだろう。昌子も気持ちを引き締める。

「もちろん町田が求めるサッカーを、なかなかやらせてくれない試合もある。それでも最低で勝ち点1を、優勝争いを続けるのであれば勝ち点3を取れるようなチームにしていかないといけない。順位表のトップ5に限らず、上位につけているチームは、そういう試合でも勝ち点3をもってこられるチームばかりなので」

後半戦の試合日程を追っていくと、昌子にとって、運命に導かれたようなカードが12月8日の最終節に待っている。現時点で2位につける古巣・鹿島アントラーズと、敵地・県立カシマサッカースタジアムで対峙する。

「そこはまだ考えたくないというか、もう少し近くなったときに、順位がどうなっているのかもあるので」

鹿島との優勝争いを問う質問を、やんわりとかわした昌子は一方でこんな言葉を紡いでいる。

「1つだけ言えるのは、やはり(優勝争いから)離脱したくはないですよね。同じ相手に2度勝てるほど後半戦は甘い世界ではないし、もしかしたら初めて連敗を喫するかもしれないし、簡単にはいかないとわかってはいるけれども、それでも2位になろうが3位になろうが、最終節まで優勝争いを続けていきたい」

ホームに鹿島を迎えた3月の第3節では、平河のゴールを守り抜いた町田が1-0で勝利するも、初めてベンチ入りした昌子に出番は訪れなかった。果たして昌子を、そして町田をどのようなドラマが待っているのか。J2から昇格して即優勝したのは2011シーズンの柏レイソルだけ。初めてJ1に昇格したチームの即優勝となると、当然ながら前例がない。首位ターンした町田が「悲劇感」を共有しながら、残り19試合で歴史的な偉業に挑む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇プロ野球セ・リーグ 広島 3-0 ヤクルト(25日、マツダスタジアム)

広島の森下暢仁投手が100球未満で完封勝利をする“マダックス”を達成。打っては3安打の活躍をみせました。

森下投手は6回に初めて得点圏に進められますが、本塁は踏ませず。直後の攻撃では、森下投手をリードする會澤翼選手が2点タイムリーヒットを放つなど、3点を奪います。

「ここで追加点ほしいなっていう場面で打ってくれたので完封狙うぞっていう気持ちになりました」とその後、右腕の勢いは加速。7回以降は三者凡退で9回91球で2安打、4奪三振、無四球、無失点の快投。お立ち台では「いいスタートが切れたらいいなと思ってマウンドに上がったのでホッとしています」と笑顔をみせました。

またこの試合で“打者・森下暢仁”も躍動。3打数3安打の猛打賞を記録し、今季21打数9安打で打率.429をマーク。これには「昨日、床田寛樹さんと連絡取り合ったんですけれど、『1本ヒットを打っていいよ』って言われたので打てて良かったです」と答えスタンドから笑いが起こりました。

ともにお立ち台に上がった會澤翼選手も「僕も床田に電話して『1本打っていいよ』って言われたので打ちました」と後輩の笑いをネタにスタンドをさらに笑いの渦に包みました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

防衛省は26日、北朝鮮が同日午前5時28分ごろ、内陸部から少なくとも1発の弾道ミサイルを東方向に向けて発射したと発表した。最高高度約100キロ程度で約200キロ以上飛翔(ひしょう)し、朝鮮半島東の日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したと推定される。航空機や船舶などへの被害情報は確認されていない。

日本政府は、弾道ミサイル発射は国連安全保障理事会決議に違反し、国民の安全に関わる重大な問題などとして、北朝鮮に対し厳重に抗議し、強く非難した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

EU=ヨーロッパ連合は、ロシアの侵攻を受けるウクライナと正式に加盟交渉を始めました。

EUは25日、ルクセンブルクでウクライナとの加盟交渉の最初の会合を開きました。

加盟交渉はEUが承認した手続きの枠組みのもとに進められ、司法改革や汚職撲滅などについて、EUの基準に達したと判断されるまで交渉が続けられます。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、「歴史的な瞬間だ。我々はここまでたどり着くのに懸命の努力をしてきた」とコメントしています。

ウクライナは2022年2月のロシアによる侵攻開始直後に加盟を申請し、異例の速さで「加盟候補国」になりましたが、ロシアとの戦闘終結が見通せないなか、加盟交渉の長期化は避けられないとみられます。

EUはまた、ウクライナの隣国モルドバとの加盟交渉も25日に始めました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クロアチア代表がEURO2024のグループステージで姿を消す。25日の試合結果を踏まえ、正式に確定した。

 EURO2024・グループCとDの第3節が現地時間25日に行われ、両グループの最終順位が確定。グループCの最終節2試合はどちらもスコアレスドローで終わったが、デンマーク代表とスロベニア代表が勝ち点、当該チーム間の成績、得失点差、総得点、さらにはフェアプレーポイントまで並ぶ珍事に。最終的にはEURO2024予選の総合ランキングで上回ったデンマーク代表が2位、スロベニア代表が3位となった。

 

 グループDでは、最終節の結果を踏まえて順位に大きな変動が生まれた。オーストリア代表がオランダ代表を3-2で破り、フランス代表がポーランド代表と1-1で引き分けたことで、オーストリア代表が土壇場で首位浮上。フランス代表が2位、オランダ代表が3位となった。

 3位チームのうち4つは決勝トーナメントに進むことができるが、全グループの結果を待たずに、勝ち点「4」を持つオランダ代表の突破は決定。スロベニア代表は、グループAを3位で終えたハンガリー代表と勝ち点「3」で並んでいるが、得失点差で上回っているため、こちらも決勝トーナメント行きの切符を掴んだ。ハンガリー代表はグループE〜Fの3位チームの成績次第となる。

 一方で、勝ち点「2」の獲得にとどまり、グループBを3位で終えたクロアチア代表は、この時点で上位4チームに入る可能性が消滅。まだ2つのグループの最終結果は確定していないが、グループEの3位チームは勝ち点「3」以上となることが既に決まっているため、グループステージ敗退が正式に決定した。

 過去2大会のFIFAワールドカップでベスト4以上に入るなど、主要大会で結果を残してきたクロアチア代表は、今大会はスペイン代表、イタリア代表、アルバニア代表と同居する“死の組”に入った。初陣でスペイン代表に0-3と完敗を喫すると、続く第2節ではアルバニア代表相手に後半アディショナルタイムまでリードしながら、最後の最後に追いつかれて2-2のドロー。自力突破のために勝利がマストとなる最終節イタリア代表戦でも、MFルカ・モドリッチ(レアル・マドリード/スペイン)の得点で先制しながら、後半アディショナルタイムにFWマッティア・ザッカーニ(ラツィオ)に劇的同点ゴールを決められ、1-1でタイムアップ。この結果、決勝トーナメント進出は絶望的な状況となったが、他会場の結果次第ではわずかな希望も残されていた。

 だが、グループCとDの結果を踏まえ、この“わずかな希望”も叶わないことが決まった。直近2大会のEUROはいずれも決勝トーナメントに進出しており、2012年大会以来、3大会ぶりにグループステージで敗退することとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆米大リーグ ヤンキース―メッツ(25日・米ニューヨーク州ニューヨーク=シティフィールド))

 ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手が25日(日本時間26日)、メッツ戦の8回にガレットから2試合ぶりの29号満塁アーチを叩き込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1第19節の浦和×鹿島戦、ポゼッションの数値は前後半で同じも中味は激変

J1の第19節、前半戦を締めくくる埼玉スタジアムの一戦は、前後半で完全に主役が入れ替わった。

前半主導権を握ったのはアウェーの鹿島アントラーズだった。最終ラインを押し上げてコンパクトなゾーンを保ち、鈴木優磨を起点に次々に効果的な攻撃を繰り出す。それに対し浦和レッズは、ボール保持こそ6割を超えていたが、中央を攻略する術を持たず単調に外壁をなぞるようなパス回しに終始。結局、鈴木の2ゴールで鹿島がリードして折り返した。

Jリーグで指揮を執るのが鹿島で5チーム目になるランコ・ポポヴィッチ監督が語った。

「私も日本での指導歴が長いが、前半の出来はその中でもベストと言えるほど完璧だった」

それに対し4-3-3でスタートした浦和のペア・マティアス・ヘグモ監督は「45分間で改善が見られない」と判断し、後半は4-4-2に変更してスタートする。DFの要アレクサンダー・ショルツの故障は誤算だったが、概ね5人の交代選手たちの個性も活きて武田英寿の2ゴールで引き分けに持ち込んだ。

前半の浦和は、安居海渡をアンカー、伊藤敦樹と岩尾憲の2人をインサイドハーフと、本来ボランチの3人をMFで同時に起用。しかし「プレスが上手くいかず、ビルドアップにも苦しんだ」(ヘグモ監督)ため、フォーメーションとメンバーを変えながら反撃の糸口を探り「ボールを動かし、お互いにスペースを作り出し、ボールホルダーの前で活発な動きが見られるようになった」(同監督)と総括した。

前後半ともにポゼッションの数値はほぼ変わらないのに、ゲームの中味は激変だった。

端的に浦和が豊富な戦力を活用し、総合力で巻き返したと見ることもできる。実際に、チアゴ・サンタナ→ブライアン・リンセン、オラ・ソルバッケン→前田直輝、岩尾→武田、大久保智明→大畑歩夢というカードの切り方は、他チームではなかなか望むべくもない贅沢なものだ。

だが裏返せば前半戦最後の試合だというのに、この夜の鹿島戦でもスタメンで完全に後手に回ったように、依然として基盤を模索中という疑問も湧く。新監督の招聘は、戦力を洗い直し改めて競争を促すメリットはあったかもしれないが、致命的な出遅れを招いた可能性もある。

逆に鹿島は、優勝争いをするような戦力を保持しているようには見えなかったが、ポポヴィッチ監督は現有戦力を巧みに活用し2位で折り返すことに成功した。ただし「完璧だった前半」と後半の落差は著しく、浦和に支配され始めると流れを押し戻す術を持たず勝ち点1に止まった。

前後半で激変する試合も多い今季のJ1、鍵は交代枠やターンオーバーの有効活用

今年のJ1は、こうして前後半で主導権が入れ替わる試合が珍しくない。とりわけ顕著だったのがACL(AFCチャンピオンズリーグ)で決勝まで進んだ横浜F・マリノスで、スタメンが元気な間は盤石の強さを発揮するが、過密日程を考慮したハリー・キューエル監督が後半主力を代えると途端に脆さを露呈。それが現在の低迷につながっている。

一方、川崎フロンターレやFC東京なども、浦和に勝るとも劣らない戦力を保持しているように映るが、ピッチに立つメンバー次第でパフォーマンスが一変し安定感を欠く。

鹿島のポポヴィッチ監督が語った。

「私もスペイン、タイ、インドなど、さまざまな国で仕事をしてきたが、その中でも日本の夏の消耗は最も激しい。その中でもコンパクトさや強度を保つには、頭を使い効率的にプレーしていく必要がある」

しかし反面それは一朝一夕で克服可能な課題ではなく、やはり現実的にシーズンを通して安定的な成績を収める鍵になるのは、交代枠やターンオーバーの有効活用だろう。豊富な戦力、競争力を持つチームが方向性を探しあぐね、逆に横浜FMのように瞬発力のあるチームは持久力に不安を残す。こうした状況を鑑みれば、チーム全体にコンセプトが浸透し、不安なく次々に交代メンバーを送り込めるFC町田ゼルビアの首位折り返しが必然だったことが分かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


※一部勝手にコピペ&割愛いたしました🙇💦



※また、敬称を省略させていただきました🙇💦💦