短編小説『魔術』芥川龍之介 | pouのブログ〜気まぐれな風〜

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時雨の降る晩、 
主人公は人力車で
ある西洋館へと向かいます。 
そこは印度人マティラム·ミスラの家でした。

彼はカルカッタ生まれで、
ハッサン·カンという名高い 
婆羅門の秘法を学んだ
若い魔術師だったのです。

主人公が通された彼の部屋は
古ぼけた家具のある陰気な洋間で、
そこで魔術を目の当たりにしたのでした。

襤褸のテーブル掛けの模様そっくりの
生花をだしたり、
ランプが勝手に廻ったり。

主人公がそれはもう驚いていると、
彼は「魔術などあなたでも使えるのです」
というのです。

「ただ欲のある人間には使えません」
といわれた主人公ですが、

教わりたい一心で
「欲を捨てられる」と宣言し
念願の魔術を教わることになりました。

すると
マティラム·ミスラはお手伝いの
御婆さんにこういいました。

「御婆サン。御婆サン。今夜ハ御客様ガ
御泊リニナルカラ、寝床ノ仕度ヲシテ
置イテオクレ。」



それから1ヶ月魔術を学んだ主人公は、
ある晩友人らと談笑中に、
魔術を見せてくれと言われ披露します。

しかし話しは思わぬほうへ進んでいき
骨牌(かるた)勝負を始めるのです。


さあ、主人公はどんな結末を
みたのでしょうか。。。




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マティラム·ミスラ氏や
彼を取り巻く環境の
妖しく神秘的な様子が
上手く描かれていてよかったです。


人が欲を全く捨てるというのは
むずかしいことですね。


セリフがカタカナで書かれると
とたんに
その人物の神秘性が高まるように
感じるのは
私だけでしょうか?

いかにも魔術使いっぽく思えます。
まるで
コノヨノヒトデハナイヨウナ