10月5日(金)19:18
Yへ
Yは宿題を全然していないと
お母さんから聞きましたが、本当ですか?
お父さんがいない時こそ
ちゃんとして下さいと、
確かにしてくださいと、
お願いをしていたと思いますが…。
そんな事では
他の3年生に
どんどん追い抜かれていきますよ。
困るのはY本人です。
連絡ノートもちゃんと書いてますか?
ただの甘えん坊になっていませんか?
お父さんは家に帰ってきてから
がっかりしたくないです。
お父さんは手術も終わって
リハビリも始まりました。
けど、まだしばらくは
退院できそうにありません。
病院の部屋の中では
テレビもほとんど見ないで
本を読んでいます。
早く良くなって仕事をしたいです。
キャッチボールもしたいです。
でもまだ動けません。
Yがうらやましいです。
せっかく動けるなら
頭と(心)と体は
しっかり使って下さい
お願いします。
明日の試合はよそ見しないで
しっかり声を出して弁当も早く食べろよ、さようなら。
---------------------------------------
まだ、入院して間もないころの手紙ですが、
おこり役→ひろくん
やさしい役→私
と、言うように出来上がっていた
我が家は、ひろくんが居なくて、
秩序と言うものが崩れつつありました。
そもそも、もともと私の帰りが遅かったので、
子供と触れ合う時間が私には、
平日ほとんど取れませんでした。
その代わりのつもりだったと思いますが、
ひろくんが、仕事の手を休めてキャッチボールしたり、
宿題を見たり、しつけ全般もやってくれていました。
ひろくんの病院へ私は、朝、晩と足を運んでいましたが、
帰りに寄ると必ず
【早く帰ってあげて】
と、言われました。
自分が家にいないから、
子供のことがとても気がかりだったのでしょう。
また、上に書いてあるように、
いつお見舞いにいっても、
ひろくんは本を読んでいました。
どんな本でも読むから持ってきて、
と、言われ、私が持っていた本のコレを持っていきました。
- 17歳のポケット (集英社文庫)/山田 かまち
- ¥590
- Amazon.co.jp
私が手渡した時、興味なさそうに受け取ったひろくんでしたが、
読み進めながら何か感じたのでしょう・・・。
【 こうゆうのさ、生き急ぐって言うんだろうね。
才能溢れてる。ドリカムの唄とか、
今売れてるアーティストとか、影響受けてるというか、
明らかに真似てるって、そんな風に思うから、
読まないほうが幸せな人も居るかも・・・俺は好き。 】
と、話していました。
そうねぇ。あまり考えないほうがいいのかもしれないけど、
よく似てる曲とか沢山あるものね・・・。
17歳で亡くすのは惜しかった人だった。
もちろんひろくんも、
あまりにも駆け足で人生を走り抜けた人だったよね。
ひろくんも沢山色々文章を書いていたのですが、
私と結婚する時、私がヤキモチを焼いて、
ずっと書いていた日記とか全部私の目の前で焼いて捨てたんです。
過去は要らないからって・・・。惜しいことをしたなぁ・・・。
不必要にやきもちをやいて、もったいないことをしたなと
今となっては残念でしかたありません。