水色のビードロ

君が好きだった

綺麗な水色の透き通ったマグカップを

僕は眺めていた。


喧嘩して君が出て行った後の台所

食べかけの夕飯を片付けながら

後悔した


真っ白な食器を好んでいた僕と

店先でどれだけ喧嘩しながら

買った水色のビードロのマグカップ


君が居なくなって、

僕は、ずーーと
それを使うこともなく、毎日台所で、夕飯の片付けのたび
綺麗にして洗っていたけど、とうとう、割れてしまった


きっと、

本当なら、ここで、色々な感傷と
思い出をリフレインのごとく
書きなぐるのだろうけど、

割れる前に、すべての想いは、消化されていた。

水色の透き通ることのない、
君との時間とその答え
それは、なんとなくという
そのままにしておきたいと思う関係と時間だった。


よかった訳でも、悪かった訳でもない
ただ、あの頃は、
二人には、どうしようもなかったのだろうと、
人生を今でも、誤魔化したまま

そうして、そっと、しておきたい
そんな気持ち。


大人の都合なのか、子供言い訳なのか、

それは定かではないけれども。