FULIR開発ブログ第4回 障害物に当たった、その一瞬がチャンスになる。
クランクベイトを巻いていて、岩や立木、杭などに「コツッ」と当たった直後にバイトが出る。
クランクベイトの釣りをしている方なら、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
なぜ、何もないところを泳いでいる時ではなく、障害物に当たった直後にバイトが出るのか。
FURILの「不規則性起動変化理論」を考えるうえで、この瞬間は非常に重要なポイントになりました。
障害物は「邪魔なもの」ではない
一般的に障害物というと、根掛かりの原因になるものというイメージがあります。
しかしクランクベイトにとって障害物は、アクションを変化させるための重要な存在でもあります。
FURILが岩やウッド、ボトムなどに接触すると、それまで続いていた泳ぎが一瞬だけ崩れます。
軌道がズレる。
ボディが傾く。
スピードが変わる。
そして、再び泳ぎ始める。
私たちが注目したのは、この一連の変化です。
「当たる」ことより「当たった後」が重要
FURILの開発では、単純に障害物へ強くぶつけることを目的にはしていません。
重要なのは、
コンタクトした直後、ルアーがどう動くのか。
障害物に当たって姿勢が変化し、その瞬間だけ通常とは異なる軌道へ入る。
そして再び元の泳ぎへ戻ろうとする。
この、
安定 → 接触 → 乱れ → 復帰
という流れに、FURILの考える「不規則性」があります。
ずっと不規則なのではありません。
普段は普通に泳いでいるからこそ、突然起こる「乱れ」が際立つのです。
ベイトフィッシュも障害物の前では動きが変わる
自然界の小魚も、常に一定のスピード、一定の方向で泳いでいるわけではありません。
岩を避ける。
枝をかわす。
流れに押される。
何かに驚いて突然方向を変える。
その瞬間、泳ぎのリズムが崩れます。
FURILで再現したかったのは、魚の形そのものだけではありません。
「生き物が見せる、一瞬の動きの乱れ」
です。

バイトチャンスを待つのではなく、自分で作る
ここがFURILの面白いところです。
何もない場所をただ巻くだけではなく、
あえて障害物に絡めていく。
岩に触れさせる。
ボトムを叩く。
ウッドの横を通す。
そのたびにFURILの軌道には、小さな変化が生まれます。
つまり、アングラー自身がキャストコースを考えることで、
「乱れる瞬間=バイトチャンス」を意図的に作っていく。
これがFURILで楽しんでほしいクランキングです。
「乱れて、戻る」から意味がある
前回お話しした、
「"暴れる"のではない。"乱れる"という設計思想。」
ここでも重要になってきます。
障害物に当たるたびに大きく姿勢を崩し、そのまま泳ぎが破綻してしまえば意味がありません。
FURILが目指しているのは、
一瞬だけ乱れ、そして自ら泳ぎを取り戻すこと。
この復帰する動きまで含めて、一つのアクションだと考えています。
だからこそ、障害物に当たった瞬間だけではなく、
「当たってから数十センチ」
にも注目してほしい。
そこにバイトが集中することがあります。
障害物に当たった。その瞬間から始まる。
FURILにとって障害物は、避けるだけのものではありません。
アクションを変化させるスイッチです。
一定の泳ぎから突然生まれる「乱れ」。
そして、何事もなかったように元の泳ぎへ戻っていく。
その一瞬の変化が、追ってきたバスに最後のきっかけを与える。
それが、
不規則性起動変化理論に基づくFURILのクランキング。
障害物に当たったら、
そこからが、本当のバイトチャンスです。
次回予告
第5回「同じFURILなのに、なぜ一投ごとに違う動きを見せるのか?」
ボディ形状、浮力、重心、リップ、そして水から受ける力。
FURILが目指したのは「完全に同じ動きの再現」ではありません。
再現性の中に、どうやって不規則性を残すのか。
次回はFURILの設計そのものに、もう一歩踏み込んでいきます。