ちょっと アナザーワールド

『 真 実 』 (湯川秀樹)より抜粋


 達人は少ない。詩人も少ない。われわれ凡人はどうしても現実にとらわれ過ぎる傾向がある。

そして現実のように豹変(ひょうへん)し、現実のように複雑になり、現実のように不安になる。

そして現実の背後に、より広大な真実の世界が横たわっていることに気づかないのである。

 現実のほかにどこに真実があるかと問うことなかれ。真実はやがて現実となるのである。

 (昭和十六年一月)


湯川秀樹: 1949年、「中間子論」にて日本初のノーベル物理学賞受賞。


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