宝塚宙組「誰がために鐘は鳴る」を観に行く | 時を呼ぶ声

東京宝塚劇場、宙組公演「誰がために鐘は鳴る」。6時半からの夜の部に行って来た。途中、30分の休憩が入り、終演はおよそ9時半。
 
これは昔、映画で観たのだけれど、場面が岩山のようなところからほとんど動かず、何だか映画らしくない映画だなーと途中、やや退屈した記憶がある。ラストが圧巻で、「僕の心は…」のあの有名な台詞とラストのためだけにあるような映画だった。
 
場面がほとんど動かないから舞台化しやすいのだけど、さすがにそれでは余りに地味なので、宝塚版はバシバシ場面が切り替わる。マリアが港町の故郷を回想すればそのシーンが、ゲリラのボスの奥さんがありし日の恋を回想すればそのシーンが、といった具合に、結構、変化に富んでいる。
 
そして主役とその周囲の数人だけでなくて、それなりに見せ場を持つ登場人物が結構多い。逆にあれこれ盛り込みすぎたせいか、何だかマリア以外の人の台詞が早口に聞こえて、セカセカした感じがした。みんな動作がやたら機敏で、台詞を言ったそばから動いてるし。
 
映画って、橋の爆破を終えても皆、助かるのを前提に行動していたような気がするのだけど、宝塚版は全員助からないのを前提にしたかのようなロベルトの述懐の台詞が何度も入り、わずか4日間という時間の中でどれだけ濃く恋に生きるかみたいなことになってしまっている。
 
当たり前といえば当たり前なんだけど、宝塚って本編の芝居が終わった後に必ずレビューと大階段があるのね。客席から観てるとわからないけど、あの大階段って実際に降りる側になってみると物凄く急らしい。あと宝塚は無駄なアンコールがなくて、大階段が終わって幕が下りると、パッと有無を言わせず客電がつくのが潔くていい。今日び、ほとんどの劇場ってアンコールしなきゃいけないみたいな雰囲気で、さながらアンコールの安売り状態だもの。特に客席が若い場合は要注意。「いいとも」のテレフォンショッキングって昔、ゲストが次の友達を紹介する時に客席から「えー」と言われるのは滅多になかったのだけど、ある時期から誰にも彼にも「えー」と言うようになったのを思い出した。