東京宝塚劇場、星組公演「花の踊り絵巻」と「愛と青春の旅だち」。4時からの夜の部に行って来た。上演時間は間に35分休憩をはさんで、およそ3時間ほど。ネットで見るとなぜかこの日のこの公演だけ空席が目立っており、当日券だと1階は満席で、2階の中ほどの席が取れた。
実はさほど期待していなかったのだけど、和物の「花の踊り絵巻」はいきなり「藤娘」の趣向で、それも歌舞伎のやつとは違って何せキャスト全員でののっけからの登場なので、豪華絢爛を絵に描いたような余りの美しさにしてやられた感じ。
花魁のような人たちが出て来る紅葉のシーンのえもいわれぬ美しさ、荒波のシーンでの「佐渡おけさ」の声の通ること。いやはや、本当に美しかった。
圧巻のラストは「花の舞拍子」。
春ははかなき 一夜(ひとよ)の夢なれど
燃ゆる想いを 洛陽に
遥かなる夢 今開く
花の都の春霞 夢の間惜しき春なれば
人はその春に その春に想う
恋は幻 心乱れる
花の嵐の 洛陽に
愛のよろこび 今燃える
花の面影偲ばるる 熱き想いの恋なれば
人はその恋に その恋に生きる
洛陽というのは京都のことである。
「愛と青春の旅だち」は映画よりもよかった。何せ中だるみしそうな余計なシーンは出て来ず、見せ場となるところをテンポよく、サッサッと見せていくのだから。演者が女性なので、男臭くて暑苦しくなりそうな場面でもスンナリと見せてくれるし、歌って踊るシーンが多用されているので全く退屈せずに最後まで一気呵成に見せてくれた。
演目が演目なので、宝塚というと万人がイメージするようなああいう感じではなくて、内容はごく普通のミュージカルの仕上がりである。比べるのもなんだけど、劇団四季とかより、こっちの方がミュージカルとして出来がいい。ただ普通に芝居が終わった後で幕とはならず、その後に内容とは関係のないラインダンスとか、例の大階段とかが出て来るところは宝塚だったけど。ライトの使い方とか、舞台袖まで全部照らすのは、ここぞ、というフィナーレとかのシーンだけで、それがまた本当に物凄く明るく見える。3時間フルに五感で楽しめた。