1945年8月9日午前11時2分 長崎に原爆が落とされた
爆心地からわずか500メートルの距離にあった浦上天主堂は倒壊した

かつて東洋一とうたわれたマリア像は まさしく その浦上天主堂に安置されていた
首から上だけが残ったマリア像 
右頬は黒く焼け痕が残り 瞳は焼け溶け 空洞となってしまった

被爆マリアよ 
あなたはなぜ そんな姿になりながらもこの世に残られたのか?
あなたは 今 何を思ってこの世におられるのか?
どうか 教えてほしいと 祈りを捧ぐ


      【浦上天主堂】http://www1.odn.ne.jp/uracathe/ 

被爆マリアの悲しげな表情が 一瞬 微笑んだように見えた

私は 被爆地の希望になりたかったのです
そして人類が2度と核兵器を使用しないように この姿を見せているのです

でも 私にはもう一つ あなたたちに伝えたいメッセージがありました
原爆が落ちて もうすぐ70年になりますね
私は未来のために平和のために それを 今こそ伝えなくてはと思っています

そのために私は この世に存在し続けています

私には 目はありません
そのことをこれまで悲しんでくださった心優しき人々に 私は心から感謝しています 
でも本当は……
原爆が落ちたとき 私は 天に目をお返ししたのです
それは何よりあなたたちに 今からお伝えするメッセージを読み取ってほしかったからです

           【原爆投下直後の浦上天主堂】

人々よ…… 
あなたたちは 目に見えるものだけにとらわれすぎたのです

目に見えるものだけにとらわれていると
常に相手の影響を受け 振り回され 疲れ果ててしまいます
そして 自分の良し悪しを 人との比較によって決めてしまいます

すると 競争心が生まれ 
人を妬んだり羨んだりする心が 生まれます
卑屈に思ったり卑下する心が 生まれます

ずっとそんな心でいると……
怒り 悲しみ 憎しみ 不安 恐怖 
暗く湿った感情が 心を支配するようになります

自分の欠点ばかりに 目がいくようになります
他人の欠点ばかりに 目がいくようになります
自分を責めるようになり 他人を責めるようになります
そして人は 戦いを起こすのです

この連鎖を 心の力で断ち切らないかぎり
この世から戦争がなくなることはない 決して平和が訪れることはないのです


           【「被爆マリア」を知っていますか 枝川葉子 著】
           http://www.net-library.net/PDF/EBLS13080900.pdf


人の欠点は 攻撃するためにあるのではないのです
相手を理解し 互いに補うためにあるのです
そういう人の弱い部分を冷たく見るのではなく
心の目で 優しく見つめてあげてほしいのです

また神は 誰にでも等しく未来があることを約束されています

だから 今……
目に見えるものだけで 人を決めつけるのではなく
人は成長するものだと 優しく 見えない未来を信じてあげましょう

それが 人を愛することだと私は思うのです

神は あなたたちを不完全につくられました
それは……
悲しませるためではありません 苦しませるためでもありません
人々が助け合い 平和な世の中をつくれると信じておられるからです  

神は すでにあなたたちに 
優しさを与え 愛する心を与えています
あなたたちは この世を平和にできる力を持っているのです

神は あなたたちが必ずや平和を実現できると 
ただただ信じ はるか昔よりずっと待ち続けておられます

大いなる神の愛は 一体 いつ報われるのでしょうか?

人々よ……
その問いに応えられる存在は 
あなたたちをおいて他にはいないということに 早く気づいてほしいのです