「太陽さんがまぶしいね Vol.3」


「そうなの。ヒロくんはなぜ《怒りんぼ》って言われるの?」


「だからみんなのいやなところ見たら、もう許せなくてがまんできないの。」


「ヒロくん、いやなところも見えるんだったら、いいところも見ることはできない?」


「だっていやなところが先に見えちゃうんだもん、無理だよ。

 それにみんなもぼくのいいところ見てくれないんだから、別にいいんだよ。

 いいところを見ようとするだけ無駄だよ。

 ヒマワリさんは人間じゃないからわからないだろうけど、友だち付き合いってこんなもんだよ。

 ぼくだけ一生懸命になったら損するから、いやだよ。」


「そうね、私にはわからないかもしれない。

 だって私は、いつも明るい太陽さんのほうばかり向いていて、日陰さんを見たことがないんだもん。

 だからいつも気持ちが良くて、元気いっぱいで楽しいの。

 だから、いつもいつも一生懸命になれちゃうの。

 一生懸命きれいに咲いた姿をみんなに見てもらうのよ。

 私を見てくれる人を元気づけるためにね。

 ほんとうにいつも明るい太陽さんを見れて、私は幸せだなぁ。

 でも日陰さんばかり見てることを想像したら、だんだん寒くなってきて、

 元気が出なくなってきちゃった。

 おまけに明るい光を見れないから、うつむいてばかりで、

 だんだん上を向かなくなるかもしれないなぁ。うん、やっぱり明るいほうが断然いいね。」


「そんなことぼくだってわかってるよ。でも無理なものは無理なんだよ。」


「私が太陽さんのことを大好きなのは、相手が冷たい態度をするから、

 自分も同じことをしてやるという気持ちが全然なくて、

 いつも100%みんなを明るく照らそうとする、大きい心を持っているからだよ。

 自分のことを嫌いだって言う人にも、わけへだてなく笑顔で光をふりまいてるんだよ。

 それだけ太陽さんはすごい力を持っているんだね。

 ヒロくん、力っていうのは、いばるためにあるんじゃないし、

 人を押さえつけるためにあるものでもないよ。

 そんな力はすぐ使い果たしちゃうから、自分が疲れちゃってほかに何もできなくなるよ。

 でもね太陽さんのようにみんなに優しくできる力は、使っても使っても

 どんどん自分の中から湧き出てくるから、全然疲れないんだよ。

 そして使えば使うほどまわりの人も気持ちよくなるから、

 使った以上の力をまたみんなが返してくれる。

 だから太陽さんはいつも元気なんだよ。

 太陽さんに元気をたくさんもらっているから、

 私も元気を太陽さんや、まわりの人に自然にあげたくなっちゃうの。」


「ふ~ん、よくわからないけど、なにか温かいものが行ったり来たりしているんだね。

 なんだろう、体の力が抜けて楽になってきた、なんか体が柔らかくなった気がする。」


「そう、良かった。

 ヒロくん体が柔らかくなったということは、心も柔らかくなったっていうことだね。」


「へーそうなの。心と体ってつながっているんだ。

 でもなんとなく、胸をしめつけていたものがとれたみたい。なんか気持ちよくなってきた。」


$あったまりんちゃい ~ 陽の光を浴びた言葉たち