「太陽さんがまぶしいね Vol.2」
 

「ほんとうの太陽さんは空で輝いて、優しくみんなに明るい光を照らし続けてくれてるんだよ。

 友だちの中の太陽さんというのは、友だちのいいところのことを言うんだよ。

 ヒロくんも友だちも同じように太陽さんの部分もあれば、日陰さんの部分も持っているんだよ。

 でもヒロくんはいつも、友だちの中の日陰さんのほうばかり見てるでしょ。

 暗いほうばかり見てると、気持ちまで暗くなるし、元気が出ないでしょう。」


「うん、その通りだよ。どんどん落ち込んじゃうの。

 だから一人のほうが楽だから、友だちと遊ばないんだ。」


「それで毎日楽しいの?」


「う~ん、すごい楽しいってほどじゃあないけど、友だちに傷つけられることもないし、

 このままでもいいかな。」


「ヒロくん、友だちに傷つけられたの?」


「うん、みんなったら、ぼくのことあまり知らないくせに、《怒りんぼ》って言って、

 みんなでバカにするんだ。ぼくだって、怒りたくて怒っているわけじゃないのに。

 どうしようもないんだ、この気持ち自分でも抑えられないんだよ。

 そんなぼくの気持ちも考えないで、みんなったら。あ~なんかすごく腹が立ってきた。

 ぼくヒマワリさんと話せるだけでいいや。だって、ヒマワリさんはいつも優しいもん。

 ヒマワリさんと話せるようになったから、これからはヒマワリさんにいろんなこと教えてもらって、

 ぼくだけ偉くなってやろうっと。そしてぼくをバカにしたみんなを見返してやるんだ。」


「元気が出てきたのはいいことだね。じゃあヒロくんに聞いてもいいかな?

 ヒロくんはほんとうに偉くなって、みんなを見返すことができたら、次はどうするの?」


「えっ そんなの考えてないよ。見返すことができたらもう満足だから、それから…。

 ぼくどうすればいいんだろう。満足して喜んだら何もかも終わっちゃって、

 あと何をすればいいんだろう。え~困ったなぁ」


「じゃあ、ヒロくんはなりたいお仕事はある?」


「うん、あるよ。ぼくお花が好きだから、花屋さんになりたいなぁ。

 かわいいお花をたくさん並べて、みんなに喜んでもらいたいなぁ。」


「じゃあ、花屋さんになったら、次はどうするの?満足したから、もう何もしないのかな?」


「そんなことないよ。せっかく花屋さんになれたんだから、やりたいことはいっぱいあるよ。

 えーとね、次はぼくが育てた花をお店に出すんだ。たくさんのお花を咲かせて、

 そのお花でお店をいっぱいにするんだ。

 きっとみんな喜んで買っていってくれると思うんだけどなぁ。

 それから、次はお花がいっぱい咲いた庭を造って、みんなに見てもらうんだ。

 絶対みんな楽しんでくれると思うんだ。それから…」


「とても素敵な夢を持っているんだね。それにヒロくんとても楽しそう。

 どんどんやりたいことが浮かんできて、止まらないって感じだね。

 ねぇヒロくん、花屋さんになりたいって言ってたとき、どんな気持ちだった?」


 「なんか楽しくて、胸がドキドキワクワクして、とても幸せな気持ちだった。」


「じゃあ、友だちを見返す話をしてたときは、どんな気持ちだった?」


「なんか胸が苦しくなって、頭がキリキリしてくるの。」


「幸せな気持ちになった?」


「なるわけないじゃない。ぼくかわいそうなんだよ。だからなんとかしなくちゃいけないんだ。」


$あったまりんちゃい ~ 陽の光を浴びた言葉たち