去る5月20日(金)~22日(土)、総勢15名で岩手県の県北、八戸に近い軽米町へ行ってきました!
■軽米町についての説明はコチラ→GO!

20日(金)、先月末に全線開通をした東北新幹線はやてに乗って、通常よりも1時間長い4時間かけて二戸駅へと到着しました。
途中、仙台駅通過の際、眼下には仮設住宅が立ち並ぶ様子などもみられ、建物倒壊などはありませんでしたが、地震の爪あとを感じました。
二戸駅からは貸切バスで30分、軽米町に到着。
広葉樹の多い軽米では山に薄緑の新芽が多く、時折山桜やこぶしがぽつぽつと混ざり、目に優しい和やかな風景を作り出しています。
家々の庭、軒先には八重桜や山つつじなどの鮮やかな花々が今を盛りと咲き誇り、白い花、黄色の野草が待ちわびた春の趣を添えていました。

朱塗りのつり橋を渡り、フォリストパークのチューリップ園に到着すると、ピンクに黄色、白に紫の色とりどりのチューリップが咲き乱れていました。
例年より開花が遅れたため、通常15日ころが見ごろのチューリップを充分に堪能してきました。
震災の影響で、今年のゴールデンウィークの入場者は例年より3割ほど少なかったそうです。

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今年はたくさん見れました!

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オランダ式風車の前で

フォリストパークを後にし、十文字チキンカンパニーへ提供する飼料米の圃場へと移動しました。
丁度田植えの頃で、田んぼには水が張られ、苗の植えられえている圃場もいくつか見られました。
十文字チキンカンパニーの野中さんからは震災のために188万羽もの鳥を見殺しにしなければならなかった事、餌の配合などを変えて、なんとか育てた事、最近の状況などお話いただきました。
多くを輸入飼料に頼る日本の畜産の現状では、今回のような事があれば当然家畜に食べさせる餌の入手が困難になります。
難しいことですが、餌の自給率を上げてあげていくことの重要性を強く感じました。

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飼料米の圃場前で
近くの土手にはアサツキが!

お風呂に立ち寄りさっぱりした後は、宿泊場所のミレットパークへ移動し、夕食交流会では地元生産者、関向さんの手による「さなぶり御膳」をいただきました。
山菜の季節を充分実感できる山菜尽くしのメニューに、分厚くおおきい原木しいたけ、珍しいハヤという川魚など、素朴でありながら手の込んだ、山のご馳走をいただきました。

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雑穀ご飯はふきの葉に包まれ山つつじの花でとめてある!
天ぷらはタラの芽、アスパラにしいたけ

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ハヤの煮たの。しいたけが肉厚でおいしい!

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生ぶどうジュース



2日目朝、屋根をたたく雨の音に目が覚め、もやの被る中折爪岳へと出発しました。
車中、1メートル先も見えない中展望台に到着してもやはりもや。
360度のパノラマは見事に見えずじまい。
めずらしい折爪ロマンチック街道となりました。


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朝食にタラの芽の酢味噌和え

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山居の湧水で水を汲み、二輪草やエンレイ草をめで、今回のメインイベントの一つ、雑穀料理交流会会場へ向いました。
ハプニングもありましたが、無事にいただいたレシピで「もっちり米粉のにらチヂミ」「えごまのコロッケ」を皆でつくりました。
にらチヂミはその名の通り米粉を使い、さらに茹でたアワとキビでもちもちの食感を加えた一品。
薄く焼くのがポイントです。


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えごまコロッケはえごまをすり鉢でよくすり、油を香りを充分に引き出したあと、ジャガイモと粒のえごまを混ぜ成形して揚げる、シンプルなコロッケです。
えごまの風味が生き、とてもおいしかったです。


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軽米町のお母さんたちもたくさん用意してくださっていましたが、なかでも感激したのがえごまのひっつみと生麩の酢豚です。
えごまのひっつみはえごまを粉にしたものを生地に混ぜるのですが、こちらもえごまの味がうまく引き出され、普通のものよりもより味わい深くなっていました。
酢豚はびっくりの一品です。
豚肉の代わりの生麩がまるで肉のような食感で、みなさん満足の食べ応えでした。


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左上はクリームチーズのデザート。りんご煮たのが乗ってます

ここで1泊2日参加の7名と合流し、いよいよエゴマの種まきです。
底に穴を開けた缶の中にえごまをいれ、フリフリしながら畝をすすんで行きます。
参加者もなれたものでさくさくと植付けをしていきました。
今回はアワの植付けも体験させていただきました。
やり方はえごまと同じです。
今回植えたえごまもアワも無事に育るよう祈ってます。



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生憎の天気・・・

金田一温泉に立ち寄ったあと、直売所のみる・ミルハウスで夕食交流会です。
コチラも雑穀ごはんにショデコ、コシアブラ、ワラビにボーナの山菜料理。
ウドはニシンと酢味噌であえたのが珍しくておいしかったです。
今回はなんと岩手県産黒毛和牛付!
山本町長やエゴマ生産者の河原崎さんをはじめ、たくさんの地元の方にも参加していただき、話の尽きない夜となりました。


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左手前は豆腐に行者にんにくのしょうゆ漬けをのせてあります
山菜尽くし!



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最終日朝ごはん。上中央小鉢、そばの実の乗った酢の物おいしかった
鮭に添えてあるのは秋田フキの煮たの。
真ん中は山菜いろいろ

3日目22日、谷田部へとしいたけ栽培用の原木を提供している軽米町の原木林の山を見てきました。
軽米町の日山さんから軽米の林業についての説明を受け、伐採されたコナラの切り株から芽が自然と生えてくる自然萌芽を観察しました。
また、震災後の津波のため、八戸港などにつけてあったパルプ用木材が全て流され、ここ軽米からも木材を提供しているとのとこです。
紙が不足しているというのは、このような原因もあったのかと知りました。

紫葉園さんでは山に入り、シトケとタラの芽を袋一杯に採集し、販売用に様々な山野草のポット苗が並ぶ中からみな思い思いの苗を選び購入しました。



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ササネユリ(?)
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タイツリソウ!

軽米町最後の食事は山鳥の出汁で食べる、ダルマヒエそばです。
アスパラの天ぷらも今回はよく食べました。

食事の後に参加者から、被災地の岩手県野田村へ寄せ書きをいただきました。
参加者の皆さんには今回、支援物資を持参していただき、軽米町さんを通し野田村へ送っていただきます。
集めていた支援物資のリストを野田村さんんから頂いたのですが、布団や物干し竿など、生活に最低限必要なものが多く、今だ物資の足りない様子がありありと感じられました。
参加者の皆さんには重たい荷物になるにも関わらず、たくさんの物資を提供していただきました。

福島の原発被害による農作物の風評被害や実際に食べられない作物が出てくる中、軽米町を訪れ、地元の方々、生産者のみなさんに会い、首都圏の一消費者として、生産者との信頼関係を持つことの重要性を改めて実感しました。
私はこの人たちの作るもの、売るものは安心して買う事ができるという信頼感はかけがえのないものです。

軽米町のみなさん、参加者のみなさん、どうもありがとうございました。

まだ軽米町へ来た事のないみなさん、どうぞ一度、足を運んでみてください。
次回の軽米は10月、食フェスタに行きます。
おいしい雑穀料理満載!


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2009年の参加者が植えた芝桜が見ごろでした



記事:山本


「あなたと私を結ぶ。都市と農山漁村の応援団」

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