ええと、先日の続き。

出発は土曜日の24時30分過ぎ。1時近かったか?
ちっさいカバンにシャツとパンツと靴下と、途中名古屋で立ち寄る予定の車屋さんの紹介されている雑誌と、後はひとかけらの希望と共にエンジンスタート。

余談ですが、宇宙戦艦ヤマトの歌で「真赤なスカーフ」という曲があるのですが、サビの一節がいいのですよ。「旅立つ男の胸には、ロマンのかけらが欲しいのさ」。素敵だ。

閑話休題
・・・10分暖機。30歳の車だからね、準備運動しないと動かないのよ。

えー今回はですね、基本的に京都「へ」行くという発想ではありません。
もともと京都は年に1回くらいは行くんですよ。行き方も大体は一緒で、浜松あたりまで下道で、それ以降は高速道路をつかうんですね。で、通常の京都行きの目的は、ウナギの雑炊を食いに行く、というだけ。三十三間堂のすぐそばに、「わらじや」という鰻の雑炊(鰻雑炊と書いて、うぞうすい)を食わすところがあるんです。まあ有名な店ではあるんですが、私はそれが好きで、それを食べに行くついでに京都観光もするという具合です。だから、だいたいノンビリ2箇所か3箇所くらい見学して、あとはブラブラして帰ってきちゃいます。

ただ、旅行はやはり過程が楽しいのであって、目的地に行ってアクセクと観光だけ一生懸命して帰ってくるのは疲れるだけ。だから移動のメインは下道なわけです。
よって、京都「へ」行く、ではなくて、京都「まで」行く、という発想。高速代がもったいないという話もあるが。

しかし、今回は下道度合いを大幅UP。
厚木から沼津までは東名を利用。国道1号での箱根越えは雪が危険なのと(ノーマルタイヤ、チェーンなし、車高低くて除雪車状態仕様)、タイムロスが大きいので。
それと浜松から名古屋では、名古屋で立ち寄る車屋さんの営業時間のこともあるので東名を利用。それ以外はオール下道としました。

京都には土曜日の夜中について、日曜1日あれば十分。だから土曜日の1時から日曜日の24時まで24時間たっぷり時間がありますねえ。結果的に、京都に着いたのは本当に日曜日の24時過ぎで、24時間ほぼ運転しっぱなし。

【東京~由比】
さて、まず東京を出発して環状8号を南下、そのまま東名には乗らず厚木まで246号を西へ。3連休の中日の夜中だけあって、道路はスカスカ。
厚木インターから東名に乗って、気持ちよく120キロくらいで巡航。何度走ったのかわからない東名ですが、そういえば沼津では下りたことないなあ・・・。
などと思っているうちに1時間もかからず沼津インター着。

国道1号に出て、田子の浦の工場プラントの明かりや排煙を見ながら、ひたすら南下。最初の目的地は由比港です。到着は2時くらいだったでしょうか?
由比は静岡県の富士と清水の中間くらいのところにある小さな小さな港ですが、桜海老の名産地として有名です。

http://www.mapion.co.jp/c/here?S=all&F=mapi3403659050113205634

ここは何年も前に同じように京都に向かっている際にたまたま見つけた港です。とても小さくて、とりたてて珍しいものがあるわけでもないのですが、なんとなく風情があって、私が京都へ車で行く際には必ずタバコ一服の休憩をする場所です。

しかーし!ここで重大な問題に行き当たりました。なんとデジカメの充電が空っぽ!

ということで、京都で宿に入るまで写真取れません。この時はまあいいかと思ったのですが、しかしこれが後々人生の大失態となることを、この時の私は知る由もないのでした。

ついでに、港の中に車を停めていたのですが、乗り込む時にいきなりカギをなくして焦りました。あったけど・・・。オレの馬鹿。


【大井川~御前崎】
さて、由比を出て、また国道1号に復帰。ひたすら南下。次の目的地は三保の松原です。

http://www.mapion.co.jp/here/all/050113/mapi3332631050113213013.html

三保の松原は、天女の羽衣伝説で有名ですね。
といいつつ、ここは初訪問です。上の地図を見れば分かるとおり、素直に京都方面に向かうには微妙に遠回りになるため、気にはしつつも通り過ぎていました。
でも今回は時間はたっぷり。寄り道することにしました。

とりあえず岬のさきっぽの方の灯台を目指します。
・・・え?これ?到着は3時過ぎくらいでしょうか。目の前に確かに灯台が現われましたが、思いのほか小さい、かなり小さい。こんな灯台でいいんでしょうか。
とりあえず、駐車場のような空き地のような所に車を停めます。しかしやたらと車が多い。人影もチラホラ。明け方も近いこんな時間になんで?と思いつつ、空を見上げてみたら!!!

すっげー星空!ここ何年も見たことねーぞ、こんなの!!
降るような星空とはまさにこれ。空一面に星がびっしり。東京の真ん中にずっといると、明るいオリオン座とせいぜい北斗七星くらいしか見えないのですが、ここは逆。星が多すぎてオリオン座が探せません(笑)。
みなさん天体観測なんですかね~。そのわりに望遠鏡が見ありませんが。聞けばよかったかな、なにやってるのか。野外プレイ鑑賞友の会とかだったら嫌だけど。ちゅうか、寒すぎて野外プレイできません。

【三保の松原~大井川】
三保の松原を出て、また国道1号に復帰。西へ向かいます。次の目的地は中田島砂丘です。
関係ないけど、20年くらい前のTV人形劇で、ドリフの西遊記やってましたよね。歌で「西へ向かう~、にんにきにきにきにんにん♪」という歌詞がありました。それだけ。

さて、とくに見るものもなくボンヤリと太平洋沿いを走っていましたが、4時も過ぎてだんだんと夜空が白んでまいりました。どうやら雲ひとつない、抜けるような青空になりそうです。気持ちイイ!
さてさて、徐々に朝焼けになっていくのですが、すごいきれい・・・

そう思いながら、大井川の橋に差しかかり、今まで道の横にあった家などの遮蔽物がなくなったとたん・・・ギャー!!!

こんな朝焼け知りません。三保の松原の星空はきれいだったけど、そういうレベルじゃないの。本当に一片の雲もない空に、地平線から恐ろしく滑らかな、白、桃色、そして藍色へ続くグラデーション。その淡い朝空の中ほどに、きらきら光る1.4等星のシリウスとならんで、線のように細くなった三日月が。

見渡す限りの雲ひとつないグラデーションの朝空の真ん中に、ポツンと浮く星と三日月。そこに朝焼けに薄っすら映える川面と、土手の真っ黒なシルエット。

こんなの見たことない。震えるほどきれい。33年の人生で、これ以上美しい景色を見たことがないかもしれません。そしてその土手に乗り入れていたウチのボロ車もシルエットになり、テールランプだけが赤く灯っているんです。

え?なに?車の広告?映画のワンシーン?だとしたら、もうこれだけでカンヌグランプリなんじゃないの?(おいおい)。

なんでカメラの電池切れてんだよ!!!ゴルァ!!!!!!

でもいいんです。ファインダーのぞいてシャッター切っている間にどんどんと夜が明けてしまいます。本当に美しい宝石のような景色は、5分ともたないんです。写真は撮れなかったけど、心に焼きつけました。一生忘れられません・・・

ちなみに大井川は、この辺。

http://www.mapion.co.jp/here/all/050113/mapi2523177050113220952.html


【大井川~中田島砂丘】
さて、感動を胸に、再び中田島砂丘へ。
しかしもうね、車の中で一人でニヤニヤしながらつぶやいてましたよ。「すごい。最高。来て良かった」って。

さて、すっかり夜も明けて中田島砂丘到着。時間は8時10分ごろ。

http://www.mapion.co.jp/here/all/050113/mapi3628048050113221324.html

なんでそんなに正確に覚えているかというと、近くにあったマクドナルドに入ろうとして、8時半から営業と書いてあったため、時計を見ながらしょんぼりしたからです。お腹すいたよ。

いつもと違うところから砂丘に出てみました。
鳥取砂丘ほど内陸に深い砂丘ではないのですが、とてもきれいな砂丘です。何故か海岸沿いだけが極端に風が強く、ひゅううううううぅぅーという風きり音が切ない感じで、人生を考えてしまうような感じです。
ここにも京都行きの際は必ず立ち寄るのですが、今回の目的は流木ひろいです。
ありますねえ、大きいのから小さいのまで。波と風とに洗われて、皮がすっかり取れ表面もツルツルになった流木がたくさん。
デカい切り株みたいなのを一つと、30センチから1メートルくらいの枝数本と、細かい枝の切れ端をたくさん拾いました。車の中は、流木だらけです。

流木ひろいに満足したころにはマクドナルドも開店した時間。朝ごはんを食べに行きました。
このあとは、国道1号をもう少し西に走り、浜名湖そばの浜松西インターから名古屋を目指して高速道路に乗ります。

ということで、以下次号。