とりあえず基本的な話しだけ。
当初からの懸案事項であった2点について報告します。
【懸案事項】
1.結局どのくらいペースメーカーと携帯電話を離したら安全なのか。
2.そもそも携帯電話はペースメーカーの誤動作の原因になるのか。
【結論】
1.安全距離は今のところの通説としては「22cm」が基準。
2.ある一定の条件下と一定の機種においては、携帯電話でペースメーカーは誤動作を「します」。
ちょっと調べればすぐに出てくる資料ですが、2000年から2002年にかけて、総務省が中心となり携帯端末メーカーも参画した調査が行なわれ、そのレポート「電波の医用機器等への影響に関する調査研究報告書」が、現状の各種団体などが作成するガイドラインなどのベースになっているようです。
ちなみに、先日の記事で紹介したauのホームページの注意書きは、内容的に見てこの報告書の報道用資料をベースにしていると思われます。
さてその調査レポートでは、以下の内容の報告がされています(注:実際の調査レポートは数十ページに及ぶ非常に専門的な物なので、要点のみ抽出)。
2000年当時、もっとも普及してた800MHz帯を使うPDC方式(現在も主流ですが、最近はW-CDMAなど新方式がかなり普及)の携帯電話端末と、ペース・メーカー124機種試験した場合の結果は・・・
ペースメーカーと携帯電話の距離5cm
:誤動作したペース・メーカー124機種中8機種
ペースメーカーと携帯電話の距離10cm
:誤動作したペース・メーカー124機種中2機種
ペースメーカーと携帯電話の距離15cm
:誤動作したペース・メーカー124機種中1機種
ペースメーカーと携帯電話の距離15cm以上
:誤動作したペース・メーカー124機種中0機種
この調査結果によって得られた「15cm」という境界となる距離に安全係数の√2をかけた「22cm」が、携帯電話とペースメーカーの間の『安全な距離』の指針とされています。その後2002年の追加調査でW-CDMAなどの新方式の携帯端末に関してもテストを行なっていますが、どれも800MHz帯PDCよりも影響が少なかったため、現在もこの22cmが基準になっているようです。
さて、現在まで公の発表としては、携帯電話によるペースメーカーの誤動作事故は報告されていません。ですから、冒頭で記したとおり理論的には携帯電話でペースメーカーは誤動作をしますが、現実の社会においては、その可能性はかなり低いと言ってよいのだと思います。
しかし、改めて言いますが、ある一定の条件下と一定の機種においては、理論的には携帯電話でペースメーカーは誤動作を「します」。
東京のラッシュ時間帯の満員電車を想像してみてください。
地域によっては想像しにくい方もいるかもしれませんから言いますと、本当に混んでいる寿司詰め状態では、腕や足はおろか、手も動かせなくなることも間々あります。本当に指しか動かせない、そのくらいのパンク状態になります。大げさじゃないんですよ。
さて、その満員電車の中で、誰かの胸ポケットあたりで携帯電話が鳴ったとします。上記のような状態では、電話を取るために体を動かすなどということは当然出来ません。
その電話が鳴ってしまった人と向き合うように、ペースメーカーを埋めている人がいたとします。この人も、携帯電話から離れるために体を動かすことなど出来ません。体をよじる事すら難しいでしょう。
最近の植込み式のペースメーカーは、成人の場合は鎖骨の下あたりに埋め込まれていることが多いようなので、例えば男女の身長差などを考えれば、22cmの鳴っている携帯電話とペースメーカーの距離は当然のことながら、5cmの距離も保てない可能性は十分にありえます。
これで電話が留守電にでもなっていれば、まだ良いでしょう。もしも本当にペースメーカーが誤動作をしても、電話が鳴り止むとともに徐々に正常な状態に戻ります(これは本当みたい)。しかし留守電設定がされておらず、延々となり続けている可能性も当然あります。
それは何を意味するのでしょうか・・・
先ほどの調査において使用されたペースメーカーや携帯電話の機種、そして最も大切な「具体的に度の機種において誤動作が発生したのか」という情報は、一切公開されていません。
「公開することによって調査に参加しなくなるメーカーが出てくる可能性がある。また,利用者に余計な不安を与えたり,逆に安心して近づけすぎて問題が起こらないとも限らない。22cmの基準を守って欲しい(厚生労働省医薬局安全対策課のコメント):出展=日経BP社 IT PRO」
確かに現在の通常良く言われるルールをキチンと守れば、22cmの基準を保てる可能性は高いでしょうし、ペースメーカーを使っている方も、超満員電車には乗らないなどの自衛も講じていることでしょう。しかし、たとえば電車の中では優先席付近以外は電源を切れというルールにはなっていません。優先席以外の場所で、たまたま電話が鳴った人のすぐ脇にペースメーカー利用者がいたらどうなのでしょう。
また、確かに情報公開をすることで余計な不安をあおったり、必要以上のヒステリーな規制を設けようとする動きがでることも考えられます。しかし、上記のような情報を公開することで、誰がデメリットを受けるのでしょうか?むしろ行政が行なった調査結果なのだというのであれば、その公表をより混乱がないようにコントロールしながら公開する努力をすべきなのではないですか?触らぬ神に祟りナシ?調査はしたという実績は、ただの免罪符なんですか?
そしてなにより、電波によるペースメーカーの誤動作がありえることを承知で、そのまさに誤動作をさせた製品を売り続けてきた(もしかしたら、ひっそりと製造中止にしたのかもしれませんが)メーカーやキャリアの皆さん。いままで事故がなくて良かったですね。
確かに新方式の通信では影響がグッと減っています。しかしゼロではないし、従来のPDC方式の端末もごく普通に世の中に出回っています。私の端末もそうです。
なのになぜ、なんの情報提示もしないのですか?せめて、auの様な注意書きくらいあってもいいんじゃないですか?それを頑なにしない、その意図はなんですか?
私はそれが知りたい。
当初からの懸案事項であった2点について報告します。
【懸案事項】
1.結局どのくらいペースメーカーと携帯電話を離したら安全なのか。
2.そもそも携帯電話はペースメーカーの誤動作の原因になるのか。
【結論】
1.安全距離は今のところの通説としては「22cm」が基準。
2.ある一定の条件下と一定の機種においては、携帯電話でペースメーカーは誤動作を「します」。
ちょっと調べればすぐに出てくる資料ですが、2000年から2002年にかけて、総務省が中心となり携帯端末メーカーも参画した調査が行なわれ、そのレポート「電波の医用機器等への影響に関する調査研究報告書」が、現状の各種団体などが作成するガイドラインなどのベースになっているようです。
ちなみに、先日の記事で紹介したauのホームページの注意書きは、内容的に見てこの報告書の報道用資料をベースにしていると思われます。
さてその調査レポートでは、以下の内容の報告がされています(注:実際の調査レポートは数十ページに及ぶ非常に専門的な物なので、要点のみ抽出)。
2000年当時、もっとも普及してた800MHz帯を使うPDC方式(現在も主流ですが、最近はW-CDMAなど新方式がかなり普及)の携帯電話端末と、ペース・メーカー124機種試験した場合の結果は・・・
ペースメーカーと携帯電話の距離5cm
:誤動作したペース・メーカー124機種中8機種
ペースメーカーと携帯電話の距離10cm
:誤動作したペース・メーカー124機種中2機種
ペースメーカーと携帯電話の距離15cm
:誤動作したペース・メーカー124機種中1機種
ペースメーカーと携帯電話の距離15cm以上
:誤動作したペース・メーカー124機種中0機種
この調査結果によって得られた「15cm」という境界となる距離に安全係数の√2をかけた「22cm」が、携帯電話とペースメーカーの間の『安全な距離』の指針とされています。その後2002年の追加調査でW-CDMAなどの新方式の携帯端末に関してもテストを行なっていますが、どれも800MHz帯PDCよりも影響が少なかったため、現在もこの22cmが基準になっているようです。
さて、現在まで公の発表としては、携帯電話によるペースメーカーの誤動作事故は報告されていません。ですから、冒頭で記したとおり理論的には携帯電話でペースメーカーは誤動作をしますが、現実の社会においては、その可能性はかなり低いと言ってよいのだと思います。
しかし、改めて言いますが、ある一定の条件下と一定の機種においては、理論的には携帯電話でペースメーカーは誤動作を「します」。
東京のラッシュ時間帯の満員電車を想像してみてください。
地域によっては想像しにくい方もいるかもしれませんから言いますと、本当に混んでいる寿司詰め状態では、腕や足はおろか、手も動かせなくなることも間々あります。本当に指しか動かせない、そのくらいのパンク状態になります。大げさじゃないんですよ。
さて、その満員電車の中で、誰かの胸ポケットあたりで携帯電話が鳴ったとします。上記のような状態では、電話を取るために体を動かすなどということは当然出来ません。
その電話が鳴ってしまった人と向き合うように、ペースメーカーを埋めている人がいたとします。この人も、携帯電話から離れるために体を動かすことなど出来ません。体をよじる事すら難しいでしょう。
最近の植込み式のペースメーカーは、成人の場合は鎖骨の下あたりに埋め込まれていることが多いようなので、例えば男女の身長差などを考えれば、22cmの鳴っている携帯電話とペースメーカーの距離は当然のことながら、5cmの距離も保てない可能性は十分にありえます。
これで電話が留守電にでもなっていれば、まだ良いでしょう。もしも本当にペースメーカーが誤動作をしても、電話が鳴り止むとともに徐々に正常な状態に戻ります(これは本当みたい)。しかし留守電設定がされておらず、延々となり続けている可能性も当然あります。
それは何を意味するのでしょうか・・・
先ほどの調査において使用されたペースメーカーや携帯電話の機種、そして最も大切な「具体的に度の機種において誤動作が発生したのか」という情報は、一切公開されていません。
「公開することによって調査に参加しなくなるメーカーが出てくる可能性がある。また,利用者に余計な不安を与えたり,逆に安心して近づけすぎて問題が起こらないとも限らない。22cmの基準を守って欲しい(厚生労働省医薬局安全対策課のコメント):出展=日経BP社 IT PRO」
確かに現在の通常良く言われるルールをキチンと守れば、22cmの基準を保てる可能性は高いでしょうし、ペースメーカーを使っている方も、超満員電車には乗らないなどの自衛も講じていることでしょう。しかし、たとえば電車の中では優先席付近以外は電源を切れというルールにはなっていません。優先席以外の場所で、たまたま電話が鳴った人のすぐ脇にペースメーカー利用者がいたらどうなのでしょう。
また、確かに情報公開をすることで余計な不安をあおったり、必要以上のヒステリーな規制を設けようとする動きがでることも考えられます。しかし、上記のような情報を公開することで、誰がデメリットを受けるのでしょうか?むしろ行政が行なった調査結果なのだというのであれば、その公表をより混乱がないようにコントロールしながら公開する努力をすべきなのではないですか?触らぬ神に祟りナシ?調査はしたという実績は、ただの免罪符なんですか?
そしてなにより、電波によるペースメーカーの誤動作がありえることを承知で、そのまさに誤動作をさせた製品を売り続けてきた(もしかしたら、ひっそりと製造中止にしたのかもしれませんが)メーカーやキャリアの皆さん。いままで事故がなくて良かったですね。
確かに新方式の通信では影響がグッと減っています。しかしゼロではないし、従来のPDC方式の端末もごく普通に世の中に出回っています。私の端末もそうです。
なのになぜ、なんの情報提示もしないのですか?せめて、auの様な注意書きくらいあってもいいんじゃないですか?それを頑なにしない、その意図はなんですか?
私はそれが知りたい。