始まったような気がします。

まあ、理由をこんなところでクドクド書いてもウザイだけなのでやめますが、ありていに言えば付き合いきれん、というとこでしょうか。経験から学べない船頭が何人もいたら、船は沈みますよ。諸事情により、来年の10月を最長リミットと決めました。


さて、そんなことはともかく、昨日2冊ほど本を購入いたしました。
一冊は漢字の多い本つまらん本なので割愛。もう一冊は、ずいぶんと話題になりましたあれです。

「電車男」

まだ1/4くらいしか読んでいませんが、良いです。2ちゃんねるというと、半角カタカナによる激しい誹謗中傷合戦ばかりが表ざたになりますが、こんなすてきな話しもありますよ。ていうか、レスを時系列に並べただけのものが、読み物として出版されるとは思わなんだ。対談でもない、交換日記でもない。ただ延々と続く、一人の男の恋愛成就までの膨大な定点観測と、膨大なおせっかいの羅列。

主人公である電車男の話なのに、電車男は随時外出したり会社に行ったりでいなくなる。逆に、観劇し檄を飛ばす観客たちは常にいて、主人公の帰りや結果報告を今か今かと待ちながら、観客同士で語り合う。本当は席を外している観客もたくさんいるはずなのに、姿はみえないから常にたくさんの誰かと一緒にいるような気がする。

主人公が帰ってきたらきたで、電車男と皆が並列な立場で話しが進んでいく。

全員が主人公であり、主人公不在時には主客逆転し、本当の主人公であるはずの電車男だけが主人公になる、とい時間がまったくない。常に観客が当事者であり続ける。そういう妙な構造。
本当の姿は誰にも見えないから、リアルな他人の姿を見ることもなく、自分がリアルに皆の前にさらされることもないから、しらけることも、不安にさらされることもなく、安心してその世界に没入できる。
そして小説のように時系列が前後したり、妙な伏線があったりはしない。ただただリニアに出来事が進んでいく。だから、読んでいる人は、今ここでそのレスのやり取りが進んでいるかのような、その輪に自分が入っているかのような切実感の中に放り出された感じ。

すごい気持ちいいぞ。
きっとすごく楽しいに違いない。
今晩中に読み終えるぞ、ワクワク。

早く家に帰りたい・・・