長い忍耐の日々でした。

先日遂に車のマフラーが完成!!パチパチパチ!!
25万円の出費は痛いが、それなりに満足のいくものが出来上がってきました。KERさん、ありがとうございました(宣伝しておきます)。

さて、そのマフラーの発注をしたのは9月のこと。ずいぶん待たされたわけですが、そのころから車の本格的なチューニングを検討するために、いろいろとお店をまわってみました。遠いところは片道2時間かけてえっちらおっちら。
また、まとまった休みとって、静岡と大阪の店に行かないと(やはり2TG乗りとしては、RSハマダに行ってみたい・・・)。

閑話休題。
さて、そんなこんなである店を訪ねた時のことです。そこはボディショップ(石鹸とか売ってるお店じゃないよ)なのですが、話しているうちにそれなりに店長と仲良くなって、車体の剛性とはなんだろうね、という話をしていたんです。そしたら、たまたま居合わせたお客さんが言うわけです。

「サイドシルにウレタン充填した車は、やっぱり剛性高いよね」

解説します。
サイドシルというのは、車のドアの下のボディ部分。車の床部分の一番外側といえばいいかな。だからドアの下にきている部分。
そこは、車体の強度を大きく左右する重要な部分で、そこに乾燥すると非常に堅く硬化するウレタンを満たしてしまうことで強度アップをはかる、というチューニングがあるんです。お客さんがいっているのは、そのことです。

この方法は非常に非常に話題になり、多少なりともチューニングに関わるあらゆる雑誌などで紹介されており、チューニングに興味がある人で知らない人はいない、というくらいの技です。

話が飛ぶようですが、車は基本的に走りながらグニャグニャとよじれています。よじれる事によって色々な応力(車にかかる様々な方向への力=例えばタイヤが段差に乗り上げた時に、車にかかる色々な方向への力。材料力学の用語です)を分散し、またそのバランスの取れたよじれ方によって安定した走りをします。微塵もよれないガチガチのボディがあったとすると、そんな車はまともに走りません。直進もコーナリングもまともにしない車になります。理由は色々あるのですがね(あ、逃げた・・・)

さて、よじれて力を逃がすということは、車に入ってきた力に対し車は曖昧な反応をするということでもあります。
普通に車を運転する人にとっては、そのことが運転をしやすくしているのですが、レーシングカーなんかには、あまりよろしくない。車が微妙な反応をしないわけです、路面からの力に対しても、ドライバーの入力に対しても。つまり、繊細な車の挙動変化や路面状況を読み取りながら車をコントロールするような、微妙な運転がしにくいわけです。

ボディの補強をする理由の一つは、単純に車に負担のかかる運転をするから、という以外にも、そういう曖昧反応を消すということがあります。サイドシルのウレタン充填も同じく。


が、私はずっと大いに疑問でした。


確かに、堅いウレタンがサイドシルに充填されれば、その部分の強度は当たり前ですが上がります。でも、どんなに車のボディ強度を上げても、車への力の入力そのものは一緒です。どういう風に力を受け止めるかの違いでしかありません。
だから、サイドシルが強固になることでそこがよじれないかった分の力は、必ずより強度の低いどこかを襲っているはずです。通常そういう力は、応力が本来かかるべき部分のすぐ近くの弱いところにきます。
今回のネタの場合、例えばフロント側で話をすれば、フロアパネルとバルクヘッドのつなぎ目、特にサイドシル周辺だとか、あるいはフロントピラーとバルクヘッドのつなぎ目などに応力が集中して発生するのではないでしょうか。ここは通常の状態でも高いテンションがかかる部分なのに、そこにきちんとした補強もしないままサイドシルだけを補強したらどうなるでしょう。

その結果としての車の挙動は、決して素直なものではないでしょうし、車トータルで考えれば剛性を挙げたことにはあまりならないのではないでしょうか。
無駄にボディの寿命を縮めるのではないでしょうか。


正直にいうと、私はサイドシルへのウレタン充填をした車に乗ったことがありません。だから、全てこれはわたしの予想でしかありませんが、しかし間違えていないと思ってもいます。もし間違えていたとしても、おや?と疑問には思ってもいい点のはずです。
ちょっと考えれば思いつく話じゃないでしょうか。高度な専門知識などまったくなくとも(私も何の知識もありません。バリバリの文系ですから)、ほんの多少でも車のことをかじった人なら誰で想像できることです。

だから、最初に出てきたお客さんに言ってみました。
「想像でしかないけど、ウレタン充填はダメだと思う。理由はカクカクシカジカ・・・」と。

そしたら、なんとなく嫌そうな顔をしてどっか行ってしまいましたよ。

どういうことだ、ゴルァ。
文句があるならハッキリ言えよ、違うと思うなら違うと言えよ。自分で言ったんじゃねえか、「サイドシルにウレタン充填した車は、やっぱり剛性高いよね」って。なんで否定されると逃げんだよ。自分の考えに根拠があると思うなら、言い返せよ。なんか雑誌でみんないうから、そんな気がしたってか。あほかお前は。

マフラーが出来上がったことで思い出しましたが、ほんと気分悪かった。
むかつく。